kato takao | weblog
ロボピッチャー・かとうたかおのweblog
冬の中のやや暖かい日に、僕は一つの仕事を終えて、ライブも終えて、やっと少し落ち着いた気分で、この日記を書いています。
時間は夜の2時を回ったところ。
耳をすまして聞こえてくるのは、時計の針の進む音と、僕の指がキーボードを叩く音です。
僕はエンジ色のジャージをはいています。数時間前までは綺麗な形の黒のパンツをはいていました。
両手の甲に血管がくっきりと浮き出ていて、まるで何かのサインのようです。じーっと見ていたら「死」とか「殺」とかいう文字が浮んできそうです。
マウスを動かして、いくつかのボタンをクリックして、このページにたどりついて、日記を書き始めました。書く内容も決めずに、ただ、なんとなく文字が書きたくて。
隣のソファーにはギターが立てかけてあります。今日使ったギター。買ってから、8年くらい経ちました。最初は町で弾き語りをするために買ったのですが、あんまり大きな音が出ないので、使いづらかったです。僕は声が大きくて、夜の街の喧騒の中で歌っても、町の隅々まで染み渡るみたいな声で歌うことが出来ました。たくさんの人の前で歌って、たくさんのお金をもらいました。僕は、そのお金でビールを買って、そのビールで歌を歌って、その歌でお金を稼ぎました。そして、すべてのビールは小便として出て行き、僕の声はくたびれて、あんまり大きな音の出ないギターだけが残りました。
前も書いたかもしれないですが、このギターは、パチンコで買った金で買いました。お金なんかぜんぜんなかったけど、パチンコで3万円くらい勝ったときに、そのお金を頭金にしてなんとなく買いました。ずっと欲しかったものを、やっと買ったって感じじゃなくて、たまたまお金が手に入ったので、なんとなく買いました。愛着もなく。特別な思いもなく。
僕は、このギターでたくさんの曲を作りました。僕は曲を作るときには必ずギターを持つので、ロボピッチャーのほとんどの曲は、このギターで作られたのだと思います。ロボピッチャーのほとんどすべてのライブもこのギターでやってきました。最初の一回目か二回目位の時はエレキギターでライブをしたこともあった様な気もするけど、覚えてない。とにかく、ほぼ100%このギターで演奏してきたのです。
ギターは僕の汗を吸い、乱暴に扱われてきたためあちこちに傷がついています、というより、裏側にははっきりと割れ目が入っていて、ギターとしては普通ではちょっと考えられないくらい傷んでいますが、僕にはそんなこと関係ありません。ギターに汗がついても拭かないし、傷がついてもメンテナンスなんてしません。弦を押さえておくなんか変なピンみたいなやつも変えたことがない。
ギターじゃないか。たかが。
壊れたら次のを買うし、そのときもまた、適当に目に付いたものを買うでしょう。
次のライブでも、僕はギターを掻き毟るように弾いて、また新しい傷をつけるでしょう。
たかが、ギターだ。
そして、
僕がこのギターをどれほど好きかなんて、だれにもわかんないんだろうな。
当たり前か。
壊れたら次を買う。
たぶん、僕は哀しがらない。
好きだったことも忘れる。覚えていてもしょうがない。次のギターを好きになる。
大切なことってなんだろう。
僕は時々、人は自分の人生に意味を持たせすぎなんじゃないかと思います。
今日ライブです。南堀江のKNAVEです。
お越しください。
SCRAP編集が98%終わりました。
明日リハーサルの前に数本電話を書けたら終わるはずです。
今回はとてもよい号になったと思います。
手伝ってくれた人達どうもありがとう。
心から感謝をしております。
こうしてみんなで一つのものを作るのは楽しいですね。
いやあ、また、二ヶ月に一回やってくる、あの狂乱の締め切りがやってきました。こんな日記を書いて位だから結構余裕があるんじゃねえのって思うお前はもう死ね。あのさ、余裕ってのは、なに?時間があるから書けるのかっつう話だよ。もう、1000時間あったって書けないやつには書けないし、書けるときは5分で×(かける)のよ。俺だってさあ、「さーて書くかあ」なんつって、ふらりとパソコンの前に座って、取り付かれたみたいにパタパタキーボード叩いて、「ふう、今日は100枚書いた、さーて遊びにいこっと」とか言ってみたいわ。あとなあ、書きたくても、書けへんこともあんねん。イベント内容が決まってないとかなあ、文字数が決まってないとかなあ、取材が微妙に終わってないとかなあ、そんなんいろいろあんねん。で、「書けへんからまあ、今日はゆっくりとギターの練習でもしながら、曲を作って、ああそうだ、時間が余ったら、鴨川で散歩でもするかあ」とか思えへんねん!!なんかが俺を急き立ててんねん。早くやれ早くやれっていいよんねん。でも特にやることないねん。いや、ないって言ってもあんねん。ずーっと、頭の中で次の号のイメージがぐるぐるぐるぐる回って、「あ、あんな風にして、あんな言葉を入れて、ああいったテイストにしたら、このページはぐっとしまってくるなあ。でも、そうするとその次のページとのバランスがなあ、うーん。どうしようかなあ。まあでもこれで行ってみて、駄目だったら戻して・・・」とかずーっとずーっと考えてんねん。で、取材が終わって、写真を見て、「ああ、やっぱりこんな感じにしようかな、おお、全然春を感じない写真だなあ。え?テキストで春を足しといてください?ふざけるな」とかもうわやくちゃになってくるねん。頼んでる人達が一生懸命文章書いてくれたりする奴読んで、ちょっと訂正したり、書き直してもらったりとかして、デザイナーさんになんとか上手にイメージを伝えて、向こうのイメージを聞き出して、それを他のスタッフに伝えて、スケジュールを作って、広告の営業して、広告のキャッチを考えて、広告の画像を集めて、広告のデザインを手配して、その合間にインタビューして、インタビューの文字おこしして、インタビューをインタビュー記事にして、アーティストの写真を集めて、事務所に確認をとって、販売されるCDの情報を集めて、間違いがないか確認して、イベント情報集めて、間違いがないか確認して、時々夢を見て、「ああ、鳥はいいなあ。空が飛べて。俺も今度生まれ変わったら鳥がいいなあ」とか思って、あとは、書いて、書いて、ひたすらこつこつと書いて、しかも、なんか「いやね、俺は天才だからすらすら文章書けちゃうんすよ」的なポーズをとって(とはいえ、僕は実際結構早く書く。仕事のときとかあんまり遅れたことないもん)、最後に編集後記を書いて、みんなに見せて「今回はあんまり面白くないですね」って言われて書き直して「やっとましになったなあ」とか言われて、やっと一冊の雑誌が完成します。で、出来たら出来たで街中に配って、配って、配って、時々忙しそうな店員さんに「こんなときに来るな、こののっぽ!」みたいな感じで対応されて傷ついたりして、でも、読者の方からの「SCRAP大好きです。加藤さんの文章ってほんといいですね」とかいうほんの一行のメールに励まされたりして、やってます。で、俺は今から、テープお越しをしようかと思っているのだけど、さっきから耳がなんかおかしくて、言葉が聞き取れなくて、困ってて、ちょっと休もうと思って、日記を書き出したらこんなふうになりました。とてもリアルタイムな感じが伝わっているんじゃないかと思うけど、どうかしら。ともあれ、次のSCRAPは3/1に配布開始。特集は「デパオクより愛をこめて」っていうデパートの屋上を取り上げた特集です。4/9には屋上でライブ・フリマイベントもやるから。ロボピッチャーもでるから。デパートの屋上でイベントが出来るなんて夢みたいだな。よし、やる気になった。もうちょっとがんばって、テープお越しして、イベントの概要を作って、資料請求されてる会社に見本誌を二部づつ送る手配をして、今日書いたテキストを読み返して、えーっと、えーっと、あ、まだ来てない資料が山ほどあるから、それを請求するメールを何通か書いて、ぎゃー、いま思い出した、ロボピッチャーのDM出さなきゃ。あれ、アドレス打ち込むのめちゃくちゃめんどくさいねんなあ。なんで俺がやってるんやろうな。メンバーの中で一番向いてないのにな。よし。まあ、とにかくちょっとやる気になったから働くわ。じゃね。
すいません。ずいぶんたくさんの方に見に来ていただきましたが、いきなり最初に「てすと」とか書かれてたらつまんなかったですね。とはいえ、このページにエンタテインメントを求めてる人もいないだろうから、まあいいですか。そうですか。
ところで、いったいあなたはここに何を求めてきてるんだろう。
昨日ライブが終わって、PIPINさんや、シノノメソラさんやお客さんとかいろんな人と飲んでて、京都でライブをするってのはすばらしいなあと思いました。だって、飲める。いや、いつも飲んでるんだけど、最後まで飲める。とことん飲める。
今自分がどこにいて、どんな状態で、誰と話しているかをはっきりと認識した上で、飲める。そういう安心感って他ではない。
また、昨日はずいぶんリラックスしたライブをしました。ものすごたくさんしゃべった。あれもホームだから許される感じでした。
ホーム。
そう。僕(ら)には帰ってくる場所があって、それがここで、だからいろんなところで、とんがったり、つば吐いたり、悪態をついたり、月を見てほろりときたり出来る。僕(ら)は楽器を抱えて出かけていって、その場所にあるものを壊して、なかったものを生み出して、その作業にやはりそれぞれすごく消耗して帰ってくる。そしたら、京都と友人とビールが待っているという寸法です。
にしき屋の人達も、SCRAPの人達も何人か見に来てくれてて嬉しかったな。なんと昔働いていた会社の上司も見に来てくれてた。僕(ら)の作り出すものが、僕のこれまでたどってきた軌跡をなぞって、また一つのコミュニティーをつくるのであるなら、それはそれですばらしいんじゃないだろうかと、あの陰鬱と投げやりと回復と自己完結の共有を志す音楽を奏でながら僕(は少なくとも!)思うわけです。
今は昨日お客さんにもらったビールを飲みながら、少し休んでいるところ。
このビールを持って、拾得から歩いて帰ってくるのは辛かったぜ。40分くらい歩いたからな。
いつか。
どれくらい先かわからないけどいつか。
もし、昨日のライブのことを思い出すのなら、僕らがこの場所でこうして生活をしながら音を出していることと、その帰り道に一歩一歩確かめるみたいにこの街を踏みつけて帰ったことを思い出しますように。
そして、その帰り道の最中に行なわれた、失われた会話のことも、いつか思い出せばいい。
前回三回も書き込んでたんですね。なにやってんだろう俺。
そういえば、SCRAPスタッフの若者にも心配されてました。
だいじょうぶだから。たぶん。
かなりたくさんのことがいっぺんに起こっていて、きっといつかあいつらは僕に向かって牙をむくんだろうけど、たった今じゃないからまあ、いいやって思って生きているところです。はあ、いっぺんにいろんなことを処理する能力が欲しい。
あと、必要なときにいつでも「やる気」になる能力が欲しい。やる気になるまでの時間が僕は長すぎる気がする。
スケジュール管理をしてくれる有能な秘書とかがいたらいいなあ。時々こっそり慰めてくれたり、おもしろ小噺とか聞かせてくれたり、芸能人の秘密とか教えてくれたりする人。おいしいお酒の飲み方とかさあ、ギターの上手な弾き方とか教えてくれよ。秘書。それくらい出来るだろう。エスカレーターでの楽しい遊び方も知りたいな。あと、アマチュア無線についても知りたい。なんでアマチュアなんだろう。ってことはプロもいるんだろうな。世界大会とかあるんだろうか。
お、あと数時間後には高島屋地下にて、商品の撮影立会いです。
そろそろ眠って、営業トークの準備をしなくては。
それでは、ごめん。
どろん(煙)。
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