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2008年08月31日
20世紀少年

 ここ一週間、忙しい忙しいといい続け、いろんな予定をすっ飛ばし、いろんな誘いから耳を閉ざしながらこつこつと謎を作ったり企画書を書いたり、宝探しのデバックをしたりしていたが、なんとか昨日ちょっとだけ一段落。
 猛然とまだまだやらなくてはならないこともあるぞ、ロボピッチャーの次回配信曲も納品直前だぞ、出してない請求をがたくさんあるぞ、宝探しだってまだまだ予断を許さない状態だぞ、お前年内何本イベント打つ気だよ、このイベントホリックめという声をすべて無視して、20世紀少年を見に行きました。えへ。
 日本を代表する高名な映画監督を大家さんに持つ私ですが、一切映像に興味がなく、年に二桁映画を見たことなんてありもせず、大体映画を封切り日に見に行くなんて「ドラえもんのび太の恐竜」以来だよ多分。あの頃は親父がよく連れてってくれたなあ。小学校1年生くらいだったけど泣いたよなあ。泣いたっけなあ。覚えてねえなあ。

 まあ、とにかくそんなこんなでぽっかり空いた時間を利用して観に行ったのです。
 最初は半信半疑ですよ。なんとなく話題先行的なところあるじゃないすか。
 キャストがすごいとか3部作とか最初の打ち出しがすごい奴ほどこけそうな感じするじゃないですか。
 でもまあ、なんか映画が始まったら「うわー、20世紀少年の世界が動いてるー」みたいな馬鹿げた感想しか出てきませんでした。くう、なんか面白かったわ。どうせなら、めちゃくちゃ扱き下ろしたくて、むしろそうなることをのぞんで、さあぼろかすに言ってやるからやってみろ、くらいの勢いで見に行ったのだけど面白かったです。てへ。

 マンガを映画にするにおいてかなりたくさんの部分がはしょられてはいたけれど、それもある種納得のカットだといえるし、構成もうまく出来てる。ところどころちゃちな部分はあるけど、それは原作もまあ同じだし許せる気がする。
 そして、何より原作を知った上でみると、もう随所に予告編っていうか、今後の展開を暗示する暗号というか、あーあいつはこの後ああなるからこんな演技してるんだなあみたいなのがいたるところにあって、どきどきしちゃうのです。俺だけ答え知ってる推理小説についてみんなが熱く語り合ってるみたいな感じなのよ。「うふふケンジったらそんなに熱くなってるけど、実はそいつはあれだよ」みたいなあれですよ。

 なんかよくわからんけどとにかく、俺は少年に弱いのです。
 少年が大人時代に影響を与えるタイプの物語に弱いのです。
 ヨーロッパ企画が持つ少年っぽさがど真ん中であるように、少年探偵団っていう言葉を聞くとまだときめくように、秘密基地とか駄菓子やとか探検とか冒険とかそういうのはもう全部大好きなのです。夏の少年が汚れたランニングを着て走り回ってるだけで、もう甘酸っぱいのよ。

 てなわけで、世の中にはたくさんの迷ってる人がいると思うし、こんなの別にテレビで見たっていいじゃんって思ってる人たぶん多数派だろうし、世の中の評判聞いてからにしようかなあとか思ってるのは大多数だと思うが、僕の公式見解としては「観とけ」と3文字でどんですな。

 そんじゃ今から明日のソロライブのための練習をします。
 大阪の皆様、また明日お会いしましょう。
 さようなら。

 加藤

kato takao** 31/8/2008 日曜日 01:46 | Link | TB (0) | コメント(0)
2008年08月21日
夏が甘酸っぱくて困る

 どうも不思議なことが起こる夏だ。

 先日僕の隣にいた女子が突然恋をしていることに気づいた。
 彼女の話を聞いていて「それはもう完全に君は彼のことを好きなんじゃないの?」といったときに、彼女は自分の恋心に気づいた。僕はものすごくビックリしてしまって、どうしていいかわからなくなって、とりあえずその恋のために僕が出来ることは全部やろうと決めた。

 その数日後、本当に本当にある男子が恋に落ちる瞬間を見た。
 どうやら恋に落ちられた女子はそのことに気づいていないようだった。
 僕はどうしていいかわからなかったので、その恋については何もしないでおこうと決めた。
 その恋に対して何かをすることはきっと優しさではない。

 あとは海へ行き、バーベキューをして、泳ぎ、水着姿をうら若き女子達に馬鹿にされたりした。
 僕はずいぶん日焼けして、空と海の間にずっと昔にあこがれた景色を見た。

 ある夜に僕は僕の恋心について話す。
 それはとてもどんくさい話で、どうやら幾人かの人たちを不幸にさせているような気にもなった。
 僕は僕の手の届く範囲のなにかについてしか話が出来ない。
 いつもたくさんの人たちにがっかりされている生き物だ。

 そんな甘酸っぱさの中、どうしようもなく大きな波がやってきていて、僕らはいまてんてこ舞いです。
 胃が破けそうなほどのプレッシャーの中、なんとかすごい物語をつくってやろうと必死です。
 夏休みは終わった。
 僕は、宝探し大会で宝物を見つけるために、今からすべての時間を使うのだろう。

 9月7日にSCRAP史上最大のイベントをやることになります。
 京都音楽博覧会に行く予定のみなさまは、どうぞSCRAPブースにもお立ち寄りくださいね。
 http://www.scrapmagazine.com/event/1000takara.html

 すごく夏ががしがし進んでる。なんて夏だ!ものすごく夏だ!
 夏終盤戦に、どうも僕はめちゃくちゃがんばるみたい。
 
 あ!
 ソロライブもあるのだよ!>伊藤君告知よろしく。

8.31(SUN)@扇町DICE
「DanceDance DICE!!」
** ad1500yen door1800yen **
加藤隆生(ロボピッチャー) / 林良太(ミックスナッツハウス) / 原田茶飯事(クリームチーズオブサン)

2008/09/04(Thu)@VOXHALL
・加藤隆生(ロボピッチャー)
・紺風少年
・ポツネンズ
・無来館
・talk in sleep
open17:30/start18:00
adv¥1,500/door¥2,000
1drink¥500

 いっとくが、めちゃくちゃ甘酸っぱいライブをするつもり。
 ビックリするくらい甘酸っぱい面子の中で、実は始めてみるポツネンズのことをすごく楽しみにしている。
 やっと同じステージに立てるね。あんりさん。

 そんなこんなです。
 秋が来たら、がっくり来ると思うので、そのときはみんな優しくしてね。

 

kato takao** 21/8/2008 木曜日 02:51 | Link | TB (0) | コメント(0)
2008年08月08日
秘密

 昨日の日記で、「清水玲子の”秘密5巻”を読んで寝よう」などと書いたものの、書き崩れるようにそのまま眠ってしまい、今日は昼真っから結構ちゃんとした一日を送り、事務所から歩いて帰ってきて、シャワーを浴びて、ああもう眠るだけだなあとなった午前5時半から「秘密」を読み始め、とてもじゃねえが眠るなんていう行為から最も遠い気持ちになったので日記を書く。

 もう寝るとかまったく無理。肌が泡立つ。
 感動と吐き気が同時に来る感じ。そう、この感覚はこのマンガにしかない。いつも読むたびに思い出して、それ以来忘れてしまう。なぜなら、ほかにこんな感じを思い出させてくれる作品はないからだ。

 舞台は近未来。
 死体の脳から生前の記憶を読みとり、事件を解決する「第9」と呼ばれる捜査機関がその主な風景となる。

 マンガでないと描けない怖さがある。
 怖いものは嫌いだけど、こんだけリアルにえぐってくれるならかかって来いという気持ちにもなる。
 なにか作品に触れてやる気になったり、慰められたり、温かい気持ちになれたりということが唯一必要なことだと考える向きにはなかなか読みづらい作品かもしれない。

 僕はミステリーを読むときにそれはある種のパズルだと思って読む傾向がある。
 人が死んでもそれは物語の中で必要な装置であり、感情的にそこまでコミットしない。
 小学校の時からずっとミステリーを読んでるから、人が死んだくらいじゃビックリしない。
 でも、ちょっとまえにSCRAPのデザイナーさんにミステリーを貸したら「やっぱり人が死ぬのは怖い」と言っていて、なんてプリミティブな感想なんだろうとそのときはちょっとくすっ、この人可愛いところあるんだなあとか思ったけれど、このマンガを読むと人が死ぬのが怖いと感じる。人が死ぬという記号からはみ出した生々しさがある。
 とても誤解を招く表現かもしれないけれど、このマンガからはきちんと人が死んだ時のにおいがする。腐臭がちゃんと漂う。
 そして、それはなんて大切なことなんだろう。
 人が目をそむけていることをきちんと提示しているのだと思う。
 ほらね、刺されると痛いでしょう?
 死は哀しいでしょう?
 人生は儚いでしょう?

 人が死ぬことはパズルでも記号でもなくて、ちゃんとそこには匂いを伴った事実がある。
 じかに何かを見たときにだけわかることがあると思う。
 
 この吐き気を伴う名作をもっと世の中の人が読めばいいと思う。
 そして感想を聞かせてくれるととても嬉しいと思う。

kato takao** 08/8/2008 金曜日 07:49 | Link | TB (0) | コメント(1)
2008年08月07日
世界は今のところ、僕のものではありません。

 どうもあまりにもまとまった時間が作れなくて、いろんな人に迷惑をかけている気がする。
 今このタイミングで僕のことを嫌いになろうとしている人は、どうか後3週間くらいその判断を下すのを待っていただきたい。

 とはいえ、もうここ5年くらい「来月には暇になるから」と言い続けて、相変わらず忙しげに生きているのでもうあきらめた方がいいのかもしれん。こうなったら、ずっと忙しげな気の毒な人として生きていくのだ。

 先日RADIO SCRAPの人たちとご飯を食べに行き、その場にずいぶんと忙しいはずで、ずいぶんと役職も上のほうで、ずいぶんと仕事の出来る、ぱしっとしたスーツの男性が攻殻機動隊やエヴァンゲリオンやガンダムなんかについて語り、大いに食べて大いに飲んで陽気に時間を過ごしておられた。
 前にも書いた気がするけど、仕事が出来る人は忙しくても忙しげじゃない。
 僕もそうでありたいけれど、もうしばらく無理かもしれん。

 今日はちょっとしたプレゼンイベント。
 僕としては、この期間にこの場所でやったイベントとしては会心の出来だった。
 これがどんなふうに仕事になっていくのかはまだはっきりとはしないけど。

 イベントの後たまっている仕事。
 どうしてももう一字も書けなくなって、事務所の近くの24時間やっている本屋さんに行く。
 サラッと読めるマンガを買おうと思ったのだけど、何を買っていいのかわからず呆然と立ち尽くした。
 本をきちんと買うという習慣から離れていたことを痛感した。数年前までは本屋さんでどうやって振舞えばいいのかはっきりとわかっていた。
 夏の夜の本屋さんで僕はいくつもの夢を見た。
 すべての物語を手に入れたいと思っていた。
 英雄とか謎とか恋とか人生とか青春とか友情とかそういう奴。 

 本屋さんの蛍光灯の下で立ち尽くしていくつもの言葉を手に入れた。
 ビーチサンダルの自分の足がとても非現実的で、どっちが本当のことかわからなくなった。
 明日から、すごい物語が始まるんじゃないかと思った。
 宇宙で帝国軍と闘ったり、幽玄の森でドラゴンを仲間にしたり、信じられない美少女が空から降ってきて僕のことを好きになったり、時効切れ直前の難事件を解決したり。
 いつまでも本屋さんでドキドキしていられた。ほとんどのこづかいを本屋さんで使った。
 でも、僕はいつからか、物語の世界に入った翌日に、いつものベッドで目が覚めるっていう哀しみに耐えられなくなっていった。物語の中の人たちがうらやましくてうらやましくて、いつしか本当の意味ではもう物語を楽しめなくなったような気がする。

 主人公は僕でなくてはならない。
 それは僕が強く強く思い続けたたった一つの願いだった。

 多分、今そんなふうにやっていると思う。
 脇役になるときもあるけど、きちんと僕は僕の物語の登場人物だ。
 うわあ、「僕は僕の物語の登場人物だ」ってものすごく恥ずかしくない?大丈夫?まあいいや、でもほんとにそう思うから。
 
 僕は今、参加した人たちが物語の登場人物になれるようなイベントを一生懸命作っている。
 登場人物になれた人たちがものすごく嬉しそうな顔をして帰っていくのを僕は知っている。
 そんな時間を作れたことを僕はいつもものすごく誇らしく思うのだ。
 
 本屋さんで、清水玲子の「秘密」5巻を買った。
 1巻が出たときからずっと買っている本の新刊が出ていて良かった。
 このシリーズってもう10年くらい続いてるんじゃね?少なくとも5年以上は続いていると思う。
 すこし怖いけどとても好きなマンガです。
 これを書き終わったら、ベッドで読もう。
 本を読んで後は寝るだけっていう時間が、異常に好きです。
 その時間は僕にとってのエンペラータイム(絶対時間)で、世界は僕のものだと強く信じます。

 だから翌朝つらくなるんだけどね。

kato takao** 07/8/2008 木曜日 05:16 | Link | TB (0) | コメント(0)
2008年08月05日
いろいろあるけど名言はいいよね

 東京でライブをし、その後ずいぶんと豊かな気持ちになれるイベントで弾き語りのライブをしました
 どのライブもすごく覚えている。
 その場所にあった空気の重さとか、ざわめきとか、ざらつきとか。そういうの。

 よいライブをしたと思う。東京も京都も。
 音楽だけに関しては、きちんとはっきりとしたビジョンを持って愚かでありたい。
 そんなことをまたはっきりと再認識した3日間でした。
 来てくれたみなさま、本当にありがとう。あの時間を共有できて本当にうれしかったです。

 そして、なんだか東京でやるイベントの話がやたらと盛り上がっていたり、脱出ゲームのオファーがそこらじゅうから来ていたり、ロボピッチャーの自主イベントの制作もものすごく遅れながらやっていたりでめちゃくちゃですが、じぶんが朝起きて初めてどこにいるかを確認するほど移動しまくってますが、とにかく今俺が言いたいのは今週の日曜日はまたBAR探偵×SCRAPのイベントです。今回は久しぶりに謎とは関係ないイベント。なんか逆にほっとするぜ。

 今回は前回意外と好評だった「名言BAR」です。
 みんなの心の中の名言を発表して、投票して、その日の名言を決めようというシロモノです。
 ものすごく美味しい料理と、ずいぶんリラックスした僕が見られると思います。
 前回のイベントでは一位も二位も僕が発表した名言になってしまいました。
 名言ソムリエの加藤を超えられる名言は現れるのか?
 そして今回の加藤が出す名言とは?
 っていうか、ほとんどどこでも告知なんかしてないけどお客さんは集まるのか?
 などなど不安と期待がいっぱいですが、とにかくみなさまちょっとした良い言葉を収穫したいならぜひこの日BAR探偵で名言を捜索してくださいませ。ぜひ!入場無料っす!

SCRAPプレゼンツ BAR私立探偵イベント第8弾
「名言BAR」

書籍、映画、マンガ、音楽の中から出会ったMY名言を発表するイベント。そしてその日のナンバーワン名言を選出します!
人生の岐路にはいつも名言があります。
もちろん聞くだけの参加もOKっす。

日時:8月10日(日) 
    OPEN 18:00/START 19:30
場所:BAR私立探偵 http://bartantei.blogspot.com/ (東大路御蔭通り西入ル北側)

入場無料 

kato takao** 05/8/2008 火曜日 06:19 | Link | TB (0) | コメント(0)

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