kato takao | weblog
ロボピッチャー・かとうたかおのweblog
SAL CULTUREというイベントタイトルが決まった時に「かっこ悪い」って言った人たちが何人かいて、僕は「ああそうかもしれないねえ」といいながら、なんて愚かな人たちなんだろうと思った。そして、誰がSAL CULTUREというタイトルを悪く言ったかを絶対に忘れないようにしようと思った。
どんなイベントになるかもわからず、どんなブッキングになるかもわからず、どんな会場になるかもわからないイベントをタイトルだけで「かっこ悪い」って言えるなんてどういう神経なんだろう。ましてやなぜサルカルチャーがかっこ悪いかも彼らは説明できない。「なんとなく好きじゃない」という不確かな理由のみで他人の作った物を批判できるような人たちだけがこのイベントタイトルに対してネガティブなことをいった。
僕はざまあみろと思おうと思った。
君らがかっこ悪いといったこのイベントをどこまでもすばらしくしてやろうと思った。
もしこのイベントがかっこ悪かったら、頭を下げてごめんなさいと言おう。
タイトルなんて記号にすぎない。大事なのはその本質であり、当日の空気であり、そこでどれほど研ぎ澄まされたものが存在するかだ。流れる時間の純度をいかに高めるかだけを僕らは考えていれば良い。
僕らのイベントがまた始まる。
かっこ悪さなんてかっこよくしてやろうと思うのだ。
明日から会場でまた仕込みがはじまる。
また土気色の僕を見に来てください。
これがロックだというつもりも、これがフェスティバルだというつもりも、これが音楽の未来だと言うつもりもない。
これがSAL CULTUREだ。
ここでしかないものを、この時間にしか流れないものを僕らはつくる。
僕らが大切だと思っているものを、一番素敵だと思うやり方で、撃ち放とうと思う。
こんなこと多分言葉で言ってもなにも伝わらない。
言葉じゃ伝わらないから、来てほしい。
見て、触れたらわかる。
絶対に間違いなくここにはある。
何があるかを言葉にするのはとても難しいけれど、今までなかったことがあるんだと思う。
どうか。どうぞ、SAL CULTUREを目撃しに来てください。
そして、SAL CULTUREのロボピッチャーを見に来てください。
見たことないものばかり見せてあげるから。
一体何をいくつ動かしているのか。
動かされてるだけかもしれん。
やりたくないことは1つもやっていないのに、こんなにいっぱいいっぱいなのはどこかが間違ってるのかな。
ロボピッチャーの次の音源の最初のミックスを聴く。
ものすごく感動して、ものすごく憤った。
身体から言葉がほとばしるような気がしたので伊藤君にすぐ電話してそれを告げた。
ロボピッチャーの仮ミックスを聴いて嘔吐するように僕はその仮ミックスの感想を伊藤君に語り、そのすばらしさについても言葉を尽くした。
音楽をやるんだ。音楽を。
かっこいい音楽をやりたいんじゃなく、君の気を惹きたいんじゃなく、もてる音楽をやりたいんじゃなく、ただ今は音楽をやっていたい。自分達の身体からでた音を必死で浴びていたい。それを君が気に入るかどうかを気にしている余裕は今はないんだ。ひり出すように音を出して、終わったらやっと普通になるんだ。
でも、一方で、君が気に入ってくれるかどうかも死ぬほど気にしてる。
俺は小学校時代に不眠症で病院に行ったほどの筋金入りの神経症だ。
おおらかにのびのびと何も気にせず生きてなんかいけるはずがない。ふふん。
たくさんの人たちがこの三月でこの町を去る。
SCRAPからもボロフェスタからもSALCULTUREからもたくさんの人がいなくなる。
おれは人がいなくなるのが嫌いだ。
だからおれはここにいよう。
俺はもう誰からもいなくなりたくないから。
ここにいるから、気が向いたらみんな帰っておいで。
忘れていたことをたくさん思い出した。
これが春だった。
ずいぶん追い込まれてしまって、自分という人間のキャパシティーを見誤ったことを認めざるえない。くそ、もっと出来る子だと思っていたのに!
今何を考えているかというと、無事三月が終わってほしいと思っている。
そんなのぜんぜん前向きな発言じゃないことはわかってるけど、とにかく心の底から三月が無事に終わってみんなで五月の風のビールを飲みたい。高らかに乾杯を告げ、カチンとジョッキがなる音を聴きたい。
旅が大好きな友人がいて、僕は彼女のことがこっそり好きだったので、あんまりそばにいてくれないのでいらいらして「なんでそんなに旅にばっかりいってるの?」と聞いたことがある。彼女はなんて答えたっけな。忘れた。なんとなく、とかまあ行きたいからとかそんなこと言ってた。
今ならなぜ彼女が旅に出たかわかる。旅に出たかったからだ。当たり前だ。当たり前だけどそれだけなんだ。
僕は時々なぜこんなイベントをやるんだろう、と考える。そのメリットや意味について考える。時々経済的な損得勘定だってしちゃう。でもそんなことだけじゃイベントは動かない。もっと根源的に潜った場所にモチベーションはあって、得するからって誰も死ぬほどは勉強できないように、得するってだけではこんな過酷なイベントを作ることは出来ない。少なくとも僕は出来ない。
だから、たぶん、僕はただイベントをやりたいんだろう。
僕らには根源的な熱があり、それをアウトプットするだけの力があった。だからやってるんだろう。
今、関西でSAL CULTUREというイベントが生まれようとしていることをどれくらいの人が知っているのか。
あなたは、今この僕のブログをこの瞬間に読んでいるあなたはどうやったらこのイベントに来てくれるだろうか。
どんなバンドが出演するかを言えばいい?それが好みのバンドだったら来てくれる?ロボピッチャーの出演時間を言えばそれにあわせて来てくれるだろうか。ありがとう。えーっと、ロボピッチャーは多分29日のかなり早い時間に出ます。それとも、大阪城野外音楽堂という場所のすばらしさについて説明したらいいだろうか。僕らは何度もその場所に足を運び、管理している人達は半ば呆れ顔で「こんなに何度も下見に来られた人達は初めてですよ」と言った。この場所のポテンシャルを僕等は最大まで引き出すだろう。空間に眠っているものを隅っこから順番に全部たたき起こしていくのが僕らの仕事だ。もしくはどうだろう。こんな地方フェスティバルの意義について書けばいいだろうか。このフェスティバルは音楽を好きな人間が集まって、作られるフェスティバルで、どこか閉塞感のある音楽シーンに風穴を開けるのだ!とそんな言葉を書けばいいだろうか。
もし可能なら、そのどれでもなく、僕らを信じて来てほしい。
僕らとは、僕と、リミテッドの飯田君と、ゆーきゃんと、ASPのサンデーくんとHOSOMEのみんなと、FLUIDのジャックと、三条ハンソンのおっぺけと、磔磔でバイトする東口と、ぽつねんずのアンリちゃんと、ゆーきゃんmeetsあら恋の岡村ちゃんと、アーリオのくれはと、SCRAPの田中さんと、SCRAPの佐谷と、滋賀のいまいくんと、元気なこみやまくんと、最後にnanoから強烈な援護射撃をしてくれているもぐらくんだ。
このメンバーが揃って、なにかダメなことが起こるなんて僕は信じない。
実はこれを書き終わってすぐにだれか書き漏らしていないかすごく不安になったことはひとまず置いておく。
僕らを信じてほしい。
友情でも愛情でもなく、少しも馴れ合わず、慰めあうことすらしない僕らは、ただSAL CULTUREへの根源的な熱と、それをアウトプットするための力でのみ繋がった。
繋がってすらいないのかもしれないけれど、とにかく今ひとつのイベントを成立させるために同じ場所で同じ不安を抱えている。
そんなの多分無茶な話で、会ったことも無い人達を信じるなんて出来ないと思う。
でも僕は信じてほしいと思う。僕のブログを読んでいるあなたにだけは信じてほしいと思う。
僕らは何も成し遂げない。ただ全力向かっていって、そのまま通り過ぎる。必要があればまたそれに全力で向かう。他にはなにもしない。他のことは関係ない。
僕らにしか出来ないことがあるかどうかわからない。でも、僕らがやっている。全力で。
それ以上に大切なことは僕には見つからなくて、どうしてもここを読んでいる人にはそれを告げたくて書いた。コンセプトが見えないイベントだといわれ、ブッキングはボロフェスタの延長だといわれ、告知の仕方がわかりにくいといろんな人に言われた。そうだと思う。チケットの種類もわかりにくい。それらを覆す僕の一番まっすぐな言葉は僕らを信じて来てほしいってこと以外にない。
僕はSAL CULTUREのすばらしさを語る言葉を持たない。まだ始まっていないイベントだからそのすばらしさを僕は書けない。でも来てほしい。どうしても来てほしい。そんなの駄々っ子で理不尽だとわかっているけれど絶対に来てほしい。
僕がただ確信しているのは、その場所のその時間は絶対にそこにしかないってことだ。
そんなのあたりまえだけど、そのあたりまえさに誰も気づかずに生活してる。
きっとあなたはそのあたりまえの幸せにSAL CULTUREで気づくだろう。
その理由はただ一つ。
僕らがやってるからだ。
ロボピッチャー 加藤隆生
2008年はなんだか死んだ人のために歌っているような気がしていて、やっとおととい生きている人のために歌った。
歌が歌えるって素敵なことだ。ありがとう。歌わせてくれて。
よいイベントに必要なものはなにか。
それはたった二つ。
根源にある熱さと、それを伝えるための力だ。
どちらがかけても空間は存在の理由を失う。
どちらかがないのならやめてしまいなさい。
どちらもあるなら、他のなにもかもを失ってでもやりなさい。
時間と空間が支配できれば良いイベントになるなんていう世迷言はもういわない。
結局熱量と力量だ。誰かの天才的なセンスでかっこよく構築されたイベントなどいらない。
僕らはただ誠実に愛するものを愛し、憎むべきものを憎もう。
せめて僕らだけでも誠実であろうと願ったイベントがあり、その半ばを越えたころに彼は言った。
「ジャンプをするときには、着地点は確認しないんだ。ごめん」
僕は彼が倒したマイクスタンドとモニターを直していた。
そんなきれいな言葉があるだろうかと僕は考えていた。
マーガレットズロースがあの時に出した音のことは忘れないと思う。
それは僕らがずっと探していた答えの一つだったから。
最近ミュージシャンが死にますね、とあるディレクターは言い。
そうですね、と僕は応える。
死なないでくださいね、と彼女はいい。
僕は、はあと応えた。
死にたくないな。もうちょっと待って。いま作っている曲が流れるまでは。
言葉のない場所では僕は生きていられないから、ひょっとしたらテレパシーが使える君にはめんどくさいかもしれないけど、なんとか言葉で話してよ。ちゃんと伝えてくれたら、ちゃんと応えるから。君の抱えた哀しみを、僕も同じ重さで抱えるから。
嫌なことがあったときこそ目を開けていようと思う。
目を閉じるのは誰かが離れていくときだけにしよう。
映像が細切れに飛び込んできて、なんかうまくセンテンスにならない。ああ、そうだ。宇多田ヒカルのすばらしさにおれは気づいたよ。10年かかったけど、10年かける価値があったのさ。
一昨日、僕はステージで歌っていて、僕の目の前で女の子が泣いていた。
生まれてすぐ死んだ赤ん坊じゃなかった女の子だ。
その幸せに気づいて欲しいと願いながら歌った僕の歌は、nanoの壁を跳ね返り僕の頭蓋骨を貫いた。
君は気づいただろうか。
泣きたかったのは君だけじゃない。
春は走り出したい気持ちになります。
多分このために止まっていたんだ俺は。
もうすぐロボピッチャーがステージに立つ。
もう立たないかもしれなかった。
もうなくなってしまうかもしれなかった。
僕は電気技師かなんかになって、いろんな人の家の電気にまつわるさまざまなトラブルを解決する男になっていたかもしれない。
でもロボピッチャーは生き延びた。
死ななかったという喜びは、僕らに新しい音楽的なモチベーションをもたらした。
恥骨が砕けるほど、僕らはこの日すごい演奏をするだろう。
たぶんそれが僕らのいる意味だ。
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