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ロボピッチャー・かとうたかおのweblog

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2005年12月28日
はい。

 えーっと、本日は、なんかよく音楽雑誌とかでミュージシャンがインタビューでいってるようなことをしました。

 「ああ、この曲は歌詞が最後まで出来なかったんで、うた入れの直前に書いたんですよ」
 うおーだせー、つまらない詩なんだろうなあ、と思っていたのですが、まさに今日の僕がそうでした。
 まあ、歌入れといってもまだ本番ではなくて、メンバーのみなさまがなんとなくイメージを固めるための歌入れなのですが、それにしても、スタジオが用意されていて、その他の要素はすべてそろっていて、歌詞だけ出来ていないという状況下で、メンバー全員に囲まれながら書く歌詞というのには、ある種の魂がこもったようにも思いました。しかも良い歌詞だった。もう、良い詩が書ける手順なんてものはどこにもないんですね。

 さて、明日はライブです。
 ソロライブです。
 よかったらお越しください。
「新曲はあんまりやるな」というメンバーからの命令が出ましたが、それはあしたライブの直前に決めます。

 では。

kato takao** 28/12/2005 水曜日 02:42 | Link | TB (0) | コメント(0)
2005年12月27日
なんだかんだで日が進む

 また日が開いてしまいました。ごめんなさい。

 なんかいろんなことがあった。

 簡単に書く。

 えーっと、17日は友人の結婚式。
 良い式でした。いろいろあったけど。
 で、二次会で騒いで、三次会でくろーいのがいっぱい出てきて、おひらきになった。その夜はものすごい雪が降って、タクシーがつかまらず、吹雪の中を二時間ほど歩いて帰った。死ぬかと思った。あの時何かを諦めていたら、人生を諦める事になったと思う。つらかった。

 で、18日19日は仕事。仕事。
 この2日は相当がんばった。いくつの仕事をここでこなしたかわからないくらい。
 あああ、請求書送らなきゃ。わすれてた。
 12月は結構がんばって仕事もしました。
 なんとなく経済的な帳尻も合った感じ。
 ありがとう2005年。

 20日。大阪コントロール。
 とても正直な書き方をすると、リハビリだった。
 僕は、自分がどういうタイプのミュージシャンなのかを確認できないままステージに上りました。
 だからこそ一番生々しいライブをした。
 それが良くないというのなら、僕という人間が良くないという事です。

 21日から東京。
 とてもたくさんのお酒を飲んだ。
 そして、とてもたくさんの話をした。
 それはすべて未来についての話だった。
 久しぶりに、全部について話した。

 22日。東京コントロール。
 きちんと良いライブをした。声や音がスコーンと飛んでいった。楽しかったな。ロウソクでのどをやられてしまったけど、まあいいや。良いライブが出来るなら、何を犠牲にしたっていい。発声に関する新しい発見をした。
 その後の打ち上げは、まあ、なんかディープだった。火浦功について話す俺がいた。

 23日 東京から京都へ
 20時間近い運転。雪によるさまざまな通行止め、通行規制、渋滞などを乗り越えて、家へ。
 本当に本当に疲れた。そして、数時間寝て、

 24日 京都ライブ
 黒いものが洩れ出るようなライブでした。クリスマスにとてもぴったりな雰囲気でしたね。僕としては思い描いていたようなクリスマスライブでした。裏クリスマスみたいな。表通りではみんなセックスしてるのに、裏通りではみんな体育すわりみたいな。
 そして、その後、忘年会に参加。死にかけた。

 25日 忘年会。
 楽しかった。でも、最終的に死にかけた。

 26日 ついにオフ的な日
 ちょっとだけ仕事。そしてデート。やさしい料理を食す。食べてすぐ別れた。ビールは瓶一本だけ。でも帰ってからたくさん一人で飲んだ。新曲の構成と歌詞を制作。不発。沈鬱。酩酊。

 で、今に至ります。ふう。なんかわかりやすくなったな。

 ↓

 大切な時間を過ごしているんだなと思う。
 これまで過ごしてきた時間が、きちんと積み重なって今に至っているんですね。
 クリスマスだって、馬鹿にしてたけど、今日宗教学的な見地からクリスマスについて聞いて、ちょっとだけ考えが変わった。そこに宗教上の見地から祈りを込めたい人の気持ちが、少しだけわかった。
 なんとなくクリスマスに一人でいたくない人の気持ちはぜんぜんわからないけど。 

 まあ、いいや、
 この日記も、リハビリです。
 ちょっと、明日から仕切りなおす。

 本当にぼろぼろだった12月を、なんとか持ち直すための、なにかをしようと思う。

 では。
 

kato takao** 27/12/2005 火曜日 02:59 | Link | TB (0) | コメント(0)
2005年12月17日
しっかりとした何かって何だ

 本日はちょっとした仕事で神戸へ。
 
 この寒さの中ひとりぼっちで電車に揺られていく神戸は遠く、また、寒かった。まあ、気温的には京都の方が寒いのでしょうが。なんか気分的に。

 でも、なぜかウコンのサンプルをたくさんもらってうれしかった。これで、僕の肝臓も少しは長持ちするでしょう。
 本日聞いた話はすべてものすごく興味深く、日本という国についてのイメージがよりはっきりするような緻密さだったのですが、それを今からテキストにするのがなかなか大変そうです。ふう。明後日からがんばろう。

 明日は、友人の結婚式。
 なんか月に一回くらい結婚式に出席してるな。来月も一回出席の予定。
 僕はこの年の男性にしては、結婚する友人が少なく、ほとんど過去にも式に出席する事なんてなかったのですが、ここ半年くらいでなぜか急増しました。なんでだろう。

 今日は一人でご飯を食べるのが嫌で、だれかと夕食をともにしたかったのだけど、だれも誘う相手がいなかったので、ご飯を食べなかった。一人でご飯を食べるくらいなら食べないほうがましだった。今日は。
 家で、テレビを見て、メールの返事をいくつかかいて、お風呂にはいって、ビールを飲んでいます。ウコンも飲んだよ。おなかが減ったけど、コンビニに弁当を買いに行くなんていうみじめな行為をするのは嫌だ。もう今日は眠ろう。

 一人でご飯を食べたくないときに、だれもいないのならそれはどうしたらいいんだろう。
 一人になってしまった自分を恥じたらいいのかな。
 でも、それはそれで、そんな自分も好きだしな。
 まあ、喰わなきゃいいのか。
 じゃ、今日は正解だ。

 ロボピッチャーのレコーディング用のレコーディングの仮音源が上ってきました。
 そればかり聞いている。
 これがきちんと世界に広まるまでは死なないでおこう。
 僕らには死なないための理由が必要だ。

 そして、それは、人を殺してはいけない理由と同義だ。
 

kato takao** 17/12/2005 土曜日 00:40 | Link | TB (0) | コメント(1)
2005年12月15日
警鐘は日常的に鳴らされなくてはならない

 ロボピッチャーのレコーディングのためのレコーディング(?)みたいな作業をしています。
 新しい言葉とメロディーを作って、それを四人で形にしていくという作業は本当に楽しく、おおげさではなく生きている実感を得られるほどの素晴らしい時間なのですが、まさに同時代的になんらかの代償も払わされるようで、僕はもうアルコールなしで日常生活を営む事はあきらめました。まあ、そんな時期が年に一回くらい(?)あってもいいでしょう。

 このなんとなく満たされない感じというのは、もちろん日常的に感じている事であり、何かへの飢餓感であり、一抹の不安であり、安定した幸福を求めない感じであり、うずうずしていたい感じなのだけど、それは冬の寒い夜には、異常な緊迫感で僕に襲い掛かってきて、ただじっとテレビを見ているだけで、走り出したくなるような気持ちになる。

 俺はお前達にいいたいことが一つだけある。
 でもそれが、何かはわからない。

 というのはその昔、尾崎豊がライブで語ったといわれる伝説のMCですが、まさにいまそんな感じで、このMCを聞いたときはみんなで腹を抱えて笑ったけど、今は自分の腹の奥まで見透かされていたような戦慄を感じます。

 時々思う。
 僕らがやってる事はただの徒労で、誰にも何も伝わらずに終わる。
 何も変わらない。だれもなにも思わない。
 何年か後に極少数に思い出される。
 「ああ、なんかへんなバンドあったなあ」とか。
 だとしても。
 だとしても、僕らは作り続けるのだ。
 少なくとも今、作りたいと思っているのだ。
 それで充分じゃない?

 道を歩いていると、突然20歳くらいの女性に声をかけられる。
 「あのすいません。今ちょっといいですか?」
 彼女はきちんとした感じのいいコートを着ていて、薄紅のストッキングをはいている。靴の先っぽがとんがっているのは気になるけど、うっすらとぬった頬紅でちゃらにしよう。僕は無視はしない事にする。
 「なんですか?」
 「わたし今日一人なんです」
 「そのようですね」
 「よかったら、お茶でもしませんか?」
 僕は、そんなに積極的な女性と会ったことがないので、さすがにたじろぐし、これはなんらかの詐欺的なことだろうと思う。
 「お茶をすること自体は別にかまわないけど、その結果僕らはどうなってしまうんだろう?」と僕は直接的に聞いてみる。
 彼女はそこで初めて人間的に笑う。それは、妖艶とすらいえる笑顔で、
 「さあ、それはあなた次第じゃないかしら」という。
 「だとしたら」と僕はかすれた声で話し出す。「僕とあなたは今日はお茶をするべきではないでしょう」
 「なぜ?」
 「僕はきっとあなたの期待にこたえることは出来ないから」
 「わたしが期待している事があなたにわかるの?」
 「わからないけど、わからないことがきっと今問題なんでしょ?」
 「なるほど」と彼女はまたあの絶望的に妖艶な笑みを湛える。「それはそうね」
 そして、彼女は、ハンドバッグから名刺入れを取り出し、片手で僕に名刺を渡す。
 「近いうちにここに連絡してきて」といって、彼女は名刺に書かれた電話番号とメールアドレスを指差す。「あなたならいつでも返事をするから」
 「ありがとう」と僕はいう。「でも、きっと連絡はしないと思うよ」
 「なぜ?」
 「さあ、それがなぜかはわからない」
 「尾崎豊のMCみたいね」
 「ははは」と僕は笑う。そして「うん」という。
 「仲良くなれると思ったけど」
 「うん。でも結局は・・・」結局はシステムの問題なんだ。君が、こんな場所で、寒空の下で、僕みたいな男に声をかけなくてはならないようなシステムに問題があるんだ。「結局は、上手くいかなかったんじゃないかな。どう足掻いても」
 「足掻くつもりもないんでしょ」
 「うん」
 「それがなぜかはわからないけど」と彼女は言った 
 「それがなぜかはわからないけど」と僕は言った。
 「さよなら」
 「うん」
 彼女は、別の獲物を探して街をうろつく。すばやくきびすを返して、もうその後姿に感情を残していない。
 「ねえ」僕は声をかけてみる。
 「なによ」彼女は歩みを止めて、振り返ってやや不機嫌そうにそう言った。
 「もうすぐライブがあるんだ」
 「ライブ?」
 「僕は音楽をやっていて」
 「ああ。そう。わたしの友達にもいっぱいいるわ」彼女はいっぱいいるわの部分を不必要に強く言う。僕はすっかり萎えてしまうけどでもなんとか口を開く。
 「うん。僕もそのうちの一人で、音楽をやっている。もしよかったらライブに来てよ」
 「尾崎豊みたいなMCをしてくれる?」
 「いや、それは無理だな」
 「ふーん」彼女はでも、少しだけ興味を持っている。なにせ、尾崎豊のMCについて知っている20才の女性なのだ。「まあ、いけたらいくわ」
 「うん。来れたら来て」
 「うん」
 「じゃ」
 「じゃ」

 そして、僕らは別れる。僕はそのままジュンク堂書店に行き、仕事に必要な資料を購入する。
 帰り道で、別の男に声をかけている彼女を見かける。
 僕は、何も思わずに、なにも思えずに、通り過ぎる。
 
 彼女はライブに来てくれるだろうか。
 来てくれないだろうな。
 来てくれなくても、ライブは行なわれ、僕らは歌い演奏し、少しづつ磨耗していく。
 磨り減って、いつかはいなくなる。永遠はどこにもなく、精神のみずみずしさだけが断続的に失われていく。
 それでも。

 それでも。
 警鐘は日常的に鳴らされなくてはならない。
 僕らは、ステージに上がり、僕らが必要だと思う分だけの演奏をしなくてはならない。
 未来に向かって僕らは歌わなくてはならない。
 なぜなら、それが僕らの生まれてきた意味だからだ。
 僕らの作られた意味だからだ。
 僕らが集まってこのバンドを作った意味だからだ。
 僕らの警鐘が一番高らかに鳴るんだよ。

■ 2005/12/20(火) 梅田・シャングリラ 「大阪コントロール Vol.1」
【出演】ははの気まぐれ / ロボピッチャー
【時間】open 18:00 start 19:00
【料金】¥2,000(adv) ¥2,500(door) +drink
【info】シャングリラ/06-6343-8601 http://www.shan-gri-la.jp  

■ 2005/12/22(木) 青山・月見ル君思フ 「東京コントロール Vol.4」
【出演】nirgilis / ロボピッチャー
【時間】open 18:30 start 19:00 
【料金】\2,000(adv) \2,500(door) +drink
【info】月見ル君想フ/03-5474-8115 http://www.moonromantic.com

■ 2005/12/24(土) 京都MUSE 「唄と星と男と女」
【出演】エレクトリックギュインズ / ヒトリトビオ / ロボピッチャー
【時間】open 18:00 start 18:30 
【料金】\2,000(adv) \2,500(door) +drink
【info】KYOTO MUSE / 075-223-0389 http://www.arm-live.com/muse/kyoto/

 良かったらお越しください。
 あなたが来ても来なくても、僕らはよい演奏をするけど、来てくれたらうれしい。

 それがなぜかは、もう、ほんとにわからない。
 

kato takao** 15/12/2005 木曜日 04:32 | Link | TB (0) | コメント(1)
2005年12月13日
いつも世界で正しい決定が為されるとは限らない

 僕に対しても、僕らに対しても、そして、僕のごく親しい友人に対しても、あまり適切な判断が下されたとはいえない日々です。
 ネガティブな状況が並び、ネガティブな情報が集められ、その中でいかにしてポジティブでいるのかという、自虐的な実験をしているようです。

 それでも僕らは、生きていかなくてはならない。
 少しでも良い日々を送らなくてはならない。
 そして、良い日々とはなんなのかについて考え続けなくてはならない。

 幸せになるために生まれてきたんじゃない。
 ただ生れ落ちて、幸せについて考え始めた。
 生活の中に意味を見出し、そこにささやかな喜びを見つけ、そんな微かな幸せを積み上げてやっとここまでやってきたんだ。

 神様がこれを読んでいるなら、自分の無力を恥じたらいい。
 我々は何かのための存在ではなく、存在するための何かなのだ。

 僕らは何かを作るスピードで何かを壊していく。
 それでいいや、もう。
 なんだってやってやる。
 どこででも生きてやる。
 歌ってやる。
 そして、何もかも壊れた場所ですら、笑える僕らでありますように。
 ように。

kato takao** 13/12/2005 火曜日 04:45 | Link | TB (0) | コメント(1)
2005年12月12日
ルールを守って正しい革命を

 ずいぶんと久しぶりになってしまいました。
 毎日更新されないこのページを見に来ていただいた皆様には、申し訳ないことをしました。
 「また今日も更新されていないのかあ」というため息が何千個かは集まって、ぷかりぷかりと僕のところへ飛んできたようです。ひさしぶりに書きます。

 最近あったこと。
 まず、今月に入ってすぐに、すとんと心が落っこちてしまいました。
 ぎりぎりのことしか出来なくなって、きちんと起き上がって世の中と対峙することが出来ませんでした。限られた人達と、限られたコミュニケーションだけを行なって、それすらもまともに行なえたとは言えず、ただ、末期の肝硬変でかちんかちんに固まってしまった肝臓のような心を抱えて、なんとか生き延びる事には成功しました。 
 そして、その合間に書いた曲の美しさには、めまいを通り越して運命の皮肉ささえ感じます。
 僕は、なんとかぎりぎりギターを抱えて、曲を搾り出し、どうしてもやらなくてはならない仕事をこなしました。少しでも外に出たらいいかと思って、うろうろと外に出たのですが、こんなところで和やかには決して書けない様な陰惨な失敗をいくつかやらかして、ほうほうの体で逃げ帰ってじっとしていました。
 とにかく残念なのはもぐら君の結婚パーティーにいけなかったこと。
 しかし、彼の結婚パーティーはいったい何回あるんだろう。まあ、めでたいことは何回やってもいいか。

 少し回復したかなあと思ったのは12月6日くらいで、京都は朝から雪模様だったのですが、ずるずると這い出して久しぶりにプールに行きました。
 うちから15分ほどのところに社会保険健康施設とかいう微妙な施設があって、そこは安いし人も少ないし、いったいどういう了見で運営が成り立っているのかさっぱりわからないけど、わからないからこそ僕にとっては便利な場所なのです。
 ふらふらとゆっくり2kmくらい泳いだらなんだか妙な気持ちになってきて、いくらでも泳げるようなこれ以上泳いだら危険なような、自分の疲労を自分では認識できないデッドゾーンを越えてしまったよな感じになり、プールを出てお風呂に入りました。
 その施設にはなかなか立派な浴場が用意されていて、サウナもあります。僕はサウナにはさほど心ときめかない人間なのですが、その日はもうなんか殺人的に寒く、一度くらいはちゃんとサウナを体験しておこうと強く心に誓いながらやってきたので、試しに入ってみたのです。
 入ると狭いサウナは僕独りで、中には「12分計」という12分を計る時計がおいてありました。文字盤は普通の時計と同じなのですが、秒針と長針の二種類しかなく、一分で秒針が1周し長針が1メモリ動く、というシステムの時計です。それを見た僕は、普通の成人男性らしく「ああ、サウナとは12分くらいで出るものなのだな」と感づきました。かしこいなあ。
 で、しばらくじっとしていたのですが、あっというまに汗が噴き出しました。もともと僕は少し半身浴しただけでも汗がどんどん出てくる体質なので、サウナほどの熱さがなくても新陳代謝は活発なのですが、まあ、これもまた一つの試練かと思い、じっと12分が経つのを待ちました。
 おそらく9分くらい経過した頃、一人のおじいさんが入ってきました。人懐っこそうな表情で、飄々と入ってきたかと思うと、真っ先に温度計を見て「お、なんや、今日はあんまり焚いてないな。ちょっといじったろ」とかいって、なれた手つきで機械をちょちょいと触ると、突然部屋の温度は5度ほどあがり、僕の身体からは更に滝のような汗が滴り落ちていました。
「こんくらいの温度やないと汗でえへんもん」と彼はいい、てへっと言う感じで笑いました。
「そうですね」と僕はなんとなく相槌を打ちましたが、すでに汗だくでした。
「それにしても、もうすぐこの施設もなくなってしまうみたいで残念やね」
「え?そうなんですか?」
「法律も変わったしな。まあ、こんなに流行ってなくて設備がよくて安い施設はあかんやろ。国としても。わしは週に6回来てるから、他のところを探すのが大変やわ」
「そうですか。僕は最近はもう3ヶ月に一回くらいになってしまってるんです」
「ええ?!3ヶ月にいっぺん?そんなんめちゃめちゃしんどいですやん!わしなんて3日も休んだらえらいのに。そらもっと来なあきまへんわ」
 とかなんとかいって、彼は、自分の妻がパートに出て、腰が痛いと言い出した話や、今度は高野のLスポーツというところに移ろうと思っているという話や、サウナに水をかけて機会を壊してしまった会員がいて自分はその人の顔を知っているという話を得々と語りだしました。その一つ一つの話が面白かったわけではないのだけど、言葉がきちんとしていたのと、何より彼の語り口がキュートで矍鑠としていたので、僕はなんとなく最後まで聞きたい気持ちになり、気がついたら85度のサウナに30分ほど入っていて、脱水症状前の眩暈を自覚し始めていました。
「おじさん。悪いけど俺もう出るわ。しんどなったし」
「そか。ほな元気でがんばってください。もうちょっと泳がなあかんで。最低週に3回は来んと意味ないで」
 僕は、にこりと笑って、サウナを出ました。
 俺はいったい70歳も近そうなおじいさんに何を心配されているのか。
 まあ、でも、仕方ないか。明らかに彼のほうが僕より健康そうだった。俺はサウナで倒れそうなのに、人の話をさえぎって立ち上がることさえ出来ないほど弱っているのだから。

 翌日からはロボピッチャーの練習。新曲を作りました。新曲を作っているときだけが、正しい自分である気がする。でも正しい曲が作れているかどうかまではわからない。

 SCRAPの次号の打ち合わせもしました。
 今号は読んでいただけましたか?
 1/14の乙女チックポエムナイトにはぜひぜひみなさん遊びに来てくださいね。
 http://www.scrapmagazine.com/

 親しい人達と焼肉。
 劇的においしかった。
 あれがなかったら、本当にいつ立ち直れていたのかわからないくらい、大切な時間でした。
 あまりに素晴らしい時間過ぎて、多くを語れません。

 そして、みみずくずとの2マンライブ。僕のソロとみみずくずとのライブはなかなか緊迫したものになったのじゃないでしょうか。みみずくずはやはり素晴らしかった。僕の隣で見ていた50歳くらいの男性が、ライブでレイナさんの歌に合わせて歌詞を口ずさんでいるのを聞いて、殺人的に羨ましくて同時に感動した。こんなふうに誰かに愛しむように僕の歌も歌われているんだろうか。どこかでは。彼女はすばらしい。誰よりも彼女で、その美しさは比類ない。
 ライブの後は、元バンドメンバー倉光さんの家に泊まりに行った。だらだらトーク。

 いくつかの打ち合わせ。うんざりするようなものもあり、新しい可能性を提示するような刺激的なものもあり。
 ただ、まだいつ心がこけるかわからないので、しばらくはそーっと生きる事にする。あまり大層な仕事の話は断る。自分がやりたくて必要最小限なものだけ選んでやることにしよう。3月くらいまでは。

 精華大学にて、「音楽メディア論」の授業のゲスト講師。
 あまり上手に話せなかったな。言いたいことはたくさんあったような気もするけど、伝えたかった事が伝わったという実感がつかめないまま終わってしまいました。終わってから、数人の学生さんに慰められるように「よかったですよ」と言われたけれど、まあ、少し残念な気がしました。とはいえ経験としては面白かったし、刺激的なことではありました。誘っていただいたαステーションの田中さんにはとても感謝しております。

 その他のさまざまな細かい仕事。そして、その他の手配。
 きっとさまざまなことを忘れていて、いろんな手配ミスがあるとは思うけど、ひとまず出来る事はやった。
 あとは、もうしらん。

 今日は大阪のスタジオで、ラジオCMの歌録音でした。
 初めて行ったスタジオだったのですが、そこのエンジニアさんが6年ほど前に3回くらいタイバンした人でした。長く続けていると、エピソードもなんか奇妙な符号を示しだします。人の歌詞で、人のメロディーを、人の望むように歌うという仕事はやはり面白く、僕は僕の知らなかった僕の中の扉をいくつも開きました。
 そして、大阪に出たついでに、先日ある人に教えてもらったフレンチコネクションというところでずいぶんたくさんのお買い物をしました。久しぶりに服をたくさん買った。どーんとお金は消えていきましたが、最近はなかなか働いているしまあいいや。金がなくったって、歌は歌える。

 読んだ本は、今月に入ってはミステリーを3冊ほど、なぜか綿矢りさを1冊、資料の文献を8冊、村上春樹「東京忌憚」、マンガをたくさん、「ロマンチックな狂気は存在するか」(再読)など。なんか忘れてる気もするけど、忘れてるくらいだからいいでしょう。

 ビデオも僕にしては結構見た。
 「イノセンス」、「破線のマリス」、「攻殻機動隊2nd・・・」そんくらいか。

 あ、あと「ワンダと巨像」をクリアいたしました。いえー。

 SCRAPもいたるところに配布しました。

 あと、寺島さんと飲みに行った。話題は・・・えーっと、まあ、いろいろ。

 大体この10日であったことはそれくらい。
 相変わらずで、素晴らしく哀しい日々です。

 たくさんのメールに返事を返せていません。
 この場を借りてお詫びを。
 あ!でもDMは出しました。
 まだ来ていない方は、info@robopitcher.com までメールください。送りますとも。常軌を逸した長さなので気をつけてくださいね。

 目が覚めたらまたひとりぼっちがやってきます。いまだって一人だけど、もっとひとりだ。
 明日は、夕方からロボピッチャーの練習。それまでは、2つの打ち合わせと、簡単なもののやりとり。日々は続いていく。

 そんな感じです。
 ではまた。
 近いうちに。

kato takao** 12/12/2005 月曜日 03:34 | Link | TB (0) | コメント(0)

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