小話をひとつ。えー、さきほどお金をおろしに宜野湾市内某所のATMに行ったわけでございます。ATMというのはオートマチックトランザクションマシーンの略語でございます。え?そんなことはどうでもいい?はい、そんなことはどうでもいいことなんです。
僕がそのATMの前に来た時には、でかい皮バックを足下に置いたおじさんはすでに中にいたのです。見たところなにかしらの自営業をやっている風のおじさん。鏡越しにちらりと目が合う。
約1分後、煙草の似合うおじいが僕の後に並ぶ。
3分経過。なかのおじさんは何枚も何枚もいろんな通帳を入れたり出したりして、終わりそうでまったく終わらない。
5分経過。新しくちょっと小太りのおにいさんが列に参加。おじさんまだやっている。鏡越しにアイコンタクトを試みるがちらりとも見やしない。うしろのおじいのため息の間隔がどんどん短くなる。
8分経過。うしろのおじいが少しずつ前のめりになる。あげくには僕を通り越して扉のところまで行って中を覗き込みだす。「あんなのは銀行行ってやればいいのに、非常識だよ!」と僕に言う。「ですよねー」と相づち。
9分経過。まだやっている。後ろのおじいの落ち着きがさらになくなる。うしろのうしろのおにいさんは平静を保っている。というかうしろのおじいが盛り上がりすぎているため、いっしょになって怒りづらいというのが真相だと思われる。とその時鏡の中のおじさんと目が合う。おじさん目をつぶっていた現実を目の当たりにして少しスピードアップした感じ。
10分経過。どうやらそろそろ出てきそうな感じ。うしろのおじいは何か言うのだろうか。ドキドキ。
11分経過。とうとうおじさんが出てくる。緊張の一瞬!だがおじいは睨んだだけで何も言わずにスルー。
そしてその後、自分の置かれた環境に気づいた私キーポンはお金引き出しタイムのワールドレコードを叩きだした。
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