最近、頭の中が砂漠のようにひからびていて、なかなか風通しがいい。たまに見えるのは、上向きと下向きの手が1本ずつの、漫画に出てくるようなサボテン。たまに見えるのは、たいして美しくもない砂丘。夜の砂漠の星の灯りは、最近ではどんどん薄くなって、夜空の暗さと星の明るさのちょうど中間地点の明るさに落ち着いた。夜の砂漠の真っ黒だった空は、最近ではどんどん明るくなって、星の明るさと夜空の暗さのちょうど中間地点の暗さに落ち着いた。春の砂漠の、ラクダの隊商も歩かない、たいしてかっこよくもない砂の丘は、最近ではどんどん低くなって、地平線のちょっと上の辺りで真っ平らになった。春の砂漠のたいして青くもなかった青空は、最近ではどんどん曇ってきて、グレーがかった砂の色と同じくらいの色調になってしまった。
もうじき風も止む。
ざらざらミルク色の、「遠さ」も「近さ」もない世界。どんどん密度が濃くなって、来たるべき停止の瞬間へと近付ていく。
一瞬の、完全なる停止。
ふたたび動き出した世界にキーポンが見たものとは!?
!?
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