沖縄本島内で一番危険な場所は、普天間の、いすの木どおりの、いつも有線放送を大音量で流している大浦産魚店の前にある、錆びた赤いベンチの左足が3センチくらい上向きに曲がっているあたりです。
草履で歩いていて小指に当てたあなたは声も出ないくらいの痛みを感じるでしょう。ナカシュウは当たりました。
車を運転する予定のあるヒトは、国道58号線の、那覇の、とまりんの前の、緑色の一番左車線が危険です。いわゆるバスレーンと言われている、バス専用道路です。
朝と夕の通勤時間帯はここを車で走るとあっさり検問につかまります。大体1週間のうちの2日くらいは検問しています。夕方に捕まっている車のほとんどがなにも知らないレンタカーです。バイクは大丈夫です。
事故にも気を付けましょう。シャケンが切れたままで走っている車も結構いるらしいので、そういう車にぶつからないようにしましょう。
以上のことをふまえて。
鶴坊がチューキンで捕まったらしいですが。
以上のことをふまえて。
この前(もう二ヶ月くらい前です)空港にヒトを迎えに行く用事があったので、久しぶりに車でバイトに行きました。いつもバイクだと30分のところが1時間くらいかかります。
遅刻気味でとまりんの前までやってきました。このままでは遅刻だ、と左車線を注意深く見てケーサツがいないのを確かめてバスレーンに入りました。入った瞬間に電柱の影にいた偵察部隊のケーカン1名と目が合いました。なにか熱いものが胃のあたりから体中に流れました。慌てて元の車線にもどりました。
いつもバイクで通っているときに「こんなのになんで捕まるのか」と思いながら、ざっくざっくと捕まる車たちを見ていました。一旦見つかると一番右の3番目の車線まで逃げても、渋滞しているので徒歩部隊が笛吹きながらやってきて「こっちこっち」と連れて行かれます。ぼくもあっさりと連れて行かれました。
ちなみに無シャケンと無ホケンで捕まりますと合計12点ゲンテンで一発メンテイというやつになります。
胃の辺りがきゅーんとなるこの感じ。とてもひさしぶりです。いつもベストを尽くす僕は道ばたの駐車場に誘導されると一番手前右側にすばやく入り(もちろん頭からね)車を壁際までくっつけてケーサツのヒトを待ちました。
なんで捕まったかわかりますか、と窓越しに聞かれ、バスレーン違反で捕まったヒト風に「バスレーンです」と答える僕。1点ゲンテン、バッキンは確か6000円。払う払う、もう今すぐ払うから、という感じです。運転席横でチケットにいろいろ書きこんでいる様子。いつ車の前に向かって歩き出して前ウィンドウのシャケンシールを見るのか。ドキドキです。
約一分後、なにごともなくとりあえずバスレーン違反者として解放されることになった僕は駐車場から出発です。親切にも歩道を横切るところでケーカンが歩行者の誘導をしてくれています。できれば後ろ向きで出たいけれどどう考えてもそれは不必要な不審感を与えるので前向きに。気持ちもできるだけ前向きに。
そしてクリアー。
捕まった後にこんな大きな至福感を感じたのは生まれて初めてでした。
この物語はフィクションです。実際こんなことあるわけないでしょう。サイエンスフィクションです。念のためケンサクにかかりそうな単語はカタカナ表記となっています。
安全運転、そして戦争反対。
今週末は友人が来ます。
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