男らしさの間抜けさ、気持ちよさ
ビリヤードの話を昨日書きました。僕がよくやっていたお店の名前がもう思い出せない。そこはシドニーという広い街のとある郊外のいわゆるパブで、カウンターしかない店内を抜けていくと大きな窓から裏庭の見える別室がありました。台は2つしかなくビールを飲みながら待っているヒトが大抵いました。
日曜の午後なんかはプライムタイム(と呼んでいた)で1週間のうちで一番レベルが高い時間です。
ビリヤードをするのにもちろんお金がかかります。1回2ドル。1回というのは1ゲーム。なので次にやりたいヒトはビリヤード台の端のコイン投入口に2ドルコインを置いて、壁の小さな黒板に名前を書いて待ちます。前のゲームが終わるとあなたの出番です。そのとき台にはあなたの対戦相手がすでに待っています。
つまり負けなければお金を払うこと無しにずっとプレイできるというわけ。
ひとりで来るヒトはあんまりいないので大抵2対2の戦いになります。知らないヒトとの対戦はなかなかスリルがあって鍛えられます。2対2でやっていると大抵相手チームとは口をききません。もくもくとプレイします。無言で玉が落ちていき勝者と敗者が決まります。
最後の玉が落ちると勝者が敗者に声をかける。
「俺はケビンだ、こいつはマイケル」
1ペアの握手が交わされ、ここでやっと世間話が始まります。
待つヒトがいなければ次のゲームが同じ面子で始まります。
うまく伝えられないけど、これが「男らしさ」というもんです。間抜けなんだけど気分いいんです。もし僕が女だったら、ビリヤード台のあるパブで週末のまだ明るい時間にかっこよく立ち振る舞う男に惚れるな。うまいのとはまた違うんだよ。
チャールズなら絶対わかってくれるような感じ。
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