「キーポンの東京の記憶」-プロローグ-

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風邪ひいた時って寝てると体が熱くなってきついんだけど、それでも熱くしていた方がいいのだろうか。あんまり熱いと「これは危険」とか思って毛布をのけてしまう。小さい頃は汗かいて熱冷まさないと、なんて言われて(おっ、デジャブー)がんばってたけどなあ。サザエさんでも波平が風邪ひいたときはそうやっていたな。でも大草原の小さな家であの先生が高熱の病人を診て、こりゃいかんと氷詰めにしたのを見てから熱は危ないものだという感じが残ってしまった。子供ができなくなるとかよく言うしね。

(新しいパパはアンドロメダからやってくるんだよ)

さっきまで調子悪かったのにひろぽんがお見舞いに来てくれてちょっと元気がいい。飯も食って薬も効いているようだ。薬よりも栄養ドリンクのほうが効いてるのかも。めったに飲まないしね。座っているだけで汗が出るのはいい感じ。痰の絡みかたがまだ風邪の中盤っぽいので未だ予断を許さずという状態だろうな。

風邪が治ったら「キーポンの東京の記憶」というのをやるよ。6日間を振り返ってみよう。


「キーポンの東京の記憶」-エピローグ-

出発前夜。コザのとある練習スタジオで明後日からどこに泊まろうかとちえみさんと話していた。初日はホテルがとられていたいたのだけれどその後未定だった。ライブもあるしそんなにきつい夜を過ごすわけにもいかないし、と悩んでいたら東京に出てきている沖縄のミュージシャン達の電話番号をスタジオの主人が次々と教えてくれた。「たぶんよくしてくれるはずよー」って。「飯とかつくってくれるはずよー」って。「コーラとか買ってきてくれるはずよー」って。みんなやさしくて嬉しかったんだけどその人達直接知らんしね。ちえみさんはとりあえず「最後の手段」とか言ってメモってたけど。

コザの先輩ミュージシャン達はたち悪いからなあ。真面目に頑張っている後輩たちに気を遣わせても悪いので結局遠慮させてもらいました。でも知らないヒトにお世話になるのもスリルがあってなかなかおもしろかったかもね。

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