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沖縄の長い夜

沖縄のヒトは夜型とかよくいう。全くもって否定できない。僕はお酒が弱いのもあるけどすぐ眠る。夜が弱くて朝も弱い。そして休みの日には早く目が覚めるという典型的なナイチャーだ。

うちなーんちゅは子供の頃から鍛えているので底力がちがう。アルコールにも強い。呑んで酔っぱらってるヒトはそこら中にいるが、眠ってしまうヒトはあんまり見ない。

本屋とかスーパーマーケットの営業時間も内地と比べるとかなり遅い。ほとんどの大きい本屋は早くて0時、おそくて大体1時に閉まる。閉まるスーパーも大体0時に閉まる。閉まらないスーパーは24時間。本島中部に多い。

週末、大きい本屋に行くととにかく人がいる。老人から子供までなにするともなしにいる。立ち読みしている。駐車場は車だらけでなにかイベントでもやってるかのようだ。子供の夜遊びをたしなめる看板は多いが大人もそんなに気にしていない風に見える。11時、12時頃に家族連れが歩く風景は一見ありそうで内地ではほとんど見ない。

僕が子供の頃なんて9時にはもう寝てたよ。「夜のヒットスタジオ」とか始まったらあまりの夜更かしにどきどきしていた。なぜかあのコーヒーの宣伝の「ダバダーー」という女の人の歌声が僕の夜の象徴だった。

さっき本島中部地方(ちなみに那覇市は南部)に広く分布する24時間営業のスーパーマーケットチエーン店「ユニオン」に行って来た。2リットルのお茶を買ってきた。レジは4つあるんだけれど今夜働いていたのは女の人ひとりと奥に店長っぽいおじさんがひとりだけだった。客は僕を入れて3人。

昼間もちゃんとヒトの来るスーパーマーケットなので品揃えもちゃんとしている。野菜や魚もあるし惣菜もある。

店長とおぼしきおじさんは魚をさばいていた。静かな夜のスーパーマーケットで静かに魚をさばいていた。包丁の腕を磨くにはかなりいい環境だ。だれもせかさないしね。おじさんはまるで趣味を楽しむかのように白いプラスチックの容器に刺身をつくり続けていた。

羨ましい気持ちが少しした。
夜、ひとりで自分向きに気持ちを向けつつなにかをするというのは、きっとヒトに必要な時間だ。いろんなところででこぼこになってしまった自分の心をまーるくするような作業だと思う。

ユニオンで働くか。


(明日は「あなたは今どこに行きたいですか?」という話。たぶん)

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