20020911

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台風はいつまでも去らず、梅雨のような1週間だった。さらにワールドトレードセンターに始まる一連の事件のため、憂いの日々を送っていた。

ヒトは自分には理解(や納得)できないようなことが起こると、とてもつらい。だれでも心配事の多い世界には住みたいとは思わない。日ごろはそんなこと考えもしないのだけど、たまに現実を思い出させられる。とても怖い。運命に対してのヒトの無力さを強く感じる。現状を受け止められるだけの世界観を持ち合わせていないと、我慢できずにいらいらする。自分がこんなに不安定な(逃げ場のない)場所に立っているということに気づいて「なんでが」と、腹が立つ。
この苛立ちや不安、悲しみは自分の運命に対してのものだった。テレビドラマで無人島に流された10人がいたとしたら、ひとりくらいずっと怒り続ける役の人がいる。あれといっしょだ。

「なんでこんな世界に俺がいるのだ」
「なんで俺のいる世界はこんなんなのだ」

そんな気持ちの流れを僕はたどっていたようだ。

現実世界では何も解決していないのだけれど、自分の不安、怒りや苛立ちの置き場所がわかると、不思議に気持ちは平らになってくる。こういうのを「心の整理」というのだろうか。運命に対しての謙虚さを忘れてはいけない。「思い通りにはならない」ものさ。

それでも誰もが(僕も)なにかを試みる。数少ない経験や推測をもとに試みる。
そして誰もが(僕も)悲しむ。怒る。そして笑う。

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