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静かな夜だ。

と、思ったらヘリが飛んだ。
今夜は刺さりそうなくらい細い三日月が出ています。テレビではまだ台風のことをやっています。いつも車で聴いている「くるり」の「さよならストレンジャー」を部屋で聴いています。

僕の車のスピーカは必ずチャンネルのどれかの音が出ないので久しぶりに部屋で聴くととてもゴージャスに聞こえます。「くるり」はキーボードの音が結構入っていることを今知った。ギターも一本多い。ちなみに「ハイリミッツ」の「elephant....」を聴くと一曲目の鶴坊のハーモニカが聞こえない。「フラッシュバック9」を聴くとコーラスが聞こえなかったりする。「ビートルズ」を聴くと海賊版の貴重な音源を聴いているみたい。

「フラッシュバック9(大分)」が今度の10月に沖縄にやってくる。実は僕は彼らのライブを見たことはなくて、でも「朝食が遅すぎた夕暮れ」を聴けば普通の人と同じようにライブのよさは伝わってくる。とても楽しみだ。バックくんのステージアクションはさすがにわからないが。

素晴らしいバンドです。
最近彼らといっしょにライブをやるバンド達を見ても彼らが受け入れられているのがよくわかる。順調に正しく評価されているのが嬉しいよ。死ぬまで続けてね。僕のために。


僕はマウスパッドの代わりに一冊の厚い本を使っている。この本は僕が以前働いていた旅行会社のお客さんがおみやげにくれた本で、東欧のオデッサという都市について500ページくらいにびっしり書かれている。本のタイトルも「オデッサ」と文字化けした英語みたいな字で書かれている。そのお客さんは空手を教えるおばちゃんで、いつも本当に直前にやってきて無理難題を僕に押しつけて自分は満足そうにカウンターで雑誌を読んでいる人だった。とても元気のいい人でよく怒鳴られた。いつも行くのはヨーロッパでも東欧とかあんまり普通の人が行かない国ばかりで、僕もあんまりわかっていなくていつも本当に辿り着いているか心配した。さらにビザ(入国許可)を事前にとらなければ入れない国ばかりだったので、東京に送った彼女のパスポートがスタンプを押されて無事に出発日までに沖縄に届くか、よく冷や汗をかかされた。一度は運送会社の倉庫までわざわざパスポートを取りに行く羽目になったこともあった。ある日彼女は「ビザをとるのに必要なものは?」と聞いてきたので思わず僕は「充分な時間」と答えてしまった。彼女は笑っていた。

その時彼女は確かに「オデッサ」という都市の近くの小さな町に空手を教えに行っていた。彼女の故郷のアテネを経由していく飛行機が安かったので、それをとってあげたら彼女も喜んでいた。おみやげなんてもらえるとは思いもせず、とても嬉しかった。カードが1枚はさまれていて、彼女が精悍に空手の型を取っている写真が使われていた。裏にはなにも書かれていなかった。僕がその会社を去る日にもたまたま電話をくれた。夜送別会ですでに酔っぱらっていたのでうまくコミュニケートできたかあんまり覚えていない。でもやっぱり嬉しいものだ。

その本は最後の方の15ページを除いて全部文字化したような言葉(ロシア語?NとかRとかが裏返っている)で書かれていたので僕には全然読めなかった。今その本を久しぶり開いてみた。読める15ページだけでも読んでみようかな、と思ったがたぶん僕は読まないのでしょう。

オデッサ、どんなところだ?

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