池澤夏樹さんの小説が好きです。

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僕は池澤夏樹さんの小説が好きです。いや、小説というよりも彼は90年代の僕のヒーローでした。池澤さんが何かに書いていた。「ヒーローとはいつか卒業するもの」だと。果たして僕は卒業したのかドロップアウトしたのか、最近は本自体をほとんど読まないのでわかりません。

僕は今まで2回ほどイケザワさん(<南の島のティオ風で書くとね)に接近したことがあります。実は沖縄の道でいつかすれ違ったりするのでないかとも思っているのですが、そういうことはないようです。もしすれ違っても何もできませんが。

沖縄に来た年、りんけんさんとのフリートークを見に行きました。「僕は講演をするときはとても緻密なメモを作って望みます」と言っていたイケザワさんとりんけんさんとの緻密なメモのないフリートークはほとんど盛り上がりを見せず終了しました。その後会場の隅っこで酒盛りを始める氏に話しかける勇気もなく、ちょっとさみしい気分で那覇まで帰りました。いいんだよ。

沖縄に来るたしか前の夏、友人達と北九州市の高炉台公園というかっこいいステージがある公園を借りてイベントをしました。そのときに僕はイケザワさんに講演をお願いすべく、いろいろと調べてまあとにかくファックスを送りました。

確か8ページくらい送りました。イベントの趣旨を書いたページと、最後の8ページ目は僕の個人的な思いを書いて送りました。最後のページはかなり一生懸命書きました。

まず友人のうたうたいの詞「焚き火燃えるところで」というのを引用してイベントの純粋さを伝え、それから「あなたは僕のヒーローです」ということから始まって「未だに卒業できないでいること」、「昔だったら出会った瞬間に右手の棍棒で一撃のもとに下しその肉を食らって自分がヒーローになって終わりだったのに現代ではそうもいかず、それなら友人と協力し呼んで話を聴こうということになりました」ということを伝えました。

次の日、返信ファックスが届いていました。手首に優しそうな筆圧のフェルトペンで書かれた縦書きの紙が1枚。一番右に僕の名前。次に「今年は忙しくて講演をうけていない」「できたら来年また誘ってください」ということ。一番左に自分の名前。さらさらと書かれていました。

いやあ、なんかよかった。かなり嬉しかった。

そんな嬉しい僕が代表作を外して(<嘘)選ぶおすすめは
「帰ってきた男」(たしかマリコマリキータに入っている)
「南の島のティオ」
「夏の朝の成層圏」
「母なる自然のおっぱい」
「マシアスギリの失脚」
など、
です。

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