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2012年07月29日

ここ二週間くらいあまり働かないという練習をしてみた。
土日をきちんと休んで、平日も徹夜とかはしない。
土日の仕事は一日3時間以内というルールでやってみた。
たまたまこの二週間は制作すべきものが少なかったからかもしれないけれど、わりと上手に出来た気がする。
この調子で、すこし生活に余裕が出来るといいけど。

三週間前は制作物がたまりまくって、異常な量の打ち合わせをしていた。
次から次へとくる問い合わせのすべてに対応していたら、新規案件の打ち合わせが最速でも三週間先とかいうレベルになった。
いろんな会社に謝りまくったけれど、僕らは朝から深夜まで立て続けてずっと打ち合わせや制作をしていた。
「30分だけでもいいから、今週中に会いたいです!来週早々にプレゼンなんです!」という悲痛な電話が何本かかかってきたけど、それには対応できなかった。
とても申し訳ないし、残念な気分でした。

ひとまず、バイオやエヴァやマジックショーやタイムトラベラーズやその他もろもろがひと段落したので、ちょっと今はインプットの時間にしたい。

今日は下北沢に出かけて、ケトルの嶋さんがやっている「B&B」という本屋さんでだらだらした。
ビールを飲みながら本が選べるというすごいコンセプトの場所なのだけど、誰も飲んでいなかったので「ここはひとつ俺が!」という気持ちで飲んだ。
とても楽しかったな。ビール飲みながら本屋さんをうろうろするのは。
その後、たまたま通りがかったスズナリという劇場でヨーロッパ企画の永野さんと本田さんが出る「グラフ」という公演があったのでふらっと入ってみた。
観劇するのは二年ぶりくらいかな。とても面白かった。
目の前で人が熱をぶつけ合うってのはやはりすごいことである。
見逃していたヨーロッパ企画の「ロベルト操縦」のDVDも購入した。

REGAMEについて書かなくちゃならないだろう。
本当はもっと正式に、きちんとした場所で、僕の言葉で謝りたかったのだけど、今回は関わっている人がとても多くて、僕のファジーな文章では全員の承諾を取ってからアップするのに時間がかかっちゃいそうだったので、オフィシャルな謝罪テキストだけがregameHPに上がっている。

なぜ、こんなことになってしまったのか、僕にも実はよくわからない。
理由は説明されたけど、正直言って僕はその分野の専門家ではないし、明確に理解できたとは言いがたい。
ただ、なんとなく理解したのは、これは「得体の知れない何かによる失敗ではない」ということ。
すなわちそれは解決可能ってことだ。
失敗しちゃったことはとても申し訳ないと思っていて、今でも思い出すと叫びだしたくなるほど悔しくて悲しくて申し訳ないです。
でも、僕らは動き出さなくちゃならないと思っている。
僕らはたぶん現時点で「リアル脱出ゲームオンライン」のノウハウを世界一持っているチームだ。
僕らよりリアル脱出ゲームオンラインについてよく知っている人は世界中どこを探してもいないだろう。
あのゲームの持つ熱狂については確信した。
アナログがデジタルになったときに熱がなくなったと感じた人も確かにいると思うけれど、圧倒的多数が「リアル脱出ゲームの熱がデジタルで再現されていた(ただしトラブルにはまじむかついた)」とアンケートには書いてくれていた。
アンケートを盲目的に信じることは僕らはないけれど、良いことも悪いこともアンケートから読み解く技術は持ち合わせている。
次にコンテンツとしてするべきことは明確にわかった。

おそらく次はもう少しだけ難易度が上がるだろう。
そして、もう少し簡素になるだろう。
もっとデジタルを意識させることになるだろうし、もっとアナログの重要度も増すだろう。
そして、何より「物語の没入度」が圧倒的に上がる。

謝罪の意を伝えようとしたら、いつまでだって伝えられるけれど、少なくとも僕はもう未来を見なくてはならないと思っています。
次こそはとんでもなく完璧なエンターテイメントをお届けしたいと思っています。

REGAMEが終わった直後から、驚くほど大きないくつかの企業から「なにか一緒に出来ませんか?」という連絡をもらった。
ものすごくうれしい気持ちと、「まだ早いんじゃないか」っていう気持ちが交錯する。
あんな失敗案件を見て、それでも「一緒に何かやりたい」と思ってくれるなんて、すごいことだ。
「世界中で同時に謎解きをする」というたったこれだけのアイデアには、ちょっとした価値と、多大な責任があるのだなとあらためて思った。
ご迷惑をおかけしたすべての人に心からの謝罪と、次へのあふれんばかりのやる気を伝えたい。
次は、本当のエンターテイメントを見せる。

日々は楽しく流れていく。
新たな人たちと出会い、新たな話をして、新たな何かを僕は作り続けるだろう。
なるべく誰のことも嫌いになりたくないし、誰にも溺れてしまいたくない。
なるべくたくさんのものを見て、そのすべてを使って「今一番面白いこと」を思いつきたい。

これまで山ほどのトラブルを起こしてきて、その度に大きくなった会社です。
トラブルこそチャンスとは言わないけれど、ここもきちんと乗り越えて、安定したエンターテイメントをお届けしたいと思っています。
今回は本当にすいませんでした。
もし、まだ、完全には見捨てていないのなら、次をどうぞ楽しみに待っていてください。

Posted by kato takao at 2012年07月29日 03:50 | TrackBack
みんなのコメント

今回はとても色んな事が起きて、疲弊や苛立ちもあったと思いますが、私も、楽しみにしてた分、がっかりや夢中になれなかった事への悲しい気持ちがありました。それでも「また何か楽しい事巻き起こしてくれるんじゃないか」と言う期待がすごくあって、だからこそまた私は、新たな謎に遭いに行ってしまうのだと思うのです。次へのハードルはきっと高くなっているでしょうが、それもスパイスとして、ドキドキわくわくに代えて、私たちに返してくれると信じています。これからもずっと楽しみに、そして応援しています!

Posted by: KeikoMatsumoto on 2012年07月29日 10:20
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