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2011年01月17日

 旅行用かばん一個で僕の引越しは済んでしまった。
 東京在住の優秀なSCRAPスタッフが僕の住居を決めておいてくれたおかげだけど。

 お風呂、トイレ、洗濯周りのものを買ったらあとはもう備え付けの家具で十分生活できるようになった。
 食事を作る時間はないだろうから、特に器具は必要ない。
 パソコンと書き物をするための机があれば、特に不都合は感じない。
 ユニットバスはせまっくるしいけれど、新しい生活を始める最初はこんなもんだろう。
 やたらと豪華な家に最初から住むのもなんか抵抗あるし。
 まずは小さくはじめよう。いつもみたいに。

 東京に住もうかなあと思い始めたのは40日ほど前のこと。
 いくら何でも忙しすぎて、このままじゃ倒れると思って、何かの時間を削ろうと思った。東京に住んでしまえば移動の時間がかなり減る。それが最初のきっかけ。
 次に、プロモーションの仕事がどんどん入ってきたこと。「リアル脱出ゲーム」などのSCRAP主催イベントだったら、僕がほとんどのことを決めてしまえばいいから、誰かに迷惑をかけたって僕の責任でなんとかできる。でも、プロモーションの仕事は代理店や、クライアントや、それを実行するさまざまな人たちが複雑に絡み合って進んでいく。そんななかで僕が東京に住んでいないせいで結構たくさんの人たちに迷惑をかけることが多くなってきた。せっかくの素敵な話が、僕が京都に住んでいるせいで流れてしまったりもした。ここ6年くらい、なにをするにも僕が一番の責任者のポジションで動かしてきたけれど、そろそろ大人になったことだし、ちゃんとしたクライアントのいる仕事を本腰入れてやってみようと思ったのがもう一つの理由。
 最後の理由は、「東京に住む」という手順を踏んでみたかったこと。前の日記でも書いたけれど、今僕が作っているものをなるべく広げていきたいと思っている。そう強く思ったときに、可能性が少しでも高まるのは京都じゃなくて東京だなと思ったから。

 恋愛相談王決定戦というイベントを今度京都と東京で開催する。
 京都のほうが料金が安いけど、圧倒的に東京のほうがチケットが売れている。
 僕らはもう6年間も京都でフリーペーパーを発行しているのに、なぜか京都ではチケットが売れない。
 なんでだかぜんぜんわからないけれど。

 ほとんど誰にも告げずに東京に来てしまった。
 京都の人たちはびっくりするかな。それとも「ああ、やっぱり」って思うかな。
 
 この数年でたくさんの人たちが京都から東京へ行った。
 その人たちを見送りながら、僕は京都にいようと思っていた。
 なぜか思い出せないけれど、僕も僕の周りの人たちも僕は京都にいると思っていた。
 京都が好きだったし、京都から尽きせぬほどの恩恵を受けた。
 でも、とりあえずいったんお別れだ。
 
 三ヵ月後に戻るかもしれないし、もう二度と戻らないかもしれないけれど。

 三日前に入ったお店でお勘定のときに「京都の方ですか?」と言われた。支払いのときの少しの言葉でわかったらしい。
「そうですよ」と僕はいった。
 そう、僕は京都から来たんです。

 フリーペーパーSCRAPはもちろん今後も京都で配られます。そのために今弊社スタッフは沖縄で免許合宿に行ってます。
 僕が京都を離れても、SCRAPの本社は京都ですのでどうぞみなさま今後ともご愛顧のほどを。
 まあ、月に三回くらいは帰ると思います。

 そして、東京のみなさまこんにちは。
 この一年ほどものすごくたくさんの仕事を断ってきましたが、さすがにそろそろ本腰入れて働いてやろうかと思っております。
 懲りずにご連絡くださいませ。
 そして、さすがに寂しがっているので誘い出して東京の面白いところをプレゼンしてください。

 とりいそぎ、引越しのご報告でした。
 今後ともよろしくお願いいたします。

 加藤

Posted by kato takao at 2011年01月17日 02:39 | TrackBack
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