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2010年02月22日

 ZEST御池でのイベントが終わりました。
 まず、お越しいただいたみなさま、本当にありがとうございました。
 楽しんでいただけたのならよいけれど。

 僕は出来る限り会場にいて、お客さんの顔や、お客さんが来ない時間を体感しようとした。
 この新しい遊びが、人々にどんな風に受け入れられて、どんなふうに受け入れられないのか。
 たとえば一番お客さんが少なかった日は14時から20時まででたった5人という日があったのだけど、それはいったいどれくらいの時間をかけて5人しか来なかったのかってことを自分の体で理解したいと思った。

 かなり広い施設の中を、謎を解き、物語を集めながら探索する。
 物語の先を読むためにはプレイヤーが謎を解き、歩かなくてはならない。そして、たどりついたその場所に即した物語が展開する。
 今プレイヤーがたどりついたその壁に、さっきまで主人公がもたれていた。
 そんな風に物語を疑似体験のできる遊びを作りたかった。
 
 終わってみて、いろいろ思っている。
 自分の作った物語。
 もっと簡潔に、もっと深くならなかったのかなあと思う。
 振り返って読むと、自分の才能について考え直したくもなる。

 一方、ここで生まれたこの遊び持っている可能性たるや、燦然と輝いているといって過言ではない。空間と物語がこんなに結びついたことがかつてあっただろうか。
 あと少しのアイデアと、圧倒的な物語の力があれば、とんでもないものが生まれる気がする。
 
 とはいえ、あえて言わせてもらえれば、自分の筆が足りていないことや、構成力が欠落していることを自覚したうえで、なぜかこの物語を僕は愛してすらいる。この物語に登場した二人の人物がせめて健やかな心持であってほしいと願っている。そして、彼らはこの物語の帰結によって、ささやかな幸せを得たのだと確信もしている。

 今日イベントが終わった後、一人でQRコードをはがしているときに、自分で自分の物語をはがすのが哀しくて哀しくてしょうがなくて、自分がこの物語を深く愛しているのだと自覚した。この不思議な感覚はいったいだれと共有したらいいのか。

 まあとにかく変な感じ。
 体のどこかの部分が今も興奮していて、根本的な休みがやってこない。
 たぶん、ZESTでは、まだ物語が流れているから、僕にお休みはやってこないのだろう。
 それはそれで素敵なことだな。

 さあ、次だ。
 どうしたらいいのか。
 でも、やらなくちゃならんことがあることはわかる。
 もっと動かなくてはならん。 
 もっともっと書かなくては。
 物語が空間に溶け込んだとき、どんな感動があるのか。
 それを僕はもう少しで上手に現出させることができる気がするんだよ。

Posted by kato takao at 2010年02月22日 04:51 | TrackBack
みんなのコメント

楽しめましたよ!ほんと。
また次回イベント期待してます。
仲間誘ってたくさんで遊びに行きますから。

Posted by: ハーベスト on 2010年02月22日 20:09

こんにちは、19日にクリアした魚住すくもです。書き込むのが今さらになってしまってすみません。

お声をかけて頂いて、本当にありがとうございました。短い間でしたが、お話が出来て嬉しかったです。
クリアしてからも、あの場所と物語の余韻にひたっていました。

自分でも小説らしきものを書くせいか、“物語”という言葉を見ると惹かれていきます。
最近は創作から離れてしまっていたのですが、加藤さんの物語に対する情熱に押されて、わたしも何か創らなくてならないなぁと思うようになりました。

また機会があれば、参加させて頂きたいです。

本当にありがとうございました。

長文、失礼しました。

Posted by: 魚住すくも on 2010年02月27日 08:31
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