« 飛べなかった彼女について | Main | 時にはモホロビチッチ不連続面のように »
2010年01月30日

 ひどい歪みの中で一週間を過ごした。
 なるべくクリエイティブな仕事はせず、事務的なことや作業的なことをした。
 飛べなかった彼女のことがまだ心に引っかかっている。
 音楽について考えている。

 この一週間。
 いくつかの音楽的なやりとり。
 ふと訪れたメロディー。
 ちょっとした思いつき。
 育まれなくてはならないね。
 生まれただけでは、まだそれは意味じゃない。

 素足の夜。
 ぺたぺたといやらしい音を立てて僕は歩く。
 信じてもらえないかもしれないが、とてもセクシーだ。
 不思議なことに、このいやらしい音は僕が一人のときにしか鳴らない。
 残念でならない。
 あ、ちょっと韻を踏んじゃった。
 
 仕事を続けることを選んだ女性からメールをもらった。
 いろいろ考えたけど続けますって。
 僕はなんにも思わないように気をつけている。何かを思ってしまったら伝えてしまうから。
 もちろん返事は書いていない。
 書く言葉が見つからないときは、書いてはいけないんだ。 
 これは最低限のルールだから覚えておいたほうがいいよ。

 SCRAP最新号が月曜日から配布されます。
「やる気がどんどん出てくる特集」
 誰よりも僕がその特集を必要としているだろう。
 これまでのSCRAPの特集がすべてそうであったように。

 手を伸ばすと、その少しだけ先を光が通り過ぎていきます。
 もう少しだけ何かがあったら僕はそれをつかめたのでしょうか。
 どちらであったとしても、大切なのはつかもうとしたかどうかだ。
 そっから先は、時間が決めてくれるよ。

 そうそう。
 今日はね、新聞に載って、テレビのニュースでも取り上げられて、さらに新聞の取材もうけて、他にも山ほど問い合わせがきてるからそれに応えたりしたよ。
 なんだかこそばゆいね。
 うそばかり言っているような気持ちになる。
 もちろん、いつものように、うそは一つしかついていないのだけど。

 マイナス30度の寒気が来ているスウェーデンで、恐竜の化石が見つかったんだって。
 その恐竜はつがいで抱き合うみたいに死んでいて、どうやら夫婦だったらしい。
 寒さを乗り越えられなかった恐竜の夫婦は、どんな気分で死んだんだろうね。
 彼らが悲しみしか感じていなかったなどと、誰にも言わせはしない。
 
 忘れてしまっていることを思いだそう。
 ひどい匂いを放つ宝石についての物語。
 大切にしていた何かが、こぼれおちてしまった。
 
 来週からカムバックしよう。
 幸か不幸か、今週はずいぶんと休みました。
 休んだという記録としての日記がこれです。

Posted by kato takao at 2010年01月30日 03:50 | TrackBack
みんなのコメント

こんばんは。ときどきSCRAPさんのイベントに参加して、ときどきこちらを拝見しています。

こないだたまたま、日経MJ読みました。ほとんど一面でしたね。なかなか良い男ぶりでした。会社から借りて家に帰る電車で読んで、週末なのでまだ手元にあります。だから(少なくともこのことに関して)加藤さんはうそをついていませんね。

相変わらずお忙しそうですね。ブログの時間とか、イベントで拾った加藤さんのお昼ご飯っぽいものなどを見るにつけ、この人はちゃんと食べたり寝たりしてんのかなと、無責任に心配したりします。

タテタカコさんの「宝石」を思い出しました。加藤さんのブログの文章は、ときとして加藤さんのつくる歌詞より、私はとても好きです。

Posted by: theo on 2010年01月30日 21:09
comment する

















*POSTを押しても自分のコメントが見えない場合、一度ページの更新をしてみてください。
*HTML不可です。
*アドレスは入れると自動でリンクになります。
*管理者の判断でコメントを削除することがあります。