初めて夜中に一人で外に出たときのこと覚えてる。
僕は13歳だった。
車の排気音がやけにでかくて、アスファルトはしんと冷えていて、自分の足音がこつこつと耳に付いた。
普段自分が目にしてるものが一変した。
そんな感じがすごくいかしてると思った。
今も思ってる。
ロボピッチャーのライブに来てくれたみなさま本当にどうもありがとう。
僕は時々、僕の音楽を僕のためにやっていると錯覚してしまうのだけど、あんなにたくさんの人たちが僕らの音楽を求めて足を運んでくれたことをもうほんとしっかりと受け止めようと思う。
不景気で、CDも廃盤で、レーベルもつぶれて、もうほんとに4人だけになってしまったバンドにちゃんとお客さんが来てくれるって素敵なことだ。ライブも思うようにできなくて、音源も配信のみで、すっかり忘れられたかと思ったが、うむ、やはり我々は我々であった。お客さんもお客さんであった。ちゃんとライブだったな。音がきちんと空気を震わしてどこかへ届いて行ったよ。どうもありがとう。どうもありがとう。
そして、次だな。
また次の音のことを考えねばなるまい。
それが楽しい。
次のことを考え続ける日常が、これからもおとずれ続けますように。
今日はHEPHALLからの脱出3の仕込み。
二日酔いで少し遅刻した。
会場のにおいと、温度でいろんなことを思い出す。
僕は、いろんな記憶を、いろんな空間に置いてきた。
時々こうやって回収するのだ。
ああ、この悲しみと喜びを。
抱えている鬱屈をまき散らしたと思ったら、そうではなくてそれは音楽だった。
気がついたらここにいて、たぶんこれからもここにいる。
もっと良い曲を書きたいと思った。
春の花の夜だった。
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