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2007年12月05日

 僕はこのblogをずいぶん長いこと続けてきて、その中でなるべく誰も傷つけないようにしようと心がけてきた。ある特定の個人や団体を中傷したり攻撃したりすることはしないでおこうと思っていたし、はからずもそのようなことを書いてしまった時は訂正して謝罪してきた。
 でも、今日はきちんと起こったことを書く。
 それはどう考えてもひどいことだと思うし、まわりの数人に聞いてみても一様にひどいことだと言うし、つまりある程度客観性がある事実だと思うからだ。

 僕は、一ヶ月前に事務所を引っ越した。そこはずいぶんぼろぼろの一軒家の二階の一室で、日当たりもよくてとても心地いい。でも、10年以上前につぶれてしまった喫茶店の二階なので、ネットなんてものは一切ない。だから、僕は一生懸命調べて、ネット環境をその一軒家に持ち込むためにいろいろがんばった。
 最終的に出した結論は二年以上使うのであれば、eoネットが一番安いということ。これはひょっとしたら関西だけの呼び名なのかも知れないけれど、唐沢なにがしがCMで「それ間違いです」とか「それ正解です」とか言ってる奴だ。とにかくものすごく宣伝してるので、テレビを全然見ない僕でも知ってる。新聞の折込にも毎日のように入っているし、電気屋さんに行ったらそこかしこにでっかいポスターが貼ってある。
 自宅のパソコンから申し込んで、その二日後くらいに電話がかかってきた。一週間後くらいに伺いますとのことで、へえ、一週間でネットがつながるのかと思った。ちなみにこのときに申し込んだサービスはeo光ネット(ホームタイプ)で光電話もついたやつ。
 一週間後にやけに陽気なおじさんがやってきて、「うわあ、雰囲気のある家ですねえ」とかいいながら、あちこち見て回って、書類を書いて「じゃ、この書類を送っておいてください」といって帰ろうとした。僕は驚いて呼び止めて、「え、今日はネットつながらないんですか?」と聞くとおじさんも驚いたようで「つながりませんよ。この書類を送らないと何も始まりません。これが到着してからいろいろ始まるんです」といった。僕は、じゃあいつくらいからネットがつながるのかと聞くと「さあ、わたしにはわかりません」という返事。
 仕方ないのでその日のうちに書類を送付し待つ。
 一週間ほど待ってもなんの連絡もないので、こちらから電話をする。別にめちゃくちゃ急いでるわけじゃないけど、いつくらいからつながるのかがわからないと仕事の算段がつかない。電話に出た男性はずいぶん丁寧だったけど、今こちらでは作業状況がわからなくて、返事では出来ないとこのこと。11/29日に電話をしたのだけど、「12/5までには作業状況を調べてまた電話します」といわれた。作業内容を調べるだけで一週間もかかるのかと驚いたけど、まあそれも仕方ないのかと思って、わかりましたと答えた。
 で、今日電話がかかってきて「お問い合わせいただいてありがとうございました」てな感じで話し始めた。ずいぶん申し訳なさそうな感じ。
「まず電線を家まで引くことに申請が必要でその許可が出るまでに一ヶ月から一ヵ月半かかります。」
「えー、一ヵ月半もかかるんですか?」
「はい。まあそれは一ヵ月半もあれば出来るんですが・・・」
「はい?」
「あの、道路を越えて線を引かなくてはならなくて、その許可が出るまでにどれくらいかかるかわからないのです」と彼女。
 僕はいまいち意味がわからなくて、しばらく黙って聞いていて、又この説明がまどろっこしくて、なかなか本質を言わない。僕はものすごくいらいらしてしまって、「わからないってどういうことですか?」と聞くが「いや、こればかりは私どもといたしましてもどうしてもわからなくて、ただ絶対に必要な書類ではあるので、待っていただくしかないのですが」
「で、大体でいいので、どれくらいかかるか教えてください」
「いや、それがほんとにわからなくて」
「半年かかる可能性も有るんですか?」
「可能性は否定は出来ないです」
「あの、それってめちゃくちゃじゃないですか?」
「はい・・・」
「あんだけ宣伝してて、いざ申し込んだらいつ出来るかわからないって、それ欠陥商品じゃないですか」
「はあ・・・」
「僕はそちらに申し込んで三週間が立つんですけど、なんでその間に知らせてくれなかったんですか?」
「いや、それはこちらではお答えできないんですが・・・。私のまわりでも何人もの方がこの申請で待っておられる状態で、でもこれは待っていただかないとしょうがないのです」
「わかりました。キャンセルしてください」
「あ、そうですか。この電話でですか?」
「無理なんですか?」
「いや、このような状況では仕方ないと思います」
「じゃお願いします」

 で、電話を切った。
 むこうではなんかまだいろいろしゃべっていたけど、本当に不愉快だったし、第一哀しくなった。
 こんなに不誠実なシステムを作っておいて、電話口の彼女にその尻拭いをさせているこの会社が許せないと思った。
 http://eonet.jp/go/←この会社。
 なぜ最初にこれだけ待たされてしかも、めどだって立たないかもしれないというリスクを説明できないのか。しかも最初にちゃんと住所を入力して「この住所なら光ネットに対応できます」という承諾も取っていたのに。僕の怒りや哀しみは仕方なく電話をかけてきた彼女に向かってしまったけど、彼女の対応は別に悪くなかった。ただ、その内容がどうしようもなく腐っていただけだ。というか、これは問題にならないのかな。つまり「めどの立たない商品」を売っていて、それをこんなに幅広く宣伝していて、そのリスクを一切事前に知らせていたいことが。申し込んだときに来たメールには「標準で約1ヶ月としております」って書いてあって、まあ多めに見ても一ヶ月半くらいかなと思っていたのに。それが伸びただけじゃなくて「めどがたたない」ってそれいくらなんでもいい加減すぎるだろ。
 第一、僕が「今どういう状況ですか?」って問い合わせなかったらいつまでも連絡しないつもりだったのかな。こんなめちゃくちゃな会社があっていいのか。
 関西電力が親会社で、お金はいっぱいあるしつぶれる心配だってないんだろうけど、あまりにもひどすぎる。僕らが支払う電気料金から利益を出して、こんなに無能な奴らがのさばっているのだ。この流れのどこにも誠実さがないし、現状をよくしようという努力の意図が見られない。きっと別々の部署が、それぞれ勝手に仕事をしていて、全体で組織化されていないからこんな馬鹿げたことが起こるんだろう。
 
 すぐにNTTの方を申し込んだら二週間程度で取り付けられるということだった。
 結局こんなにサービスに差があるから、値段が少しだけ安いということなんだろう。eonetは。
 eonetとかケイオプティコムとか関西電力とかそこらへんが本当に大嫌いになった。
 
 ひょっとしたら、僕が知らないようなすごく大変な事情を抱えていて、今回の件だって一生懸命事情を説明してもらったら「ああ、それは仕方ないねえ」と思うようなことなのかもしれないけれど、やはり事前にこういうリスクはあることは明確にしておいてもらわなくてはならなし、「めどがたたないかもしれません」なんてどこにも書いてなかった。もちろんそんなことが書いてあったら誰も申し込まないから書かないんだろうけど。

 僕が味わったような悲しみをみなさんには味わってほしくないので書いた。
 今、光回線を考えている人は絶対にeonetにしちゃだめだ。比べたら確かに安いけど、商品に対する意識が低すぎる。いつかもっとひどい歪みが出てくると思う。
 どうぞ、みなさまは間違ってもあんな会社の光ネットに申し込みませんように。

 あ、それから、みやこ音楽祭のステージは確かにあこがれの地でしたが、歌い終わったときに次のあこがれの地も垣間見えた気がしました。

 では。

Posted by kato takao at 2007年12月05日 06:18 | TrackBack
みんなのコメント

どんな理由があるにせよ、確認するだけで一週間とかありえません。
最初の書類だって事前に送ってもらえばそこだけでも短縮できたはず。
他人事ながら腹が立ちました。
早くネット環境が整うとよいですね。

今回、あこがれの地に立つ姿を見ることはできませんでしたが、
次は私もその場に居合わせたいです。
進みましょう。次なるあこがれの地へ。

Posted by: M on 2007年12月05日 08:49

経緯は省略しますが、僕も車の保険でありえない対応をされた。
結局重役が家まで手みやげ持って謝罪に来るとこまで突き詰めた。
でも誰にもその問題の責任(実質の対応)をとれる人はいなかった。

人がつくりあげたシステムにおける妙なブラックゾーンって日常の中で、増々増えているように思います。。
企業、組織は誰の者でもない宙に浮いた理念、概念って言われるけれど、それが時には生産的であっても、人々の心に有機的に作用するかどうかはは、微妙です。今の時代その歪みがすでに次々と暴露、(マスコミが食うためにですが、)されてますしね。
企業化しても味のまったく落とさないラーメン屋を目指さないとね。

Posted by: on 2007年12月06日 17:31
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