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2005年03月23日

 手をつないで歩いていたけれど、いつかは離すんだろうなと思ってた。
 この道は多分一人用で、二人で通るには狭すぎる。

 つないだ手のもう一方はポケットに入れていた。
 小銭が入ってた。
 たぶん、146円。
 
 川べりを歩く。ずんずん歩く。
 どこへ行くのか。どこへ行くのか。

 僕は耳がかゆくなって、つないでいた手を離す。
 ポケットに入れたほうの手ではかかなかった。
 耳をかいた後、またつなごうと思って手を伸ばしても、彼女は手を差し出してはくれない。

 そうか
 と僕は思う。
 まあ、終わるときはこんなもんだ。

 「90年代の表現は弱さを売り物にして成立していた」んだって。
 僕らはそれを聞いて大笑い。
 じゃあ弱さを認めることで強さを手に入れた僕らは、今果たして強いのか、弱いのか。
 さあそして、この2005年4/23、4:21において必要な強さとはなんなのか。
 そもそも必要なのは本当に強さなのか。
 
 離した手は、ふらふらと行く手を失って、だらしなく笑っていました。
 彼女も笑っていて、
 「じゃあ」といったので、僕は「うん」といった

 一人ぼっちの寂しさが月の光にやけに似合ってらあ
 と僕は思いました。
 
 自由になった手で、僕はなんでもつかめるはずだったけど、
 結局たいしたものはつかめずに、
 どうやらここでぱたぱたとキーボードを叩いているようです。

 確か、帰り道では、146円でジュースを買った。
 別にうまくもまずくもなかった。

Posted by kato takao at 2005年03月23日 04:33 | TrackBack
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