今日はなんかいらいらしていて、いろいろとうまくいかなかった。
新しくうちにやってきたパソコンはいうことをきかないし、たまたまつけたテレビは面白くないし、こまごまとした忘れ物のことを思い出してしまうし。
夕方からひとつ打ち合わせをして、コーヒーを飲んで、ご飯を食べてビールを飲んだ。
夜はメンバーに電話して、さまざまな文章を書いて、現状の把握に努めました。何が片付いていて、なにが片付いていないのか。片付いていないのならなぜ片付いていないのか。
ビールを飲んで、僕のまわりのさまざまな人たちのことを考えました。
そうだ。
子供のころに数回一緒に遊んだ人が、バンドをやっていてかなりよい感じで盛り上がっていたけど、今年に入ってから謎の変死を遂げたっていうニュースを聞いたのも今日だった。17年ぶりくらいに聞くその人の話がそれだったので、なんて思っていいかわからなかった。びっくりしたけど、びっくりしただけだった。
僕のまわりのさまざまな人。
きちんと物事を片付けていける人と、まったく自分の周辺のことができない人。結果も過程も提示することが出来ないくせにつまらない自信だけある人。結果が出せないのだから、結果が出せるまではもう少しこそこそと生きていけばいいのに、とか思うけど余計なお世話だ。
「知らないかもしれないけど」と彼女は言う。「どうせみんな死んじゃうのよ」
そうか。そうかもしれない。
いや、絶対にそうか。
でも、それについてきちんと理解するには今日はどうも適切ではない気がする。
適切な日なんてあるのかどうか知らないけど。
今日は僕は白に淡いベージュの水玉のシャツを着て、最近買った黒のジャケットを羽織って、くたびれた黒のパンツをはいて、おじさんからもらっためがねをかけていました。
それは外を歩くには少し寒すぎる格好だったけど、とにかく今日はその服を着ていたかったのです。そのジャケットを買ったときの会話とか、一緒にいた人のこととか、変な風についちゃったしわを友人がきちんと伸ばしてくれたこととかを考えてました。
外は寒くて、待ち合わせの場所まで歩くのがひどく億劫でした。
僕は走っていこうと思うのだけど、体がうまく動きません。
いろんな映像が流れていって、めちゃくちゃ長いこと思い出したこともないような人の顔が浮かんだりしました。
頭の中に8匹くらいの羽虫が絶え間なく飛び回っていて、それぞれの孤独について華々しく主張しています。「おれはこんなに孤独だぜ」。
そして、ひとしきり孤独談義で盛り上がった後、みんなでビルから飛び降りる。
僕はなぜか砕け散った羽虫の残骸を頭の中に湛えたまま、待ち合わせの場所にたどり着く。彼はもう待っていて、とても感じの悪いサングラスをしている。
しかし、彼について書くのはよそう。彼は今日の日記とはまったく関係ない。とてもきちんとしたフィールドにいる人なので、今日ここで僕が思いをはせる対象にはならない。
そういえば、7匹目の羽虫が死ぬときに興味深いことを言っていた。
「これでやっとほんとにいなくなれる」
何が片付いていて、何が片付いていないのか。
何も片付いてなどいないし、片付けるつもりもない。
僕の部屋はちらかっていて、さっき来ていたジャケットが、ぐしゃりとソファーで寝そべっている。彼はもうなにも語りかけてくれない。
無駄な言葉がだらだらとあふれてきて、キーボードから指が離れない。
いつ終わりにしていいかわからないから、今終わる。
明日はうちでじっとしていると思います。
あさってから本格的なレコーディングであることを、やっといま思い出した。
9匹目の羽虫はなんとか生き残って、よい歌を歌ってほしいものです。
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