それでは、「大丈夫、たぶん」の歌詞を。メッセージは今度。
大丈夫、たぶん
少年が叫んだ言葉はかき消され 花が飾られた
黒板消しぱたぱたとはたきながら少女は枯れ果てた
教頭は校長になれずに食卓で妻に愚痴り出す
臆病なライオンは一人で空見上げ手がかりをつかんだ
それぞれがそれぞれの夜を越えた 手を伸ばせば届いたかもしれないな
トマトジュースを飲み干して 僕だから行ける場所へ行こう
やがて目にする結末をどうかせめて恐れずに
ばからしく騒いだ夜などもう過ぎて生活が始まって
守るべき何かが形を変えながら 僕をうちのめす
知らぬ間に右手に出来てたさかむけを写真に撮っておこう
二億年もたったらどこかで意味を持つこともあるだろう
正しくて哀しい夜につかれたら 手がかりなど残さないで消えようか
トマトジュースを飲み干して 僕だから行ける場所へ行こう
やがて目にする結末を どうかせめて恐れずに
愛される価値を いつも探してた 気取っておどけてふざけて諦めた
天気予報は雨の予想100% それでもなんだか晴れそうさだいじょうぶ たぶん
トマトジュースを飲み干して 僕だから行ける場所へ行こう
やがて目にする結末を どうかせめて恐れずに
君が確かに立っている その場所の名前はなんですか?
わからないまま佇んで 雨に打たれてだいじょうぶ たぶん
以上。
付録「そのころのこと」
この曲を作った頃、4年ほど前ですが、叔母がガンで入院していました。幸い良性で比較的簡単な手術で治りました。
彼女が退院した時に僕に言った言葉の中で本当に心に突き刺さった言葉。
「”だいじょうぶだよ、たぶん”って言われるのが一番辛かったし、一番腹が立った」
もし逆の立場だったら確かにそうだと思う。医者でもないくせに、”大丈夫”かどうかなんてわからないんです。だったら黙っとけ、と。でも、お見舞いに行った人は「大丈夫であって欲しい」という気持ちをこめてこの言葉をいってるわけです。慰めてるつもりだし、相手の事を思いやっているつもり。
結果的に、その言葉が一番その相手を傷つけてしまうわけです。
なんてイノセントで、無責任で、祈りや、怒りや、たくさんの物語を含んだせりふだろう、と僕は思ったんですね。
たしか、この曲は、その話を聞いた直後に一瞬で作りました。ぐらっと揺れるみたいな感覚があって、次の瞬間にはメロディーも歌詞も構成も出来あがってました。
人を励ますようなつもりで書いた曲ではなかったけど、たくさんの人達(ほんとうにたくさんの人達)に「励まされました」というような感想をもらって、それはそれでとても良いことだなあ、と思いました。
ハラッパカラッパでの練習で、倉光さんがこの曲にすばらしいベースラインを作ってくれて、それをきっかけにハラッパカラッパが「良いバンド」になったと記憶しています。平井のピアノや、三吉さんのコーラスもものすごくよかった。清原のギターがはじめてはまったのもこの曲。文句なくこの曲は、ハラッパカラッパの代表作の一つ。
あ、そういえば、実はこの曲ハラッパカラッパでレコーディングしているのですが、ネガポジのTさんがちょっとしたミスでデータを全て消してしまわれました。なので、この世には残ってません。えーっと、そういうことが世の中でどの程度の頻度で起こるのか知らないですが、ものすごく、いやもうなんつうか、ものすごく残念です。
ソロでは今でもこっそり歌ってます。
では次回はメッセージを。
感想などもよろしく。
早速リクエストに答えてくれてありがとう。
改めて文字で読むと新しい発見がありますね。
ロボピッチャーの曲のほとんどはリエリエさんのサイトで歌詞がアップされていましたね。
加藤君に負けず劣らず仕事が速い。すばらしい。
Posted by: maepyon on 2003年05月16日 17:24えええ〜っ、
「大丈夫、たぶん」って、レコーディングしたのに消えてしまったんですか?!
そいつぁもったいない。
まあ、もし残っていれば人類の偉大な遺産になるはずのものが、現実には永遠に葬り去られるというのが、この世の定石なのかも知れませんね。
メッセージも、楽しみにしております。
ビッグバンデイも、よろしくお願いします。
Posted by: エムロド on 2003年05月16日 23:25
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