久し振りの連日更新。素敵です。
今日、突然ビリーシーンのインタビューに行ってきました。
<取材を依頼される瞬間>
「加藤君、明日ビリーシーンのインタビュー行ってくれるかな」
「いいですよ」
「よろしく」
「・・・」
「・・・」
「ところでビリーシーンって誰ですか?」
「いや、おれもよく知らんけど、ミスタービッグっていうバンドの人らしいよ」
「ああ、ミスタービッグですか。」
「うん」
「結構有名ですよね」
「うん。聞いたことあるよね、なんか。」
<情報収集>
「もしもし、加藤ですけど」
「はい寺島です(ネガポジ店員。昔一緒にバンドやっていたベーシスト)」
「ちょっと聞きたいことがあるんやけど」
「何?」
「ビリーシーンって知ってる?」
「知ってる」
「今から会いに行くねん」
→テンションが上がっていく音がする。
「は?なに!なんで?」
「いや、いろいろあって。でも俺全く知らんねんけど、どんな人なん?」
「お前行くのやめろ。俺も行きたい。」
「はあ。」
「ライトハンドとか、スリーフィンガーとか新しい奏法をあみださはった人や」
「へー」
「俺がハードロックに目覚めたきっかけになった人や」
「そんなにすごいの?」
「そのジャンルでは多分世界一や」
→ことの重大さに気づいてくる。
さらに電話。Limited Express(has gone?) の飯田君。とにかくミスタービッグについての話はするなとの助言を得る。
「えー?なんで?」
「いや、もう解散したし、かなり仲悪かったみたいですよ。とくにボーカルとベースは」
「えっ?ミスタービッグってもう解散したの?」
「知らなかったんすか」
「うん」
「ぜったいにやばいっす。っていうか、なにしてるんすかあんた。」
さらに電話。情報を集める。
「もしもし加藤です。」
「はい有田です。(ロボピッチャーベース。現在東京でベースの仕事中。忙しい)」
「ちょっと聞きたいことあるんやけど」
「なに?」
「ビリーシーンに詳しい?」
「いや、そんなに知らん」
「そっか」
「あ、でもやきそばが好きらしい」
「は?」
「お酒をゼリーみたいにして食べるらしい」
「ほー」
「あと、なんであんなにきれいに全部の音が出るのか知りたい。たぶん、右手が鍵やと思うんやけど」
「よくしってるやん」
「まあ、本とか読んでたら出てくるし」
「そんなに有名なの・・・?」
「うん」
「・・・」
「・・・加藤、だいじょうぶ?」
その後HPなどで調べた結果、40枚以上のアルバムに参加し、4000回以上のライブをやり、35年間第一線で活躍してきた本当に本当のすごいベーシストだと知る。なお、去年は初のソロアルバムを出し、スティーブヴァイなども参加しているらしい。
<インタビュー直前>
とりあえず、ありちゃんの情報を信じて、やきそばパンを買ってから行く。やきそばだけじゃ、パンチが弱いかと思って。
ライブハウスに、ビリーシーン到着。現場ものすごくぴりぴりしてる。ACDCのTシャツを着た人や、いかにも業界っぽい人達がうろうろする中、ぼんやりと立ち尽くす俺。
リハーサルが始まる。彼が一人でベースを弾いている。
うまい、とか、すごいとかじゃなくて、なんですかあれ。ベースがベースとして機能していない。別の生き物がばたばたと、しかも優雅に大暴れしている。とにかく信じられない音の数を一つの小節にたたきこんでいく。最初の印象は「ビックリショーか?」と正直思ったけど、しばらく聞いているとそれがとても精密に、まっしぐらに音楽的であるとわかる。これはよい音楽をする上で必要なテクニックであって、ただテクニックだけを追求した結果手にした技ではない。
<インタビュー開始>
「ナイストゥミーチュー」
「ナイストゥミーチュートゥー」ではじまる。
「あなたがやきそば好きだと聞いて、やきそばパンを買ってきました」といって渡すとすごく喜んでくれた。つかみはOK。
大きな人だ。僕よりかなり大きい。2mはあるんじゃないかな。そして大きな手。握手すると僕の手がすっぽりと隠れてしまう。僕もかなり手は大きい方なのだけど、ふた周りくらい彼の方が大きい。
とにかく気さくで、上品な人である。物腰も穏やかで、じっと僕の目を見て、なにかをきちんと伝えようとしてくれる。
インタビューの間もずっとベースを弾いている。とにかくずっと練習をしている。通訳の人曰く、ライブの直前までずーーーっとベースを弾いているそうだ。目の前でついさっき仕入れた情報であるスリーフィンガーが続いている。ライトハンドもタップも行われる。それがもうすごいの。なんか、すごい。絶対こんなふうにはなれないな俺達、っていうレベルの演奏が話ながら続いているのです。
インタビューの内容は割愛。このあと原稿を書くのでもうちょっと整理します。
その後ライブを見て、質問コーナーみたいなのがあって、1日が終了。
なかなかすごい1日でした。
そして、帰りのカバンにはロボピッチャーのCDが。
いやね、ひょっとして聞いてくれないかなあと思って一応持って行ったんです。
で、ビリーが「音楽業界で生きていくことはとてもむづかしいけど、僕にできることなら協力します」とかステージで言っていたので、渡そうかとも思ったのですが、渡しませんでした。最後に挨拶して、「やきそばパン、サンキュー」とか言われたにもかかわらず。
なんでかは自分でもよくわからん。でもとにかく渡しませんでした。その後悔もとくにしていない。
ただ思ったのは、俺って売れないよなあ、ってこと。まあ、そのうち。うん。そのうち。
でも、名刺もらったから送ってみようかな。
ま、そんなこんなでした。じゃね。
Posted by kato takao at 2002年09月11日 01:39 | TrackBack
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