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2001年10月26日


 眠れないです。

 僕は自分が枯れ果ててしまったという事実から逃げるための茶番を、毎日毎日繰り返しているような気になる。
 僕はとてもよい曲を作るということに関しては確信があるし、今後もずっとそうだろう。だけど、僕がそうでありたいほどによい曲はもう作れないかもしれない。いや、もしくは作れたことなんかないのかもしれない。

 でも、当たり前のことですよね。考えてみれば、僕がそうありたいと願った曲がかけたなら、僕はすぐさま音楽なんかやめて、「世界一かっこいいねずみ取り」とか「世界一人を傷つける言葉」なんかを考えて一生を過ごすでしょう。
 僕は(もしくは我々は)不完全な才能と、完全なゴールを抱えたまま、空に向かってバカのようによだれをたらす亡者なのです。
 そうでない人などいるものかと、強がってみてもよいかしら。

 いつもそうだけど、今日も曲を作ることに見事失敗しました。曲を作るのに失敗した時用の、ごみ箱みたいな場所にここをしたいわけではないのだけど。
 いつも普段とは違う場所に自分を沈めてみて、なんてひどい失敗をしたんだろうと思う。そしてひどい喪失感を抱えこむ。
 あんなにひどい場所に行ったのに、何一つ持って帰ってこられなかったなんて!

 ポップであることはさほど難しいことではないと、相変わらずの口調で言いましょう。
 そして、いつもいつも、同じことを言いますが、ポップでありつづけることは、この世にあるどんな苦しみと比べたって、遜色ないほどの苦しみを与えてくれると思います。それをどう取るかは各人の自由です。僕は泣き言をいうマシーンなので、ちょっとここで愚痴を言っても今のところ誰にもしかられません。自分がポップでありつづけたいのかどうかもわからない人になってきました。

 とにかく眠れません。眠りという要素が、僕からぱたぱたと飛んでいって、林檎畑で羽を休めているんじゃないかな。

 不安定なときに、不安定な日記を書くというのは、きっと読む人にとっては不愉快なことでしょうね。僕にとってさえも、不愉快なことです。
 まあ、経験的にいって、不安だけが、ある種の前例無き者を作り出してくれます。
 
 何が言いたいのかわかりません。とてつもなく落ちこんでるわけではないです。毎日結構楽しくやってます。職場もすばらしい。
 ただ、不安は消え去ることなんて絶対にないってことです。本当の幸せの定義のなかに「絶対的な安定」という項目があるのなら、それはこの世に存在しない。幸せになろうとすることなどやめてしまえばいい。で、どうなろうとするかが、その人の深さを測る尺度です。

 うーー、眠い。

Posted by kato takao at 2001年10月26日 03:25 | TrackBack
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