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2001年08月12日


 明日は(正確には今日)ライブです。クアトロというところでやります。

 僕が大学の四回生のはじめの頃、ものすごく中途半端に生きていました。音楽ではやっと曲を作り始めた頃で、ひどくアングラな場所では絶賛されていたものの、そのことを素直には喜べなくて、音楽以外のジャンルをやってみたくてしょうがなかったころです。自分に何が出来て何が出来ないかさっぱりわからなかったし、わかりたくもなかった。
 ふらりとギターを持ったら何曲でも曲は作れた。でも演奏するバンドには限界があって、自分もまわりも満足していなくて、複数の人間で一つの作品を作るってことにすっかり嫌気が差してました。ひとりで何かをやりたかった。バンドなんて、弱い人間のすることだって思った。

 四回生のはじめだったと思う。僕はクアトロで音楽のことを知った。
 5人の人間が、一つの方向を向いて強く何かを願ったら、それは一人で願うよりも何十倍もすばらしいものになると知った。そのときライブハウスは、ある一色に染められて、この世にあるたった一つの尊いもので統一されているようだった。幸せで、美しくて、凄まじくて、涙が出た
 神様を見たのはあのときだけです。

 そのバンドのボーカルが死んでから3ヶ月後に僕は辞表を出して会社を辞めました。
 だれかがやらなくてはならないなら、僕がやろうと思った。何が出来るのかはわからないけれど、なにかが出来るのであれば、それをやるのは僕だ。

 何かを目指してやってきたわけではないけれど、心の中にはあの風景があります。
 「どうか」と、僕は祈りさえする。どうか、僕に少しでもよい歌を歌わせてください。何か特別な僕だけに出来ることをさせてください。
 
 神様がいるライブハウスでライブをするのはどんな気持ちなんだろうね。

 明日(正確には今日)見に来てください。何かあるかもしれないし、なにもないかもしれない。
 それを判断するのは、僕ではない。

 

Posted by kato takao at 2001年08月12日 02:24 | TrackBack
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