2005年11月15日

二冊

五日前に本を二冊買い求めました。夏目漱石/漱石文明論集と柳田国男/海上の道。どちらも岩波文庫(偶然です)。岩波さんというと<啓蒙>の二文字が真っ先に浮かんできたりして、本を前にするとちょっとした「気構え」が背骨をぴりりと伝う時もあります。すぐ横にごろんとなって読んでしまうんだけど...。

名講と噂で聞いていた漱石の「私の個人主義」ですが、学習院という磁場が当時どのように働いていたかは別にして、文学者としての切実な告白が潔く収められていると思いました。ともすれば「新社会人になるみなさんへお勧めの1冊」というくくりで紹介されがちな本のようにも思えましたが、新社会人のみなさんだけに読んでもらうのはとてももったいない。

海上の道は今読んでいるところです。
一大仮説が海岸の漂着物から始まっていることもあり、僕の胸は少し踊っています。


nakashu* 火曜日 00:56 | TB