自分の音楽は空想癖から始まっています。
小さい頃、学校の帰り道はいつも独りでした。たまに友人と帰ることもありましたが、仲の良い友達は別の町に住んでいたので、自然といつも独りになりました。町は小さな田舎で、一本の川が横たわっていました。川のほとりにはすすきが背の高さまでのび、近くの製材所はいつも木屑の匂いで立ち籠めていました。
その川のほとりで夕暮れを何度も見ました。その近くで今はあまり聞かないですが、サイレンの音をよく聞きました。日が暮れる度に感じる何とも言えない寂しさが好きで、風が空の高い所に吹いていました。
そんな中で、僕はよく空想をしていました。誰も邪魔しなかったからです。
始めは物語を作りました。紙に書いた訳でなく、空想が連なるままイメージからイメージへと自由に決まりも無く空想を続けました。多くは本やテレビでみたことが影響しましたが、きっかけがあればそこからイメージを膨らませて勝手に物語を作っていました。
自分にとって、この時間が一番好きでした。宗教的だったかもしれません。そして、この空想癖が自分が音楽を作るようになる下地になったように思います。僕の音楽のメロディーはこの時の気分が影響したものが多いです。
だからかもしれませんが、自分の歌には一人でいる歌が多いです。それはこの時の思いが自然と出てしまうからだろうと思います。そして概ね人の歌に関してもこのタイプの歌が一番好きです。
という訳でこの川のほとりを歩く夕暮れが僕の歌を作る原動力になっていると思います。
昔の思い出でした。