ヨーロッパ企画を知ったのは、12年くらい前かと思う。
知り合いのかわいらしい女の子に紹介してもらった。
その時は、ヨーロッパ企画目当てではなく、かわいらしい女の子目当てで話を合わせながら観劇してた。
その後、フリーペーパーSCRAPで連載をしてもらったり、ヨーロッパ企画の女優さんと一緒にラジオ番組をやらせてもらったり、リアル脱出ゲームの初期の舞台美術を担当してもらったりで、深く付き合っていた。
その後、僕は東京に出てきてしまい、そこまで密に接することはなくなったけれど、それでも公演があれば観にいくし、ちょっとしたときに飲みに行ったりする。
で、今ヨーロッパ企画の公演が東京に来ていて、これは僕はもう大変な傑作だと思うわけです。
なんらかの到達点だと思うわけです。
それがなんの到達点だったのかは数年後にわかるんじゃないかと思うのですが、とにかくもうすごいのです。
これはリアル脱出ゲームを面白いと思うのすべての人が面白いと思うだろうし、リアル謎解きイベントを作っているすべての人が感銘を受けるであろうし、限られた資材で面白いものを作ろうと一度でも志したことのある人なら、ひっくり返って頭を抱えて「その手があったか!」と泣き叫ぶようなすさまじいエンターテイメントです。
僕は構造主義的なものづくりをします。
構造の中身は、プレイヤーに委ねてしまう。そこで生まれる偶発性にドラマを僕は見る。
ヨーロッパ企画も近い方法論で作っていると思っていた。
でも今はもうぜんぜん違う。
ヨーロッパ企画は構造と言う骨格とともに頼もしい筋肉も身につけた。
役者さんたちが雄弁に語り、一挙手一投足で笑いをとっていく。
もうヨーロッパ企画は、作演出の上田君一人の功績で語られる劇団ではなくなったのだなあと今日思った。
骨にきちんと肉がついている。
そこには温かみのあるバランスのいい(しかも他者とは圧倒的な差のある)エンターテイメントが成り立っていた。
僕は演劇の素人なので、演劇の文脈で彼らを評すことはできない。
でも、今エンターテイメントの文脈でいうならば彼らは間違いなく最高峰のひとつだと思う。
やはり世界には生み出されたものより生み出されてないものの方が多い。
世界はまだ希望に満ち溢れている。
もっとみんなが作らなくちゃいけない。
作ろうとしなくちゃいけない。
ビルのゲーツが示したのは、ものづくりの未来への希望なのかもしれない。
ああ、うらやましい。
あんなものが作れたらどんな気分になるんだろうな。
チケットがまだあるのかどうかもわからないけれど、もし観にいくチャンスがある方は、万難を拝しまくって観にいくことをお勧めします。
http://www.europe-kikaku.com/e33/
Posted by kato takao at 2014年09月02日 03:57 | TrackBack
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