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2012年10月07日

 夜中に洗濯をしながら日記を書いている。
 明日着る服がもうなくなってしまった。
 なんとなく疲れていたので、柔軟剤をいつもより少しだけ多めに入れてみた。
 明日僕が着る服はいつもよりきっとふわふわしてるだろう。

 いつも何かについて考えている。
 謎のこととか、仕事のこととか、社員のこととか、家族のこととか、未来のこととか、過去のこととか。
 時々考えることに疲れちゃって、もう止めようと思うけど、やめちゃったら何をしたらいいのかわからない。
 僕は考え続けている。何かを。それがもし不毛であろうと、結果のことなど考えないで考え続ける。

 一人ぼっちの人がいて、僕はその人に話しかける。
「大丈夫ですか?」
 彼はこう答える
「大丈夫かどうかなんてわかんないよ。今はぎりぎり大丈夫だけど、明日はどうかわからない。でももうこれでいつまでも大丈夫だ!なんていう状態がいつか僕らにはやってくるのかな?」
 考えすぎだよ、と僕は思う。そしてそう伝えてみる。そんなこと考えてるから一人ぼっちなんじゃないの?
「そうかもしれないね。でも、こんなことをまったく考えない人って世の中にいるのかな?」
彼は僕で、僕が彼だ。
思考がぐるぐるまわり、別の思考を呼んでくる。
前の思考は解決していない。 
そもそも思考の目的は解決ではないのだ。

「さて問題です」と僕は言う。
「この謎が解けさえすればあなたは一生幸せです。ただし、解けなかったらずーーっと平凡です」 
 もしそんな問題があったとして、あなたはその問題を解きたいだろうか。
 もしそんな問題があったとして、僕はあなたにその問題を出すだろうか。
 
 もし「解けたら誰もが幸せになれるパズル」があったとして、
 そんなものが果たして必要だろうか。
 パズルには「解く楽しみ」以上の楽しさなんて本当に必要なんだろうか。
 もし必要ならば、それは果たしてパズルなんだろうか。

 幸せの意味ってなんだったろうか。
 それを教えてくれる人は今はそばにはいない。
 売り上げと幸せは比例しないみたいだなあ。
 5年前と特に何も変わらず、不安でそして楽しい。

 洗濯は現在最後の脱水に突入した模様。
 ひときわ音が大きくなっている。
 この後はベランダに干すという作業が始まる。
 あれが嫌いなんだよな。
 だれかやってくれないかな。

 ねえ、これを読んでいる君がケダモノだとして。
 ケダモノであるなら、次にいったい何をする?
 パズルを出したり解いたりする?
 それとももっと動物的に、ただ服を脱いで欲望に身を任せるだろうか。

 あ、洗濯が終わったみたい。
 今気づいたが、ものすごい量のビールの空き缶が目の前にある。 
 これって、全部今日俺が飲んだのかな。
 ほんとにわかんないな。違うといいな。

 では今からシャツを干します。
 シャツを干すときのコツは無心になること。
 考えながら干すとしわになります。 

Posted by kato takao at 2012年10月07日 05:18 | TrackBack
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