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2011年05月12日

 東京ドームでの「あるドームからの脱出」が終わった。
 夢みたいな三日間だったなあ。あれが本当に起こったことなのかどうか確信がない。

 約一万人以上の人の人たちが一箇所に集まって謎を解く。
 そんなことが可能なんだろうかって思ってた。
 一年前、「リアル脱出ゲームはすごい人気ですが、どこまで行くと思いますか?」と聞かれて僕は「今が頂上だと思います」と即答した。そのとき3000人程度の集客だった。

 東京ドームで「リアル脱出ゲームをやりませんか?」という話になったのは去年の9月くらいだったろうか。
 決定したのは去年の12月くらい。
 そこから約半年かけてこつこつと作ってきた公演が三日間で終わった。
 イベント終了後の撤収は1時間もかからずに終わってしまった。

 東京ドームならではの謎をつくらなくちゃならないってことをずっと思ってた。
 他の場所でも出来てしまう謎は作っちゃだめだと思ってた。
 来てくれた人はわかると思うけれど、まさにそのとおりの謎を僕は作った。

 東京ドームの人たちは本当にすばらしい人たちばかりで、なぜ僕らが行く場所はいつもこんな素敵な人たちばかりなんだろうと不思議な気持ちになる。暖かくて、意識が高くて、自分の仕事に誇りを持っている。そんな人たちとは一緒にいるだけで、クリエイティブな力があふれてくるような気がする。
 撤収後の打ち上げで、僕は乾杯の挨拶を東京ドームの方で、入り口の流れを作ってくれていた人に頼んだ。このイベントを影で支えてくれていた方で、その人がいなかったら、会場は大混乱になっていただろう。
 イベント運営に関しては素人サークルみたいなぼくらを、プロの方々が支えてくれている。本当にありがたいことだ。

 地震が起きて、8回の公演が中止になった。
 そのときも東京ドームの人たちはなんとかイベントを成立させるために必死で動いてくれた。
 僕は、5月にもしこのイベントが出来るなら、絶対に最高のものにしようと強く誓った。
 そのとおりになったと思う。
 このすばらしい公演をもっとたくさんの人たちに体験してもらいたかった。中止になってしまった8回の公演に関しては、すごく悔しいし、申し訳ない気持ちでいる。

 あと、一つ、脱出に成功した人たちの入る部屋に音響が届かず、ほとんど僕の司会の声が届かなかったのも申し訳なかった。ほんとすいません。

 さて、次どうしようか考えてる。
 東京ドーム公演が決まって以来、僕らはずっと「そのあとどうするのか?」という問題にさらされてきた。
 日本最高峰の会場でイベントが成功したなら次はどうすればいいんだろう。
 
 僕らが選んだのは、イベントを小さくすることだった。
 世の中の流れによって小さくするんじゃなくて、自分たちで選択して小さくする。
 一番大きなものを作ったから、今度は小さくて、もっと個人的で、特別で、密度の濃いものを作ろうと思う。
 あるマンションの一室を借りて、一回10人程度しか出来ないリアル脱出ゲームを現在製作中です。
 
 なぜなら僕は、「物語の中に入ったような体験」を生み出したいからだ。
 本当の物語には登場人物は10人程度しか出てこない。
 1万人以上出てくる物語はない。一つの部屋で本当の物語が成立しちゃうような、特別な場所を作りたくなったのです。
 そこには、恋や友情や喧嘩と謎があるのです。

 こんな「リアル脱出ボックス」みたいなものが日本中に出来たら面白いだろうな。
 フランチャイズの依頼お待ちしております笑。
 
 ドーム公演の次の日から、仕事の依頼のメールが殺到している。
 スタッフが全員日本中を飛び回りながら、いくつもの面白いことを動かしている。
 僕らの動きが、もっと大きな動きをつかまえるかもしれない。
 今いる場所が、僕の人生で一番高い場所かもしれない。ここからはずっと下り坂で「あの時はよかったなあ」なんて思いながら余生を過ごすのかもしれない。
 まあ、それでもいいやって思う。
 僕らは超ラッキーだ。こんな大きな山に登ってるつもりじゃなかったけど、たまたま登った山が雲より高かったのだ。
 そう簡単には見られない景色を見た。
 次は、また別の山を探して、また面白おかしく登っていくのさ。

 この日記を読んでくれているのはどんな人でしょうか?
 東京ドーム公演はどうでしたか?
 おもしろかったでしょう?最高の自信作です。
 広すぎて疲れちゃった人はごめんなさい。次は、信じられないくらい狭いものを作るからそれに遊びに来て。
 つまらなかったって怒ってる人もいるかもしれません。ごめんなさい。僕らは「誰にでも楽しめる平坦な遊び」の反対側でエンターテイメントを作っています。申し訳にないという気持ちは決して忘れませんが、迎合することもありません。
 スタッフも読んでくれてるかな。いつもありがとね。そして、これからもひきつづきすごいものを一緒に作り続けよう。
 僕は自分がどんな才能を持っているのか、はっきりとはわからないけれど少なくとも「作り続ける才能」は持っている。
 だから、僕のそばにいてくれさえすればずーーーっといつまでも作り続ける現場にいることは出来る。
 それがほんとに幸せかどうかわかんないけどね。
 東京ドームの方々も見てくれてるかな。本当にありがとうございました。またなにかすごいことを思いついたらやらせてください。さらにぐっと成長してみます。
 まだ、リアル脱出ゲームを体験していない方も読んでくれてるでしょうか。こんにちは。はじめまして。加藤です。よければ、次は直接会いたいものですね。とても素敵な遊びです。次は遊びに来て下さい。遠くからようすをみているだけではこの遊びの面白さは少しもわかりません。http://realdgame.jp/

 ずっとなにかを作りたいと思い続けてきて、今こうして作れていることを本当にうれしく思う。
 こつこつつづけてきてよかったね、俺。えらかったな。
 これからも、がんばろうな。

 それではみなさま。
 また次のSCRAPの公演でお会いしましょう!
 とりあえず次はパイレーツオブカリビアンの渋谷謎解きイベント!http://shibuya-jack.com/
 その後はもう目白押しです。

 ぶっ倒れないように適度に遊びます。
 遊びばっかり作ってると、遊ぶことを忘れちゃうんだよなあ。
 なんか面白い遊びを知ってたらおしえてください!

 じゃね!
 みんなありがとう!
 またね!
 ああ、なんかこのblogを書き終わったら、本当に東京ドーム公演が終わっちゃう気がして名残惜しくて終われない。
 しかし、まあ、永久に続くテキストがないように、永久に続くイベントもありません。
 そろそろ終わりましょう。

 では、また!
 ああ、!
 またね!!
 またねえええええええ!

Posted by kato takao at 2011年05月12日 05:18 | TrackBack
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