夕方から飲み始めて、ずっと飲んでて、今も飲んでる。
もう2時を回ってしまった。
伊藤君と飲んでた。
ああ、昨日の日記を読んだ人から「森さんだけ出てきませんね」というメールが来たが、実は昨日の日記に出てきた伊藤君はロボピッチャーの伊藤君ではない。現在あるラジオ局で働く伊藤君のことだ。
彼とはすでに24年くらいのつきあいになる。僕の知り合いの中で最古のひとだ。簡単な言葉にすると幼馴染というやつかもしれない。
伊藤君と二時間くらい飲んだかな。
静かに飲んだけど、ずいぶんと深かったような気がする。
時間が豊かにたゆたっていた。
いくらでも話せそうな気がしたから、電気を消すみたいに飲むことをやめた。
僕はそこから歩いて帰ろうと思って、それはずいぶん長い距離で、まあ京都をわかる人のために書くと、四条大宮から鞍馬口駅まであるいた。
たぶん普段なら一時間くらいで歩けると思うんだけど、かなり酔っぱらっていたから2時間以上かかった。
途中で、いろんなことを思った。
いろんなお店がつぶれていて、いろんな友人の家がなくなっていた。
時間が流れている。
僕が知っているものが減っていく。
最近生と死についての話をたくさん聞く。
彼女ははっきりと「死んでほしい」とある人物について言った。
僕はなにも言えなかった。
その言葉は、憎しみから発せられたのではなく、諦めからでもなく、純粋に優しさから発せられた言葉だったから。
二時間かけて歩いて帰ってきて、なぜかずっと「スローバラード」を歌っていた。
「悪い予感のかけらもないさ」という歌詞について考えていた。
なぜ「いい予感ばかりだ」と歌わなかったのだろう。
いい予感ばかりだったのではなくて、悪い予感ばかりだった人生がその時吹っ切れたんだろう。彼女と市営グラウンドの駐車場で寝ているときに。
体中から悲しみがやってきて、声をあげて泣いた。
彼には、悪い予感がいつもあって、それがなくなった瞬間にスローバラードを書いたんだ。
どうか、どうか、少しでも穏やかな場所で眠って下さい。
僕らの心を動かし続けた分、穏やかな場所に彼がいけますように。
もし神様がいるのなら、どうか。
忘れてしまったことがたくさんあって、時折大変な勢いで思い出す。
そして、失ってしまったものを知る。
知らないうちに僕は、何かを守ろうとしているのではないかと思った。
まだ何も成し遂げてなんかいないのに、この小さな城を守ろうとしている。なんと愚かなことか。
まず壊そう。
壊してしまえば、どうせなにか生まれる。
それが何かは、いつかわかるに決まってる。
どうしようもなく歌を歌いたくて。
ずっと道を歩きながら歌っていて。
生まれて初めてカラオケに一人で行ってみようかとすら思ったが、誇りにかけてやめた。
5/5。今日僕はライブがある。
歌を歌おう。歌を。
どんな人にも見に来てほしい。
どんな事情があったとしても見に来てほしい。
僕は、人生の中で、こんなに歌を歌いたいと思ったことは一度もないんだ。
体中に歌があふれてる。
大阪の福島のセカンドラインってところでやる。
よかったら見に来てよ。
とにかく今僕が、歌を歌えるという喜びを、かみしめるライブをする。
今ライブが出来ない彼の為のライブはできないけれど、ライブが出来るっていう喜びは歌えるだろう。
Posted by kato takao at 2009年05月05日 03:38 | TrackBack
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