若気の至りロックフェスティバルが終わった時に、僕はなんだかぼんやりしてしまって、 片付けをしている人たちを少し遠くに見ながら、すごくしょんぼりしていた。
 僕らが半年かけて作ったフェスティバルが、イベントとして最高だったなどと決して言えない。
 一週間かけて作ったものが2時間でつぶされるのを眺めていた。
 一番最初のことを思い出していた。
「加藤さん、NHKと学生が組んだ音楽のイベントを作りたいんですよ」と僕はNHKの人から言われて、僕はじゃあやりましょうといった。必死でフェスを作るという行為には何一つネガティブな要素はない。イベントを成功させたいとみんなが願えば、そこにはグルーヴが生まれる。
 このイベントにはグルーヴは直前まで生まれなかった。
 しかし、イベントが始まる30時間ほど前にタクシーを飛ばしてSCRAP事務所にやってきた若きディレクターによってそのグルーヴは生みだされた。
 どうだ!このイベントは最高だっただろう!と僕は言わない。
 完成などされていない。
 何もまだ終わってはいない。
 次だ。次に何をするのか。我々は次何をすればいいのか。
 忘れていたことを思い出した。
 我々には音楽が確固としてある。
 関わってくれたすべての人にありがとうといいたい。
 関わらなかったすべての人に次は一緒にやろうといいたい。
 どうしよう。
 未来が輝いて見えてしょうがない。
 ただやみくもにポジティブな自分を抑えられないでいる。
 今はこのささやかな達成感に身を任せる。
 そして終わってしまった喪失感を次の何かにつなげよう。
 われわれはつながっている。呼んでくれたらすぐに出会える。僕も呼ぶから返事をしてくれ。
 ありがとう。
 2009年の2月15日があってよかったと思う。
 なあ、また、あのいびつなタワーの下で会おう。
 忘れたくないことを積み上げよう。
 じゃね。
 またね。
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