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2009年01月27日

 まずなによりも言わなくてはならないのが、今日僕のソロライブがあるということだ。
 2009年一発目のライブだ。
 絶対に成功させなくてはならない。
 ドキドキする。
 おそらく20:30位からの出番になるでしょう。
 良ければお越しください。

加藤隆生ソロ 
■ 2009/1/27(火) 京都・VOX HALL chori presents 「とてもうれしいただいま」
【出演】NORTON / アンジェリカレイダース / The Calendar Of Happy Days / chori / 加藤隆生
【時間】open 18:00 / start 18:30
【料金】前売¥1500 当日¥2000 (+1DRINK\500)
【info】 VOX HALL http://www.vox.co.jp/voxhall/index.php

 では、今から普通の日記を。

 先日あるメキシコ料理屋さんでタコスを一人で食べていた時に、啓示が下るように自分がしばらくなにもインプットしていないと思い至った。そのお店では2月にガザ地区で起こっていることを伝えるイベントが開かれるそうで、僕は長いこと遠い国で起こっている政治的な軋轢について思いを馳せていないことに気づいた。

 まあ、別にそれはそれでいいんだけど、ずいぶん長いこと自分のことや、自分の作るものや、自分の作ったもののことばかり考えていたので、僕の肉体から遠い場所をきちんと見つめていないことに慄然とした。
 いくつかの企画を並行して進めていく中で、アイデアが出て来ず、自分のここ数週間の仕事に暫定的かつ限定的な「限界」を感じていたので、特にもっと外に目を向けようと思ったのかもしれない。「アイデアは情報収集と情報研磨の後の無意識の後にやってくる」という幻想を信じたくなったのかもしれない。

 とにかく。ふと今日15時ごろに数時間時間が出来たので、映画でもみようかと思い至った。
 新聞の映画欄を見るとチェ・ゲバラに関する映画をやっていることを知った。メキシコ料理屋で啓示を得て、チェゲバラの映画を見に行くとはなんと通俗的なことか。いや、通俗的とはいうまい。単純に幼稚なのかもしれない。

 時間もちょうどよかったので、ふらっと「チェ/28歳の革命」を観に行く。
 映画館でチケットを買ってからしばらく時間があったので本を読む。映画館で本を読むのは初めてだと思う。少し暗くて読みにくいけれど、ちょうど良いざわざわ感が読書に適しているとも思った。 
 予告編が始まって、雷に打たれるように気づいたのだけど、僕は映画館に一人で来るのは初めてだった。
 映画館で本を読むのがはじめてなのも当然だ。
 マンガも本も音楽も好きだけど映像にそんなに興味がなくて、映画を「デートのための装置」としか考えてこなかったので、映画館に一人でなんか行かなかったのです。家で一人でビデオ(DVD)を観たりはするけれど。

 その発見にびっくりしてしまって、今から自分が一人で映画を観るのだということにやけに興奮した。
 予告編を見ただけでちょっと泣きそうだった。はじめてのおつかいみたいな感じだった。

 映画は革命について描かれており、それは情緒や文学性を排し、事実に基づいた描写を徹底して心がけているように思えた。事実に基づいた描写が完成することなどありえないだろうから、実際はどうなのかわからないけれど、画面から伝わってきたのは革命への強い思いと、その遂行の圧倒的な困難さだった。
 遂行が困難だからこそ革命なのだろう。理想をこの世に現出するための方法論として「革命」という言葉を我々は知らないうちに比喩として使いだしているけれど、この映画の中には「革命」がその言葉の意味のまま描かれている。  
 知らないうちにゲバラのTシャツを着ていた人が観たらびっくりするだろうなと思った。
 ゲバラ自身も、自分が知らないうちにファッションの一部になっているなんて思ってもみなかっただろう。

 僕はふと、最近僕に向けられた(もしくは僕の友人に向かって向けられた)悪意について考えていた。
 悪意。
 明確に僕や僕らを傷つけるために書かれた言葉。
 先日書いた日記の後に明確な意図をもって、僕の友人に届いたメールは悪意に満ちていた。
 僕はそれを無視することはない。
 考えないようにしようとも思わない。
 それについて考えて考えて考えて、それでも何かを作っていこうと自分がすることをきちんと確認した。
 どこかで匿名の誰かが僕らへの悪意を伝えたとしても、それを凌駕するものを作り出していればいい。
 
 ロボピッチャーの新曲が2/4に配信されます。
 ありふれた憂鬱を抱えるすべての人のための音だ。

 僕に触れたすべての人に、内側から忍び込んでメッセージを伝えられたらいいのに。
 悪意も、好意もすべて巻き込んで、一つのカーニバルにして、忘れられない情景に昇華してしまえばいいのに。
 そんなことをロボピッチャーができればいい。

 音楽はあきらめてはいない。
 革命も、ささやかな恋も、ロックも。

Posted by kato takao at 2009年01月27日 03:46 | TrackBack
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