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2008年11月11日

 酩酊の旋律。
 冗漫で緩慢な寒さへの苛立ち。
 一日ごとに寒くなる。
 またあの季節が来る。

 春を待つな。
 春を待つな。
 今この場所で、身を切る寒さを迎え撃て。

 君と僕とでは時間の進み方が違うんだろう。
 どんなに時間が急いでも、俺は俺の思うものを作る。
 それ以外になにもやりたいことなんてなにもない。

 つまんない奴やつまんないことにずいぶんと時間を使っている。
 物事の優先順位をもう一度確認しなくてはならない。
 大切なのは今俺が何をつくりたいかだ。
 他はなにもない。

 知らない間にうまくやろうとしていた。
 全部手に入れようとしていた。
 でもそれはずいぶん前に諦めたことだ。
 
 春を待つな。
 春を。
 間隙を縫って撃ち放て。
 激寒の中でこそ熱は意味を持つ。

 作り続けよう。ただただ作り続けよう。
 今ここにないものを。あったほうが絶対いいものを。
 ふとした思いつきを。
 思わず言葉になったなにかを。

 そのためにたぶんここにいる。
 他に大切なものなんかなにもない。 

 いまここから見える未来なんてたいしたことない。
 見えない場所に行きたい。どうしても行きたい。
 思いつきもしなかったことを思いつきたい。
 やれるわけないことをやりたい。

 春がもし来るなら春に告げよう。
 私が願うのは終わらない春です。
 夏が来てしまう春になど興味はないと。

 作れないものしか作りたくないのです。
 幸せとかにたどり着きたくないのです。

Posted by kato takao at 2008年11月11日 02:55 | TrackBack
みんなのコメント

私は貴方の作るもので幸せになります。
だから、苦しんでください。
葛藤と悶絶の末に、とてつもないものを提示してください。
そして、狂喜乱舞する聴衆を見て、少しだけ幸せになってください。

Posted by: オレンヂ on 2008年11月11日 23:48
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