昨日の日記で、「清水玲子の”秘密5巻”を読んで寝よう」などと書いたものの、書き崩れるようにそのまま眠ってしまい、今日は昼真っから結構ちゃんとした一日を送り、事務所から歩いて帰ってきて、シャワーを浴びて、ああもう眠るだけだなあとなった午前5時半から「秘密」を読み始め、とてもじゃねえが眠るなんていう行為から最も遠い気持ちになったので日記を書く。
もう寝るとかまったく無理。肌が泡立つ。
感動と吐き気が同時に来る感じ。そう、この感覚はこのマンガにしかない。いつも読むたびに思い出して、それ以来忘れてしまう。なぜなら、ほかにこんな感じを思い出させてくれる作品はないからだ。
舞台は近未来。
死体の脳から生前の記憶を読みとり、事件を解決する「第9」と呼ばれる捜査機関がその主な風景となる。
マンガでないと描けない怖さがある。
怖いものは嫌いだけど、こんだけリアルにえぐってくれるならかかって来いという気持ちにもなる。
なにか作品に触れてやる気になったり、慰められたり、温かい気持ちになれたりということが唯一必要なことだと考える向きにはなかなか読みづらい作品かもしれない。
僕はミステリーを読むときにそれはある種のパズルだと思って読む傾向がある。
人が死んでもそれは物語の中で必要な装置であり、感情的にそこまでコミットしない。
小学校の時からずっとミステリーを読んでるから、人が死んだくらいじゃビックリしない。
でも、ちょっとまえにSCRAPのデザイナーさんにミステリーを貸したら「やっぱり人が死ぬのは怖い」と言っていて、なんてプリミティブな感想なんだろうとそのときはちょっとくすっ、この人可愛いところあるんだなあとか思ったけれど、このマンガを読むと人が死ぬのが怖いと感じる。人が死ぬという記号からはみ出した生々しさがある。
とても誤解を招く表現かもしれないけれど、このマンガからはきちんと人が死んだ時のにおいがする。腐臭がちゃんと漂う。
そして、それはなんて大切なことなんだろう。
人が目をそむけていることをきちんと提示しているのだと思う。
ほらね、刺されると痛いでしょう?
死は哀しいでしょう?
人生は儚いでしょう?
人が死ぬことはパズルでも記号でもなくて、ちゃんとそこには匂いを伴った事実がある。
じかに何かを見たときにだけわかることがあると思う。
この吐き気を伴う名作をもっと世の中の人が読めばいいと思う。
そして感想を聞かせてくれるととても嬉しいと思う。
読んでみようかなー。
最近なかなか新しいモノに出会えなくて。。。
かとうの「この漫画!」っていうのでもやってもらえると、いいなあ。
Posted by: keepon on 2008年08月08日 11:33
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