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2008年08月07日

 どうもあまりにもまとまった時間が作れなくて、いろんな人に迷惑をかけている気がする。
 今このタイミングで僕のことを嫌いになろうとしている人は、どうか後3週間くらいその判断を下すのを待っていただきたい。

 とはいえ、もうここ5年くらい「来月には暇になるから」と言い続けて、相変わらず忙しげに生きているのでもうあきらめた方がいいのかもしれん。こうなったら、ずっと忙しげな気の毒な人として生きていくのだ。

 先日RADIO SCRAPの人たちとご飯を食べに行き、その場にずいぶんと忙しいはずで、ずいぶんと役職も上のほうで、ずいぶんと仕事の出来る、ぱしっとしたスーツの男性が攻殻機動隊やエヴァンゲリオンやガンダムなんかについて語り、大いに食べて大いに飲んで陽気に時間を過ごしておられた。
 前にも書いた気がするけど、仕事が出来る人は忙しくても忙しげじゃない。
 僕もそうでありたいけれど、もうしばらく無理かもしれん。

 今日はちょっとしたプレゼンイベント。
 僕としては、この期間にこの場所でやったイベントとしては会心の出来だった。
 これがどんなふうに仕事になっていくのかはまだはっきりとはしないけど。

 イベントの後たまっている仕事。
 どうしてももう一字も書けなくなって、事務所の近くの24時間やっている本屋さんに行く。
 サラッと読めるマンガを買おうと思ったのだけど、何を買っていいのかわからず呆然と立ち尽くした。
 本をきちんと買うという習慣から離れていたことを痛感した。数年前までは本屋さんでどうやって振舞えばいいのかはっきりとわかっていた。
 夏の夜の本屋さんで僕はいくつもの夢を見た。
 すべての物語を手に入れたいと思っていた。
 英雄とか謎とか恋とか人生とか青春とか友情とかそういう奴。 

 本屋さんの蛍光灯の下で立ち尽くしていくつもの言葉を手に入れた。
 ビーチサンダルの自分の足がとても非現実的で、どっちが本当のことかわからなくなった。
 明日から、すごい物語が始まるんじゃないかと思った。
 宇宙で帝国軍と闘ったり、幽玄の森でドラゴンを仲間にしたり、信じられない美少女が空から降ってきて僕のことを好きになったり、時効切れ直前の難事件を解決したり。
 いつまでも本屋さんでドキドキしていられた。ほとんどのこづかいを本屋さんで使った。
 でも、僕はいつからか、物語の世界に入った翌日に、いつものベッドで目が覚めるっていう哀しみに耐えられなくなっていった。物語の中の人たちがうらやましくてうらやましくて、いつしか本当の意味ではもう物語を楽しめなくなったような気がする。

 主人公は僕でなくてはならない。
 それは僕が強く強く思い続けたたった一つの願いだった。

 多分、今そんなふうにやっていると思う。
 脇役になるときもあるけど、きちんと僕は僕の物語の登場人物だ。
 うわあ、「僕は僕の物語の登場人物だ」ってものすごく恥ずかしくない?大丈夫?まあいいや、でもほんとにそう思うから。
 
 僕は今、参加した人たちが物語の登場人物になれるようなイベントを一生懸命作っている。
 登場人物になれた人たちがものすごく嬉しそうな顔をして帰っていくのを僕は知っている。
 そんな時間を作れたことを僕はいつもものすごく誇らしく思うのだ。
 
 本屋さんで、清水玲子の「秘密」5巻を買った。
 1巻が出たときからずっと買っている本の新刊が出ていて良かった。
 このシリーズってもう10年くらい続いてるんじゃね?少なくとも5年以上は続いていると思う。
 すこし怖いけどとても好きなマンガです。
 これを書き終わったら、ベッドで読もう。
 本を読んで後は寝るだけっていう時間が、異常に好きです。
 その時間は僕にとってのエンペラータイム(絶対時間)で、世界は僕のものだと強く信じます。

 だから翌朝つらくなるんだけどね。

Posted by kato takao at 2008年08月07日 05:16 | TrackBack
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