妹が甥っ子におっぱいをあげるのにも見慣れた。
甥っ子は生まれて三週間を越えて、日に日に顔つきが変わっていく。それからなにより声が大きくなった。泣き声が大きい。でもうるさいと思わないのはなんでだろうな。
彼を見ていると、僕は自分の人生で大切な可能性を失ってしまったんだなと思う。
一体、なにを埋め合わせる為に僕は彼をかわいがっているのか。
そんな考え方しか出来ないからきっとうまくいかないんだろう。
とにかく最近飲んでいる。ものすごく毎晩飲んでいる。
今日は久しぶりに家で飲んだ。妹と甥っ子とビデオを見ながら。
母乳にビールが入っちゃうから、妹はまだビールが飲めない。
甥っ子はおなかがいっぱいになると下唇を外側に丸めて「おなかいっぱい」の合図を出す。僕もビールが飲めないくらい飲みすぎたらあの口の形をしようと思う。
はやくしゃべりださないかなあ。
聞いてみたい。生まれてくるってどんなだったか。
どうも、心の芯のあたりがふわふわしていて安定しない。
元気がないとか、ちょっとしょんぼりとかではなくて、どうも真ん中らへんが浮ついている。毎晩誰かと飲んだり、猛烈にたくさんの映画や本やマンガや音楽を買いあさってインプットしている。あ、今日は新しい事務所のための掃除機も買いに行った。なんで、俺はああいう家庭用の何かを買いに行くとあんなにいらいらしてしまうのか。数十種類の掃除機を前にして目が回ってしまったので店員さんを呼んで、適当に決めてもらった。
「何畳くらいのお部屋ですか?音は小さい方がいいですか?」
「もうとにかくお買い得な奴をください」
「いやあの、ある程度用途がわからないと、決められないんですが」
「なんか、良すぎず悪過ぎない奴だったらなんでもいいです」
「はあ、じゃあ、こちらは広告の品なんですが」
「じゃそれください」
とかそんな会話。
ちなみに、そのあと暖房器具も買おうとしたけれど、これはあまりの話の難しさに完全にパニックに陥ってしまい決められなかった。灯油とかガスとか電気とかわからん。ガスにも二種類あったり、工事が必要だったりするんだって。どうも、そんなことは俺以外の人間が考えればいいと思ってしまうのだけど、もう自分で考えなくちゃならん。考えると決めたのだ。考えようと考えたのだ。
いつか、そういう社会的なことがかちっと出来るようになったら、なんか変わるかな。
さっそうとパソコンとかつないだり、電話会社に電話したり、郵便局に住所変更の申請なんかを鮮やかにやってのけたり。
二年ほど前に区役所に印鑑証明をもらいに行くだけで本気で倒れそうになり、市販の200円のはんこを持っていったら「これを登録するんですか?」といぶかしむように俺を見た職員の目つきが忘れられないトラウマになっているこの社会性から遠い生き物は、今回の引越しを機になんとかもっとちゃんとした大人になろうともくろんでいます。ここを乗り越えたら、きっとなんか変わるはず。変わらないって事にあんなにいらいらすることだってないはずなのだ。
ちなみにそんなこと言っているのに、まだ今の事務所の大家さんに「今月一杯で出ます」って言えてなかったり、株式会社を作らなくちゃならないのに本を買って学生のスタッフに「これ読んでおいて」って渡したっきりだったり、新事務所に電話とかネットとか持っていかなくちゃならんのに、まったく手をつけてなかったりとのっけから大惨事です。
いや。しかし、おれはこの荒波を乗り越えるのだ。クエストするのだ。ゲームだと思え。多分ネットがつながったら妖精の笛とか、水門の鍵とかをもらえるんだろう。ちなみに「ラゴスってどこにいるんだろう」という疑問を過去に持ったことのある人とは友人になれる気がします。
ああ、また現実からねじれちゃった。
ヨーロッパ企画の次回公演の予告CMがヨーロッパ企画HPで流れていて、その中に異様に松田さんが綺麗な奴があって、もうその残像が焼きついて離れない。
こないだ本人に「あれすごく綺麗ですね」っていったら「ああ、あれ?エロいでしょ?」ってカツーンと言われてなんかすがすがしい気持ちになった。うむ。中身は松田さんのままでした。そのままでいてください。
あーなんか飲みに行きたい。飲みにだけ行っていたい。
こんだけ毎晩飲みに行くってのは何の欠如なんでしょうな。
あ!それからこれ書くの忘れてた!
僕もう30年くらい中日ファンなんですが、初めて優勝したんすよ!日本一!さすがにうれしかったです。
交代に関してはもう、俺5回くらいから心配してて、「このままパーフェクトだったら9回どうするんだ!?」と思ってました。でもまあ、いいと思う。そりゃちょっと残念ではあったけど、二人でパーフェクトであることと、一人でパーフェクトであることの間にそんなにすげえ差はないはずだと思う。野球がチームプレーであるなら、二人で大記録の方がうれしいやんね。
この件に関して意見を言う人の軸が全員ばらばらで一切議論が煮詰まっていかないことにはいらいらしたというか、それお前のひいきチームが優勝しなかったことへの腹いせだろう、と思っていたけれどよく考えたら、僕もさんざん巨人が優勝しても「あんな金に任せて人を集めて優勝して恥ずかしくないのかね」とか言っていたので、結局はおんなじだ。とにかく中日の優勝を生きているうちに観られてよかった。53年ぶりの優勝ってことは、生涯中日ファンだったけど中日の優勝をみることなく死んでいった人たちだってたくさんいただろう。おーい、死んでしまった中日ファンよ。今年やっと優勝したよー。
荒涼の歌が流れてる。
荒涼だけど、歌だ。
だから、たぶんだーいーじょーぶー。
ああ、甥っ子の泣き声は気にならないのに。パソコンのファンの音がうるさくて叩き壊したくなるぜ。
Posted by kato takao at 2007年11月05日 06:52 | TrackBack中日優勝おめでとうございます。
箸にも棒にもかからないヤクルトファンなので素直に祝福いたします。
わたしの中で加藤さんという人物は
さっそうとパソコンつないだり、
株式会社をちょちょいのちょいで作り上げたり、
区役所で一分の隙もなく華麗に職員をあしらったり、
そういう人だとおもっていました。
そうか、そうでもないんですね。ああよかった。
Posted by: はったみさと on 2007年11月07日 22:33
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