これまでにも何度か書いたけれど、ヨーロッパ企画について書く。
尊敬している人や、バンドや、ユニットはたくさんあるけれど、同時代の中で最も尊敬しているクリエーター集団はヨーロッパ企画かもしれない。
僕は、エンターテイメントな表現者ではなくて、ただ「個を拡大することで見える何か」をこつこつと探しているだけだけど、彼らは違う。それは紛れもなくエンターテイメントであり、しかも「思考が飛躍」している。「世界は平らだ」って思ってた人たちに「いや。地球は丸い」って言い出した学者みたい。
野に咲く花が綺麗だとか言い出した、数百年前のエッセイストのように「彼らにしか見えないもの」が見えているのだと思う。
まあ、そんな難しいこと言わなくてもとにかく面白い。
そしてはっとさせられる。
頭の中のコリがほぐされていくように、気づいていなかった疲れに気づいてしまうように、ふと懐かしい人に電話したくなってしまうような、そんな空間を彼らは創る。
ささやかで、小賢しくて、POPで、スマートだ。
使い道があるようで、ないような空間。
明日の元気にはならないけれど、今この時に笑ってしまえる秒速の柔らかな刺激だ。
大掛かりなことはなにも起こらない。でも、日常がちょっとした不思議と発見につながっていることを、きっと彼らは知っている。それをちょうどいい分量だけ僕らに見せてくれる。
今、現代に生きている人は彼らの演劇を見に行くことを僕は強くお勧めする。
僕はそういうことは滅多に言わない。
でもヨーロッパ企画に関しては言う。
今、彼らを見たほうが良いと思う。
そこにはあらゆる表現の可能性の粒子が詰まっているように僕には思えるからだ。
現在大阪で公演中だそうです。
平日は当日でも観られるみたいです。
予約もまだ受付中!
どぞ。ふらっと行ってみて下さい。
そこには間違いなく発見があると思う。
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