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2006年12月24日

 ソロのワンマンでした。
 こんな大それたことが出来るのもONE DROPというすばらしい場所があるから。森下さんありがとうございました。

 どんくらい歌ったのか、しゃべったのかよくわからないけれど、3時間近くはステージにいた。
 
 光を浴びていた。
 それは一切詩的な意味などなく(そして詩的であるとはなんとかっこ悪いんだろう!)まさに実際的に光を浴びていたライブでした。

 ステージで一人で光を3時間浴びた副作用は、完璧な不眠でした。
 眠り、それは遠く。
 多分、僕の眠りは今頃ジブラルタル海峡あたりで、わかめの養殖に励んでいるんだろう。

 音楽は、あらゆる音楽は誠実でなくてはならないと思う。
 誠実だから音楽だと思う。
 バカバカしく、愚かしい誠実さが、ポジティブに響く最後の場所が音楽だ。

 多分25曲くらい歌った。
 全部俺の曲だ。
 全部すごいんだ。
 なんとなく作ってないから。
 染み出すみたいに作ったんだ。
 うずくまって、布団かぶって、頭抱えて、やっと作った。
 震える指で文字を書き殴った。
 ギターの上を動く指がとても美しくて、スローモーションみたいだった。

 そんな歌を歌った。
 廃墟みたいな場所だった。ひとりぼっちみたいな気持になった。
 
 昔、友人に新曲を聴かせて、その感想を聞いたときに、ああ俺はひとりぼっちなんだと思った。
 完璧な共有なんてない。
 僕らは言語という不完全で偽悪的なシステムを構築し、これまでの歴史を踏襲し、礼節を重んじ、なるべくお互いを理解しやすい状況を捏造しながら生きている。

 でも、それが尊いのだとも今は思う。

 僕らはあきらめなかったのだ。こんなに不利な試合でも負けを認めずに、なんとか分かり合えるような技法を構築しようとした。
 それをもって文化という。

 どんなに信頼している人とでも、わかりあえることなんてない。
 絶対に分かり合えないからなにも期待しない。
 そんな場所。そんな時間。

 そこで流れてるのが僕の歌だ。

 進め。

Posted by kato takao at 2006年12月24日 06:24 | TrackBack
みんなのコメント

とてもとても行きたかった。
遠くの空の下から、今頃唄ってるだろうなぁ、
どんな唄うたってるのだろうなぁ、
これかなぁ、あれかなぁと
鼻歌を歌ったりしていた。
冷たい風を乗り越えて、
きっと、たくさんの人に届いているから。
進め。

Posted by: ちどりあーにゃ on 2006年12月24日 20:50
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