2006年10月07日
さらさらと流る
うねず まがず ひっかりもせず
さらさらと
雲に煙る月がどうやら満月で
ああ満月だと彼人がおっしゃるが
僕は足も止めずちらと見て
ああほんとだと思いもせずに
ランダムな感情精製機は
ちょうど目に見える満月分の穴を体にこさえた
たださらさらと流る
穴から穴へ
コーヒーからセメントのお花畑へ
砂利を踏み
弧を描き
給食にあがきながら
切れかけた糸のように歌い
塵芥のようにこっけいで
夜店の金魚みたいに比類ない
コーヒーを飲むたび性別を変えて
焼酎を飲んだコップでワインをぐびり
頭をかち割ったらおたまじゃくしが出てきたよ
たださらさらと
おたまじゃくしは川へ洗濯へ
さらさらと
止まらないならば
もう戻ってくるな
そのまま行って
僕以外のなにかになれ
。
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