なんかあんまり暑くなりませんね。7月って最近はもっと暑くなかったっけ?
夏ほど何かを思い出させる季節はないですね。
我々の記憶の残像が集まって夏になってるのじゃないかとすら思う。汗がグラウンドに落ちて、影が濃くて、足の裏が熱かった。
夏の排気ガスの匂い、自転車の暑くなったサドル、においたつグローブ、触れないほど熱いバット、ひび割れたスパイク、汗のにおいのする部室、クーラーのきいた自習室、麦茶に入っていた氷が唇に触れる感触、ぬるいビール、鴨川で一晩だけ話した女の子、ノースリーブ、ミニスカート。
真夏にストッキングをはいて、スーツを着て就職活動にいそしむ女性を見ると、心の大事な部分を触られたような気持になる。
おい。
それは本当に大切なことなのか?
表面が微かに溶け出したアスファルト、草の匂い、熱を湛えたビル、汗ですべるメガネ、テスト用紙をぬらした汗。
夏の教室。
暑い暑いってみんなで言い続けて、ブラジャーが透けているのを気にしている女子と、それに気づかないふりをする男子と、黒板だけを見続ける教師。木の匂いのする机。ふでばこからこぼれる消しゴム。隣に座った女子が拾ってくれる。「ありがとう」と僕は言う。「ふん」と彼女は鼻を鳴らす。僕と彼女の距離は、月と太陽の距離と同義だった。17才。
隣に誰もいない夏は、きっと僕を一番ナイーブにさせた。
二人で自転車に乗ってコンビニにビールを買いに行った。
途中の踏み切りで電車を待っている時にキスをした。
コンビニのおじさんに「何歳?」って聞かれて「19」って答えたけどビールは売ってくれた。「かわいい彼女だね」「ありがとう。でも、彼女じゃないんだ。」彼女は隣で笑っていたけれど、もちろんものすごく怒ってた。「彼女ってなんなんだろうね」と彼女は言ったので「さあ、ただの取り決めじゃないの」といったら、彼女はすっと表情を消して「そうかな」といった。そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。
それを決めるのは、一体誰なんだろう。
過去。
これは過去の記憶だ。
夏の。
夏が、あまりにも夏だから。記憶がたまっていくばかりでどうしようもないよ。
ビーチサンダル。コンビニに買いに行ったビール。アメリカでのテニス。それも夏の記憶。
夏に創ったたくさんの曲。
お盆に行われるどうしようもなくひどい飲み会。
明け方のビール。夜中の散歩。キャミソールは、少しずらしたら落ちてしまうのに、なぜその「少し」をずらすことができないんだろうね。
べっとりと顔にへばりついた汗だらけの枕。
半ズボン。
そして、音だ。
思い出した。まだ、今年の夏には音が鳴ってない。
せみ。
はと。
大気のうねる音。
夏しか僕は好きじゃない。
季節が巡るたびに俺は一喜一憂だ。
汗をだくだく掻きながら、フリーキックを蹴る為に集中する人の横顔が美しすぎて嫉妬が止められないよ。
とにかく。
夏だ。
恐れる物はなにもない。
どうなってもいいし。どうならなくてもいい。
僕はただ、ここでやりたいように。今は進む。進む。進む。わき目も振らず、無駄を語らず。
サンダル。ビール。夏の風を受けた夜の光。
飛び交う嬌声。交わされる愛の言葉。毛穴を眺めて、にじむ汗をなめて、その匂いと温度の中でこそ生まれる言葉と、感情と、一瞬の歓喜。
ミニスカートから伸びた脚を僕は少しだけ触りながら、暑いねといって、ビールを飲みながら、この後どうするかを考えている。
そんな情景。
クーラーの部屋で頭を抱えながら書き殴った狂った言葉が、やっと開放されるのかな。
「もし僕が狂ったら
それは夏のせいだ
ここにはなにもないくせに
なんでもありすぎる」
よだれをたらす神様の、その手のひらの中ででこそ幸せな、そんな未来を投げうって、ここに立っている。
なんとか、31回目の夏を迎えることが出来ました。
幸せな気分に満たされている。
また、一回夏を過ごすことが出来る。
夏にひどいライブをすることはありません。
いろんなものがどぼどぼとあふれるようなそんなライブしかしません。
ああああああ、なんでロボピッチャーのライブがないんだろうなあ。ちぇー。
しかたない。
その分、ソロライブをやろう。
僕は夏のビールと一体化して。
夏のビールが歌う歌を歌う。
紺碧の歌。波を越えて。どこまでも行くか。行かないか。
ああああああ、なんでもやろう。
快楽と孤独。それもまた同義だ。
それが夏だ。
すべての扉は、夏に繋がってる。
これは絶対。
そうでないなら、もう生きている意味自体がゆらぐぜ。
激しく同感
わたしも夏がだいすきです。
いっぱい汗かいていっぱいビール飲みましょうね。
この日記を読んで
大嫌いな夏が4%くらい好きになれたような気がした。
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