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2006年05月02日

 少し眠ったのだけど目が覚めてしまったので、手紙を書いた。
 薄暗がりの中で
 なるべく丁寧な文字で。

 目が覚めたら彼女はその手紙を読んで、少しは僕のことを思い出してくれるだろう。

 空気中をたゆたっていた粒子が、さまざまな感情を溜め込んで、レコーディング開始の今日、一気に僕の中に流れ込んできたみたいです。
 もちろん僕はあっというまにその濁流にのまれ、バランスを崩し、みっともない言葉を次から次へと吐き続けた。
 
 新曲をバンドで演奏した。
 カチリと音がするように、必要な場所に曲がはまった。
 そのときの僕の歓喜を言葉にすることなんてできない。
 あなたがバンドを作って、良いメンバーを集めて、数年バンドをやった後、それを打ち壊すような新曲が、アルバムレコーディングの初日に出来たときにだけわかる感覚だ。

 僕はその曲を作る為に幾人かの人を傷つけた。
 誰をどれだけ傷つけたって、良い曲が書けるならいい。
 そんなふうに長いこと生きてきたけど、そろそろ限界かもしれない。

 もっとやさしい場所はあるのか。
 もしあるなら、僕はそこへいくのか。

 どうか、いま鳴っている音を聞きもらさないでください。
 ガラスが砕ける瞬間みたいに、今しか出ない音だ。
 そのことの切実さが、僕に今言葉を書かせてる。
 光よりも早く、闇が走ればいい。
 漆黒の中でこそ、
 ただ一つ。
 ライムライトを
 僕は欲する。

 それが、君だ。
 

Posted by kato takao at 2006年05月02日 08:00 | TrackBack
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