生命から逸脱したラインで物事を考えていたので
 やけにプラスチックになってしまったのはいつものことだったのだけど
 それにしても我々は壊れやすく
 豆腐の角にぶつかったって死んでしまいそうだ
 出会っては別れて
 眠っては起きて
 生まれては死んでいくこの場所で
 僕はせめて美しいラインを描こうと思うのです
 
 美しいライン
 仄かに光る夜明けの草露のように
 風もないのにふと現れる湖の波紋のように
 地球で最初に地面で溶けた雪のように
 混迷の中にある秩序について
 僕はおそらく何時間でも狂ったように話し続けることができると思うのだけど
 そのときに僕はいつも
 混迷の中にある秩序について話しているのか
 僕自身が混迷の中にある秩序なのかがわからなくなってしまうので
 もう話さないのです
 もう話さないのです
 人間が複数集まれば
 そこにコミュニケーションが生まれ
 メッセージが必要とされると
 僕は今日たくさんの人の前で話したのですが
 その言葉がいくら正しかったとしても
 我々の間に生まれたはずのコミュニケーションはとても儚く
 触れるだけで壊れてしまいそうでした
 生命から逸脱したラインで物を考えるのはとても楽しいのですが
 その快楽はひどくアンモラルで
 背徳的で
 反社会的で
 耽美的に過ぎるので
 僕は自分の想像をひとまず打ち消して
 せめてどこかで誰かには触れられるような言葉で
 今日も歌を歌おうと決めたのです
 新しい歌を作りました
 
 まばたきをするたびに世界が変わるんですね
 ステキなことだなと僕は彼女に言ったみたけど
 私はまばたきしたって世界は変わらないわと彼女がいったので
 彼女は世界に愛されているのだと思って
 僕はとてもうれしくなった
 僕はとてもかなしくなった
 
 2リットルで500円の焼酎をもぐら君にもらったので
 いまそれを飲んでいますが
 胃が焼け付くように熱くて
 うっとりとしています
 まるで世界には
 僕と焼酎しかいないみたいだ
 籠絡の涙が
 混迷を縛り上げて
 わかりやすい歌にしたんだって
 あなたらしくがんばってって歌うその歌に
 僕はうっかり涙をこぼし
 世界には3つの言葉しかないとおもったんだ
 愛と勇気と平和
 あとはそれを
 どうやって
 骨身に染みて
 わからせるかだ
 とか
 なんとか
 思ったとさ
 完璧な歌なんか
 ないなんて
 思ったこと
 ない
 のだ
 雨の動物園では
 ささやかなイベントが行なわれたそうです
 雨の動物園ほどステキな場所なんてあるんでしょうか
 雨がふったら動物園に行きたいよ僕は
 一方その頃
 僕は神戸で歌っていました
 雨の動物園で行なわれていたイベントほど
 やさしくは歌えませんでした
 いつか
 本当のことを言おう
 僕は
 本当のことを
 まだ
 言っていない
 のど飴をなめてたら
 ふとした拍子に飲み込んじゃって
 のどを痛めた
 わろとけわろとけ
 月明かりが
 こんなにきれいだ
本当の事って、きっと瞳と瞳が、ぶつかりあった時
にこそ、きっと本当の事なんだと思います。
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