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2005年10月25日

 生命から逸脱したラインで物事を考えていたので
 やけにプラスチックになってしまったのはいつものことだったのだけど
 それにしても我々は壊れやすく
 豆腐の角にぶつかったって死んでしまいそうだ

 出会っては別れて
 眠っては起きて
 生まれては死んでいくこの場所で
 僕はせめて美しいラインを描こうと思うのです
 
 美しいライン
 仄かに光る夜明けの草露のように
 風もないのにふと現れる湖の波紋のように
 地球で最初に地面で溶けた雪のように

 混迷の中にある秩序について
 僕はおそらく何時間でも狂ったように話し続けることができると思うのだけど
 そのときに僕はいつも
 混迷の中にある秩序について話しているのか
 僕自身が混迷の中にある秩序なのかがわからなくなってしまうので
 もう話さないのです
 もう話さないのです

 人間が複数集まれば
 そこにコミュニケーションが生まれ
 メッセージが必要とされると
 僕は今日たくさんの人の前で話したのですが
 その言葉がいくら正しかったとしても
 我々の間に生まれたはずのコミュニケーションはとても儚く
 触れるだけで壊れてしまいそうでした

 生命から逸脱したラインで物を考えるのはとても楽しいのですが
 その快楽はひどくアンモラルで
 背徳的で
 反社会的で
 耽美的に過ぎるので
 僕は自分の想像をひとまず打ち消して
 せめてどこかで誰かには触れられるような言葉で
 今日も歌を歌おうと決めたのです
 新しい歌を作りました
 
 まばたきをするたびに世界が変わるんですね
 ステキなことだなと僕は彼女に言ったみたけど
 私はまばたきしたって世界は変わらないわと彼女がいったので
 彼女は世界に愛されているのだと思って
 僕はとてもうれしくなった
 僕はとてもかなしくなった
 
 2リットルで500円の焼酎をもぐら君にもらったので
 いまそれを飲んでいますが
 胃が焼け付くように熱くて
 うっとりとしています
 まるで世界には
 僕と焼酎しかいないみたいだ

 籠絡の涙が
 混迷を縛り上げて
 わかりやすい歌にしたんだって
 あなたらしくがんばってって歌うその歌に
 僕はうっかり涙をこぼし
 世界には3つの言葉しかないとおもったんだ
 愛と勇気と平和
 あとはそれを
 どうやって
 骨身に染みて
 わからせるかだ
 とか
 なんとか
 思ったとさ
 完璧な歌なんか
 ないなんて
 思ったこと
 ない
 のだ

 雨の動物園では
 ささやかなイベントが行なわれたそうです
 雨の動物園ほどステキな場所なんてあるんでしょうか
 雨がふったら動物園に行きたいよ僕は
 一方その頃
 僕は神戸で歌っていました
 雨の動物園で行なわれていたイベントほど
 やさしくは歌えませんでした

 いつか
 本当のことを言おう
 僕は
 本当のことを
 まだ
 言っていない

 のど飴をなめてたら
 ふとした拍子に飲み込んじゃって
 のどを痛めた
 わろとけわろとけ
 月明かりが
 こんなにきれいだ

Posted by kato takao at 2005年10月25日 04:03 | TrackBack
みんなのコメント

本当の事って、きっと瞳と瞳が、ぶつかりあった時
にこそ、きっと本当の事なんだと思います。

Posted by: バニラ on 2005年10月26日 03:09
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