今日、ロボピッチャーのセカンドミニアルバム透明ランナーが発売されます。
僕らがこのアルバムの完成盤を聞いたのは、確か二ヶ月ほど前で、まだがんがんに暑さの残る季節でした。
車の中でみんなで聞きながら移動して、「うん」とか「いい」とか「おお」とか言ってました。短い言葉しか出てこなかったけど、それで十分でした。
その時から、今日までなんかずいぶんと長かった気がします。
一刻もはやく聴いて欲しかったのですが、やっと、発売日です。
なんか不思議な感じですね。
このアルバムに関わってくれたすべての人たちにあらためて感謝を。
こんなに素敵なアルバムは、僕らだけじゃきっと作れなかった。
今回のアルバムに入っている「井戸を掘って」という曲は10年前に作りました。
井戸を掘る他何もしてない
まだ掘ってただ掘って
水なんか出てこやしないのに
水なんか出てこやしない
井戸を掘って
そして、僕はまだここで井戸を掘り続けている。水なんか出てこやしないのに。
僕は10年前に、僕の部屋で、独りで、高らかに宣言したとおり、まだここで井戸を掘っている。24時間用意されて、24時間使い切る仕組みのこの世界で、僕は井戸を掘り、どこへも行き着かず、でもどこかへ行き着くことを決してあきらめたりはせずに、井戸を掘り続けています。
ぜひ、聴いてみてください。
そして、水の出てこない井戸を掘っている自分のことを考えてみてください。
光も細くなるほど深い穴の中で、出るあてもない水を探してスコップを振り下ろす自分のことをです。
その心象風景の中でだけ、成立する音楽だってあるような気がします。
気がするだけかもしれないけど。
あ、それから、CDを聴いた感想なども聞かせてください。
今度はそっちが聞かせる番だ。とかいって。
今朝、ロボピッチャーの「透明ランナー」を聴いた。
聴いていたら、加藤さんの柄シャツが頭に浮かんだ。
こないだの拾得のライブで着ていたやつです。
台所で聴いた。換気扇をまわして、ポリバケツの蓋の上に腰掛けて、煙草を吸いながら聴いた。起きたばかりで、髪の毛がぐしゃぐしゃだった。
「井戸を掘って」がとくに好きだ。
と、初めて聴いたときから思っていたんだけど、いま、加藤さんの書いた日記を読んで、
「なんか、これ読んだからこの曲が好きみたいじゃ」
と思った。思ったけど、好きなんだからしかたない。
24時間用意されて、24時間使い切る仕組み。
何をしてたと問わるるなら、井戸掘ってたと答えるんだろう。
(いま歌詞カードが手元にないので、ちょっと間違ってるかもな。)
この言葉を聴くと、よし、と思う。
よし、本を読もう。
よし、あの店に行こう。
よし、お酒を飲もう。
よし、お風呂に入ろう。
よし、バイトに行こう。
よし、なにか書こう。
よし、愛そう。
よし、眠ろう。
この24時間は、なにをしてた?と問われたら、
「やりたいことやっとった。」
と答える24時間を、きょうも過ごす。
あと、「世界最速のワルツ」のイントロがすごく好きだ。
きれいだなあ、とほれぼれする。
Posted by: ドモン on 2005年02月28日 15:21
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