朝起きて、ボロフェスタの打ち合わせに行って、ボロフェスタの打ち合わせをしながらお昼ご飯を食べて、打ち合わせをして、ボロフェスタの為の書類をプリントアウトしてFAXして、電話して、また打ち合わせをして、帰ってきて(午前1時帰宅)そこから書類を作って今に至ります。
こんだけ切羽詰ってくると、どんな人でもイライラするし、不安定になります。
僕なんかは、不安定な世界ではかなり安定した地位をもっているほどのフアンテナーなのでふらふらです。
ときどきわけのわからないことを言う人や、突然眠ってしまう人や、尋常ではないほどテンションの上がる人などが登場します。
進むスピードは遅くなったり早くなったり、輝きは明滅を続けながら、それでもゆっくりとゴールを目指します。
スタッフのみんなとお好み焼きを食べて、ひとときリラックスした会話をして、またすぐ仕事に戻る。
それで?と、僕は思ってもみる。
それがなんなのか?と。
このイベントが成功したところでどうなのか。お金なんてどうやらまったく入ってこないし、借金を作りそうだし、いろんな人から文句や苦情を聞きながら、なぜこんなことをやっているのか、と。僕はおもう。
夜中の何時をまわった頃か覚えていない。事務所で僕らはコーヒーを飲みながら打ち合わせを続けている。非常にむずかしい問題が目の前にある。
次の日の朝。僕らはやはり同じような問題を抱えて頭を悩ませている。
だれかがなにかをいう。
それで、ほんの少し光明が見える。
みんなでその光りを掘り起こす。
その結果手にした何かは他の何かではない。僕らにとっては特別な何かなのだと思う。
僕はそっけなく笑いながら、特別ななにかを手にする。
なんてことなかったよ、なんてコメントを出しながら。ちょっとよれっとしたジャケットを羽織ながら。いつもより幾分唇を尖らせながら。
僕はそれを手にしたことをちょっと恥ずかしいような、ちょっと誇らしいような気持ちになる。ぐるぐる回したりして、いろんな角度から検証してみる。どっからどう見たってそれは、特別な物に決まってる。僕はそれを誰に見せるでもなく、そっとどこかにしまってしまう。
ミニスカートが風に揺れています。フリスビーがスローモーで飛んでいきます。スニーカーの紐が切れました。フライパンに穴が空きました。前髪をちょっと切りました。靴下の穴を縫いました。薄いグリーンの匂いがします。秋のにおいじゃない。これは、誰かが放っているにおいです。
あるいはそれは僕のものかもしれない。
そうであってもいいと思っている。
ジャズが流れてる。よくわからないジャズ。やってる人間がジャズだっていってるからジャズという範疇にはいるといったタイプのジャズ。
それを聞きながら僕は天気予報を見ている。明日は晴れる。「晴れなけりゃ良いのに」と僕は思う。
だれかが伝えなくてはならない。不明確なジャズと、不必要に晴れてしまった日曜にの齟齬について。
あるいはそれが僕の物ではなければよいと、僕としては思いたいのです。
白い缶のビールを飲んで知る。絵の具が、ぐじゅぐじゅともれてはみ出してしまったようなおかしな白だ。
手をかざして、それをすくってみる。
美しくもなく、醜くもない。ただそこにあって、そこにあるということになんの過不足もない。
見えるか。
どうだ。
それが僕の色だ。
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