昨日の夜、突然電話が鳴って「明日飲み会だから来い」と高校の時の友人達に誘われました。
僕は今日仕事があったので、断ったのだけど、今日の9時にまた電話がかかってきて、「今から愛宕山に登る事になったから来い」といわれました。
登山口に僕がついたのは11時くらいで、みんなはもうそろって、待っていました。みんなの手に懐中電灯。登山用のリュック。
なんでこんなことになったのかは、だいたい予想が出来ます。いつもの様に飲んでるうちに、なんとなく盛り上がって、こんなことになったんだろうな。いつもの事です。(去年の8/16の日記参照)
僕らは8人で、夜の山を点呼をとりながら登って行きます。登り始めてすぐ、これはめちゃめちゃしんどいとわかる。15分ごとに休憩。星がとんでもなく綺麗。登りながら話を聞くと、昨日リーダー格の堀田君が愛宕山に登ったそうな。その時にかなり大きな滝があって、それに何人かの人が打たれて修行をしていたらしい。で、それを自分もしてみたい、という夢をかなえるための登山らしい。まあ、納得がいくようないかないような話です。
途中すごい夜景を見る。京都の町。
「無駄な電気を使ってるなあ」と誰かが言う。ほんまやなあ、とぼくは思う。
休憩のたびに僕はみんなに近況を聞く。
楽しい事ばかりじゃないけど、まあ、なんとかやってるよ。仕事は辞めてしまいたいけど、まあ、そうもいかない。だんだん体も衰えてきた気がする。お腹も出てきた。
8人の内の2人は結婚している。結婚生活は順調だそうな。
3時間半ほど歩いて頂上につく。みんなでチョコレートを食べる。すごくすごく美味しい。チョコレート!なんて素敵な食べ物なんでしょう!
頂上から別のルートで下山。ここはかなりハードな道のり。1時間半ほどあるいて問題の滝に到着。
最初は暗くて分からなかったのだけど、懐中電灯で照らしてみるとものすごい高さだった。50mくらいはあるかしら。空也の滝っていうそうです。
で、みんなで服を脱いで、突入。めちゃくちゃ水が冷たくて、しぶきが体に当たると痛い。僕は滝の下に入って、手を合わせてみる。5秒と耐えられない。大変だな修行って。8人の男たちが一糸纏わぬ姿で滝の周りで大騒ぎしている。「冷たいからちんちんが縮んじゃってるけど、ほんとはもっと大きいからな!」
記念撮影も行う。「ちんちん隠せっ!」隠しました。とにかく冷たい。そして、水が痛い。
「この修行でなにを悟るんだろう?」と竹村君
「ああ、こんなことしても無駄だなあって悟るんじゃない?」と僕。
ちなみに竹村君は去年僕がアメリカに行っていたときに、泊めてくれた人です。(去年の日記6月くらいのところ参照)
そこからさらに歩いて朝5時に出発地点に到着。
楽しかったなあ、と僕は思う。
「今から2時間だけ眠って仕事や」という友人がいる。
「じゃあ」と言う感じでこれといった意味深げな別れの挨拶もなく、僕らは別れる。
夜が明け始めていて、まだらの雲が空の5分の3程度を埋めている。
僕は今日のささやかな会話を思い出している。
「もう会社は辞めたい」
「来年はみんなで無人島に行こう」
「じゃあ、会社を辞める理由が出来たな。1週間の休みを取るよ」
「最近セックスをしたくなくなった」
「いや、俺はすごい回数やってるよ」
「独立しようかなあ」
「会社辞めたいなあ」
それで、僕らはまた夢を見る。
どこかで足音がしている。楽しげにステップを踏んでいる音だ。
それはとても確かな音で、僕らの心を的確に揺らす。
そこに跳びこんで行きさえすれば、楽しい時間が流れ出すのだ。
だれも宿題を出さない夏休みが待っている。
水道には水滴がこぼれんばかりについていて、蛇口をひねったらすばらしく美味しい水が溢れ出す。
そんな夢。
家に着いて、僕はビールの栓を抜く。日記を書こうと思う。そうだ、これは日記だ。
言葉は二進法で連なり、偶然性の奇跡を信じながら、ここ以外の場所を目指す。
「来年は無人島に行こう」
来年。僕は何をしているのか。どんな色のシャツを着ているのか。まったくわからないけど。
確実に言えるのは、来年も再来年も、僕は彼らと無人島に行ってしまいたいなあ、と思っているってこと。
もちろん、すぐに帰ってくるけどね。
では。
Posted by kato takao at 2002年08月16日 06:13 | TrackBack
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