風邪治りました。心配してくれた人ありがとう。かなりたくさんの人々に迷惑をかけました。
どうも、秋風が吹くと不安定で、時に身体がしびれて自由が利かなくなるほどの不安が襲ってきます。さて、どうしよう。
ゴムを伸ばしていくと、どきどきします。パンとはじけてどうにかなってしまいそうです。ぎりぎりのぎりぎりまで引っ張って、ものすごくたくさんの期待と可能性を背に受けながらゴムはもとに戻ります。僕はそれをスローモーションの様に見ている。奇跡みたいに美しくうねりながらゴムが元に戻っていく。なにか信じられないくらい大切ななにかを伝えようとしているようです。中空で身をよじる様にして激しく二度三度回転して、ゴムは床に落ちる。そしてもう動かない。なにも変わっていない。ぼくはどんなメッセージも受け取ることが出来なかった。
また、今までの生活が始まる。退屈で、いとしくて、ただ流れるために流れる時間に沿って歩く。僕は少しづつ賢くなり、また少しづつもとに戻る。
ただいま、といって帰る。だれも迎えてくれない。靴を脱いで部屋に入るとメモが置いてある。
さようなら。ごめん。
と書いてある。ゴムからのメッセージだ。
だれも悪くないのに、みんな不安でみんな悲しい。いっそだれか悪い奴がいてくれたらと思う。しかしみな大なり小なりの善悪を抱えていて、「頭の先から足の先まで悪でいっぱいです」なんて胸を張れる奴はいない。
とうとう本当に誰もいなくなってしまった部屋で僕はまた歌を作る。出来あがったらちょっとほっとして、ゆっくりする。明日はこの曲をみんなに聞かせてあげようと思う。お風呂に入って眠る。夢は見ない。
朝起きて、いつもの様にありったけの存在意義を集めて起きあがる。
くりかえす。ゴムのことも忘れていく。何を覚えているべきかもわからない。
でも、毎日目が覚めて、幾ばくかの喜びも存在する。風邪も治る。
それをもって正しいことだと、僕は言い張る。
Posted by kato takao at 2001年11月13日 19:43 | TrackBack
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