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2001年08月23日

 昨日も今日もミュージシャンと一日中一緒にいて、音楽の話をしていた。音楽の話をしているのは楽しい。楽しい部分だけピックアップして遊んでいる気分になる。
 でももちろん、それだけでは前には進めないので、しぶしぶ僕はもう少しやっかいな場所に身を置く。

 歌詞の話をきのうはしました。僕はこの曲をこういう意図で作ったのだよ、という話。
 僕は、歌詞の説明というのをほとんどしません。歌詞について一番わかっているのは製作者ではなくて聞く側だと強く思っています。僕は作品を作り終えた後は、それをいかに純粋なカタチで人々の耳に届けるかということだけを考えます。作品と聞く人の間になるべくなにもないように。ほんの少しでも伝わりやすいように。
 ときどきMCで「今からやる曲はこないだ見た雨の後の虹に感動して作った曲です」とか言う人がいますが、僕には信じられません。そんなことを言ってしまったらお客さんが「虹」をイメージして曲を聴いてしまうじゃないか。ひょっとしたら曲とお客さんの間でもっとすばらしいミラクルが起こったかもしれないのに。

 「これは、気が狂った男が作ったラブソングなんだよ」と僕は昨日二人のミュージシャンにいいました。「だけどそれはお客さんにはわからなくてもいいことだ」

 それをきれいなラブソングだと思ってくれても、別れの歌だと思ってくれても、ただのチープな説教ソングだと思ってくれてもいいです。
 歌詞に必要なのは結論ではない。必要なのは色彩みたいなものじゃないかと思う。

 音楽を聴いていて、ふと心に色が宿る。
 それがすべてで、それは音楽にしか出来ないことだ。
 そして、ある種の色は僕にしかだせない。僕と、ハラッパ=カラッパでしかつくれない。

 ほんとです。

Posted by kato takao at 2001年08月23日 03:16 | TrackBack
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