(ビールとウーロン茶追加)
フラ:(一昨年夏に)ちえみジョーンズと鶴坊とツアーまわったのが、30歳過ぎて一番衝撃のツアーだった。楽しくて、いろいろ考えなくていいんだなって解き放たれた。
じゅ:旅をしてる最中は楽しいことばっかり?
フラ:今までもバンドでツアーしたりしてきたけど、ただ自分の歌をただ自分なりに素晴らしく歌えばいいだけであって、一人でもまわったりしたけど、鶴坊とまわったりもしたら(東京と北九州に)宿も二つできるし。
じゅ:そうだね。離れているのが逆にいい感じになってるのかもしれんね。バンド時代と何が違うんかね?
フラ:まあ自由もあるし不自由もあるよね。今日みたいに、バンドやけんはっちゃけられる日もあれば、一人で密につめるときもあるけど。けどやっぱり一人でツアーまわるのは荷物もあって、トイレに行くのも大変だし、二人はいいなと思います。
じゅ:今後もみずきひろゆきくんは続いていくの?
フラ:わからんよ。一人で楽勝で食えるほうがいいし、(ギャラを)半々にせんで、5千円だけあげる荷物持ちの方がいるんならそれでいいし。でもそれでも鶴坊が一緒やし見に行こう、フラッシュが一緒やし見に行こうという方がいらっしゃるならそれは分け合えばいいと思うし。東京で俺がワンマンするけんって言ってもあんなに人は集まらんと思うし、鶴坊が出るけん誘ってくるし、(北九州で)フラッシュ帰ってきとるけん見に行こうかって人もおるし、京都やけん、栗本さんとバンドやし見に行こうって人もおるやろうし。
鶴坊:湯さん(本日ゲストでドラムを叩いたお客さん、竹内結子似)の晴れ舞台を見に行こうとかね。
フラ:湯さん、今日想像以上によくって。
栗本:うん、よかった。
フラ:けどみんなお互いに、湯さん(のリズム)が走ったらそれに合わせてまとめる俺らの力ってすげえなと…笑。
鶴坊:栗本さんやけん、それがわかってちょうど俺が好きな感じのノリを出してくれて。湯さんもリズム感もよくて、もしずっとちゃんとやってたら叩けそうな感じやし。
栗本:物怖じしてない感じ。
フラ:全然ビールもゴハンも普通に食べてたし。
じゅ:本人的には緊張してたみたいだけどすごいよねえ。
鶴坊:前の二人こそダメだったよねえ…笑。でもだいぶ流れはわかってきたね。
フラ:だいたい真ん中くらいでこう言い始める…笑。で、最終日にやっと流れを覚える。
じゅ:ツアーしてて大変なこととかある?
フラ:阪急線にエレベーターがないのはね。俺らだけじゃなくて身障者の人も乳母車の人もいるんだし。東京はそういうの完備しとるよ。花の関西、花の京都。京都ががんばらんでどうするんですかって。…なんか俺、すごい偉そう。
じゅ:フラさんは、今、ギター教室やってるじゃないですか。あれはどういうきっかけ?
フラ:あれは俺が弟子ができたってブログに書いて、なんかでギター教室しようかなって言ったら、(keeponさんが)ビデオカメラを送ってきたの。で締め切り前日に通して撮ったの。
じゅ:あれ一日で撮ったの?なんか衣装が一緒だなとは思ったけど。12月25日とかそのあたりよねえ。
フラ:そう。
じゅ:鶴坊はバードマンハウス(北九州にあるライブができるお店。ゆるい雰囲気が超素敵)で「T.V.SHOW」やってるでしょ?あれは月1くらい?2時間くらいやるの?
鶴坊:その時によるけど2時間から3時間。毎回ワンマンじゃないよ。ゲストも来るし。あれは、作戦も目標もなくてただひたすら続けてるだけだから、イベントとしては進んでないんだよねえ。10回目とか20回目はイベントとしてなんかしたりしたけど。そんなくらい。
フラ:栗本さんと僕と鶴坊が出たのっていつくらい?
鶴坊:盆前かな。そんなんもあったね。
フラ:あの時、俺、在住だったけんね。
鶴坊:佐藤くん(フラさん)は今、こうやって仲良しのように見えて、北九州に住んでたときはあんまりね。仲は良かったけど。
フラ:それはhi*limits(鶴坊がやっていたバンド。現在は活動休止中)が忙しかったからやけん。
じゅ:あと最近やり始めた、Niji RAINBOWはどんなバンド?
鶴坊:Niji RAINBOWは、メンバーで言うとヒーローズっていうバンドのギターボーカルのひえちゃんがギターで、ベースのマイコがベースで、ドラムは俺の幼なじみのファンキーっていう奴で。
とりあえずは(鶴坊)一人でずっとやりよるけども、一人でライブしてる場にギタリストがそこにおったらちょっと弾いてって言ったりいうのが増えてたり。そんな感じでいろんなイベントとか出て、結構いい演奏して一体感があるなあとなっても、(その場でちょっと弾いてもらったり的なやり方だと)その次にいい別のバンドが出たときにそれで(自分たちの印象が)消えちゃうんじゃないかなとか。一人とバンドじゃ大きなイベントとかじゃ違うなと。とりあえずバンドで出らないけんときに、バンドをぱっと用意できる段階にしとかなくちゃと思って始めた。
とりあえずは上手けりゃ上手いにこしたことはないし、練習は近所におらんとめんどくさいし、と思ったらバードマンハウス周辺で融通がきいてちゃんと弾けてってなると必然的にメンバーが決まって。
hi*limits(の時)は曲をやり始めたら、その曲のアレンジが決まってたから、その時のノリやテンションの違いはあれど、明日も明後日も同じ曲をすれば同じアレンジを最初から最後までする。それはもちろん考え抜いてこれがいいだろうと思ってみんなの前でやるわけだけど、それってある程度、週何度かスタジオに入ってアレンジを考えてみんなで合わせないかん、となるとヒーローズっていう他のバンドもやってるし、昼間仕事もしてるし、みんなのスタンスがあって、それは厳しいってなって。
hi*limitsみたいなバンドを今のスタンスでやったら新曲は練習してないからやれない、アレンジが固まってないからやれない、ライブ自体がやれないってことになる。だったら練習はしない、ノリでやっていこうと。それはみずきひろゆきくんの流れにも関係していて適当にばっかりやってて。もうすぐ1年になるけどまだ1回しかスタジオ入ってない。たまには練習もするべきだとは思うけど、基本は適当にやるけど、これやるからやろうってぱっとやれる形にしておけば、最低限いつでもやれるから。メンバーが忙しい中でも。
じゅ:それは鶴坊の曲をやるの?hi*limitsの曲もあるの?
鶴坊:あるある。「シャイニン・スター」(どんとのことを歌った名曲。FM福岡オムニバスCD「fm」に収録)とか。
じゅ:フラさんはバンドとかは?
フラ:しとるよ。ベースとドラムに固定の人が入って。
じゅ:音源出そうとか思ってる?
フラ:まあタイミングがあればするけど。まあまだ考えてないすね。
じゅ:というのは、みずきひろゆきくんが毎回のツアーで音源が出てくるのがすごいなと思って。
フラ:すごいよなあ。
じゅ:それも結構なボリュームでしょ。
鶴坊:逆に適当じゃないとあのペースじゃなんも事が運ばんというのを最近やっとわかった。
フラ:だけど栗本さんと湯さんにも適当って発注をしたけど出来具合いが今日のレベル。適当っていうのがわかっちょる人にだけ適当を与えてないんやけど。栗本さんと湯さんのレベルはすごいと思うし。
鶴坊:今日はいいバンドやったよ。
フラ:適当なレベルが高いんよ。レベルが高い人とやれるようになってきとるんよ、うちらも。
鶴坊:そやね。適当にやるっていうのも難しいよね。
じゅ:二人旅は新幹線?
フラ:時間に余裕がないときは新幹線。だけど大阪から広島に行くときとかはバス。3時間くらいやし。ちょっと休憩が欲しいけど、我慢できるギリギリで、疲れずにその日のライブに臨めるっていうデータはもう得てるから。新幹線だったら早すぎて逆に時間がもたんけん、ご飯屋さん行っちゃったりするけど、ちょうどリハ終わって疲れてご飯食べて復活して夜に備えるって感じ。
じゅ:二人ずっと一緒にいてイヤになることないんですか?ってお互いがいる前であえて聞いてみるけど。
フラ:結構、殴り合いっすよ。俺のヤクルトを飲みやがって!
鶴坊:俺の用意したマンゴーヨーグルトをいらないといいやがって!
フラ:用意してなかった方が怒るみたいな感じ。
じゅ:でもほんとは仲良し?
フラ:いや、普通ですよ。…って俺、今、お笑い芸人の気持ちやった。
じゅ:何それ?
フラ:仲悪いわけではないし、いいわけではないし。
鶴坊:けっこう仲いいほうだと思うよ。
フラ:いや、仲いいんだけど、言うのが恥ずかしかったからお笑い芸人風に言っちゃったんやけど、仲はいいほうだと思う。
鶴坊:でもイヤだと思ったことは一度もないし。楽しいばっかり。
じゅ:ツアーまわってて一番楽しいのは何?ライブ?
鶴坊:やっぱりライブはライブだよ。
フラ:バードマンハウスの店員さんが東京に住んでてライブに来てくれたんよ。うちらも久々やったけん嬉しかったけど、向こうもバードマンでしか鶴坊とフラッシュを見たことないのに、遠くで見るっていうのはすごいじゃん。そこで売れてないフラッシュと鶴坊を見るのは逆につらいやん。お客さん2人くらいで。切ないやん、サイモンとガーファンクルとかのカバーやったら。でも東京でにぎやかしいことができて、その子も喜んでくれて、うれしいよね。もちろん東京の人が喜ぶのも楽しいけど、九州でしか見たことのない人が東京で見る感動って絶対違うと思うんよ。幸せでした。
(この後、ブッキングの話などいろいろ。フラさんお手洗いに。)
フラ:今、東名阪、福岡も入れると、東京と北九州に週末を持っていったら、関西は平日になるんよね。田舎に行けばいくほど週末やし。わからん。力足らずだからやれることは限られてるんですけど。
じゅ:じゃあ、最後に今後の抱負なぞ。
鶴坊:ソロでアルバムを作ろっかな。だいぶ作ってないし。みずきひろゆきくんは、関西でも50人企画(東京と北九州でやった「動員50人めざそうぜ!」企画)やりたい。それはハウリンバー(大阪にあるライブハウス)だったら30人でもできるし。
フラ:串太郎(大阪にある焼鳥屋。ときどきライブハウスになる)は20人くらい?結局みんな土日がいいんだよ。土日祭りしようよ。
じゅ:フラさんは?
フラ:ヒット曲がもう2〜3曲欲しい。
じゅ:もうちょっと増やそうよ!
フラ:ヒット曲があるような言い方だったね。
じゅ:いやいやいや。
フラ:今後は誘われたライブに出たりして。また8月くらいにこっちに来るよ。
鶴坊:みずきひろゆきくん的には、いろいろあるよね、計画が。
フラ:だって出そうと思えばすぐに出せるものあるし。
じゅ:それって音源?
フラ:音源どころじゃないよ。
栗本:グッズとか?
フラ:いやいや、もう幻の超ステキなライブDVD。もう原本は作ってある。
鶴坊:仕掛けるタイミングだけやね。
じゅ:そっか、楽しみにしておきます…笑。ありがとうございました。