2017年01月08日

台北ビエンナーレ2016

年末から正月にかけて台湾に滞在していました。
滞在中に「台北ビエンナーレ2016」を拝観してきました。今回のテーマは「Gestures and Archives of the Present, Genealogies of the Future」。前回のビエンナーレも大変面白かったのですが、今回もテーマが刺激的なこともあり、多くの質の高い作品にふれることができたと思います。ただ、一部展示レイアウトに少し「難」があったように感じました。あの状態が単に展示スペースに対する作品の「収まりの悪さ」に起因しているのであれば、もう少し対策があったのではないかと思いました。ありがたいことに、英語の図録PDFを台北市立美術館のwebサイトからダウンロードできるので、翻訳しながら読んでいるところです。

また、同時に開催されていた「王信攝影展」も思っていた以上に素敵な展示でした。僕はこの写真家のおかげで「蘭嶼(らんしょ)」という台湾の離島とタオ族を知ることができた。王さんの写真集が出版されたらぜひ購入したいです。そして、この離島へ足を運べたらと思っています。


nakashu* 日曜日 19:44 | TB(0)
2016年12月27日

良いお年を・2016年に読んだ本画集図録

一年一年が過ぎてゆく「速さ」が尋常ではない。
一応僕はkeeponmusicの管理人として名を連ねているし、1990年代にインターネットと関わり始めたこともあり、リアルとネットの未来や現状に無関心を装うわけにもいかないだろうとあらためて考えなおした2016年でした。それはネット上で発信されるデマや誹謗中傷に大いに踊らされ、必要のない分断にまきこまれる人々を多く目にしたからです。僕たちはpost-truthの時代を乗り切らなければならない。たとえ釣られてもそこから逃げる技術を身につけよう。常に泳ぎ続けることが重要です。

【2016年に読んだ本・画集図録】
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「私写真論」飯沢耕太郎 (著)
「記憶・記録・感光材料」竹田 政民 (著)
「日本・現代・美術」椹木野衣 (著)
「ウー・ウェンのおいしい野菜 四季の味」ウー・ウェン (著)
「デザイニング・マルチデバイス・エクスペリエンス ―デバイスの枠を超えるUXデザインの探求」Michal Levin (著)
「SOFT SKILLS」ジョン・ソンメズ (著)
「Surf Cafe Cookbook: Living the Dream: Cooking and Surfing on the West Coast of Ireland」Lamberth, Myles (著)
「JAPAN ロバート・ブルーム画集」Robert Frederick Blum (著)
「Vincent Van Gogh: The Complete Paintings: Etten, April 1881 - Paris, February 1888」Walther, Ingo F.
「MARK ROTHKO」川村記念美術館
「アート オブ シンプルフード」アリス・ ウォータース (著)
「Monet or the Triumph of Impressionism」Wildenstein, Daniel (著)
「メモランダム」古橋悌二 (著)
「極北と森林の記憶 イヌイットと北西海岸インディアンの版画」齋藤玲子, 岸上伸啓, 大村敬一 (編集)
「意識と脳 思考はいかにコード化されるか」スタニスラス・ドゥアンヌ (著)
「私の絵日記」藤原マキ (著)
「ジョージア・オキーフとふたつの家」ラインズ&ロペス (著)
「大原孫三郎」兼田麗子 (著)
「大原総一郎」井上太郎 (著)
「戸谷成雄 彫刻と言葉 1974-2013」土方浦歌, 森陽子 (編集)
「中世の非人と遊女」網野 善彦 (著)
「シベリア鎮魂歌 香月泰男の世界」立花隆 (著)
「高校講師が教える化学実験室」山田暢司 (著)
「サイ・トゥオンブリーの写真―変奏のリリシズム―」サイ・トゥオンブリー (著), 前田希世子 (編集)
「柳幸典「ワンダリングポジション」」Bank art 1929
「杉本博司「ロストヒューマン」」東京都写真美術館
「横浜トリエンナーレ2104」横浜トリエンナーレ組織委員会 (編集)
「大地の芸術祭「越後妻有アートトリエンナーレ2015」
「トーマスルフ」東京都国立近代美術館・金沢21世紀美術館・読売新聞東京本社文化事業部 (編集)
「大原美術館名作選」高階秀爾(監修)
「李禹煥美術館 LEE UFAN MUSEUM」李禹煥
「Remain in Naoshima Naoshima Contemporary Art Museum」秋元雄史, 江原久美子 (編集)
「アジアコレクション100 福岡アジア美術館 所蔵品選」福岡アジア美術館
「手紙の書き方」輪辻潔(著)
「ゲンロン4 現代日本の批評III」東浩紀 (編集)
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nakashu* 火曜日 04:12 | TB(0)
2016年12月10日

荷物が多いから少し持ってくれませんか

沖縄の基地問題につきまとう気持ち悪さとは「とても荷物が多いからちょっと持ってくれない?」と言ってるのに「じゃ、俺も少し持つよ。」と手をあげる家主があらわれなかったことにある。何十年という月日をかけ、荷物の中身について話し合う人はたくさんいたというのに…。僕は台湾で(短い滞在期間ではあったが)、地下鉄やバスで若い人が老人や小さな子供に席を譲っている場面に何度も出くわした。そんな光景が日本であまり見られないのは、沖縄の基地問題を見ていると妙に納得してしまうのだ。

nakashu* 土曜日 02:11 | TB(0)
2016年11月12日

東京へ

東京で展覧会をまわってきました。足を運んでおかないと後悔するだろう展示が、この秋東京でいくつも重なりました。かねてより単独の企画展として体験しておきたいと思っていた作家ばかりでした。僕の場合ある程度のひとかたまりで体系的に経験しないと、作品や作家に対する重要な発見が抜け落ちてしまう。見終わった今も行ってよかったとほっとしながら、微量の興奮がまだ続いています。

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杉本博司 「ロスト・ヒューマン」@東京都写真美術館
柳幸典 「ワンダリング・ポジション」@BankART Studio NYK
ナムジュン・パイク 「2020年 笑っているのは誰?+?=??」@ワタリウム美術館
クリスチャン・ボルタンスキー「アニミタス-さざめく亡霊たち」@東京都庭園美術館
トーマス・ルフ「トーマス・ルフ展」@東京国立近代美術館

*日本郵船博物館
*築地本願寺
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成田空港に到着した時、トランプの勝利がほぼ確定していたこともあり、空港から直行した杉本博司 「ロスト・ヒューマン」展の内容はより示唆的なものとして映った。アメリカ大統領選の中継は「ロスト・ヒューマン」展への最良の導入として機能してくれた。選挙の結果自体には、ここ数年twitter/facebookから距離をおいて暮らしているせいかそこまで深刻にはならなかった。人にとってセンシティブで重要な事柄が、膨大な量の「らしい」で共有される世界にほとほと嫌気がさしている。そして無自覚ながらそういう仕組みに少々加担してしまった自分にも嫌気がさしていた。ソーシャルは「らしい」を「らしい」で留めておく心のタガのようなものをいとも簡単に外してしまう。物事が発生した場所とメディア、それを通して理解する僕たちの間にはそれぞれとんでもない「距離」が横たわっていることをもう一度確認しておいた方がいいだろう。重要なのは「リツイート」や「いいね」や「シェア」ボタンをアクションすることではない、アクション後の各個人の振る舞いにある。

nakashu* 土曜日 13:42 | TB(0)
2016年11月02日

編集

前回の展示会の記録集(28ぺージ)の編集がやっとひとだんらくした。いままで図録編集作業にたずさわったことがないので、いい勉強にになりました。有識者2名の方にレビューを依頼しましたが、作品を見て言葉に落とし込む行為はとても重要で貴重な才能なんだということがあらためてよくわかった。僕は展評をいただくたびに、新しい視野をもらうような気持ちがしていて、実際にその視野はとても有意義なものをもたらしてくれます。

nakashu* 水曜日 23:13 | TB(0)
2016年10月20日

祇園・中洲川端・天神

10数年ぶりに博多へ行った。夜は小山くんと佐藤くんに会えてよかった。
以前暮らしていた街を歩く時は少しドキドキする。以前のままの風景と新しい風景が、交互に繰り返し現れては消えていくからドキドキするのだと思う。学生の財布に優しかった定食屋や居酒屋はきれいに全部なくなっていた。当時、僕は本格的にお酒をおぼえはじめた時期だったので、とにかく夜の街角で涙を流しながらよく吐いた。祇園から天神までを歩きながら「吐いた場所」をいまだに正確におぼえていたのには自分でも驚いた。
先週、沖縄にライブに来た鶴坊と「今思うと福岡ってとてもいいところだったよね」という話しをしたのを思い出し、そのとうりだなとあらためて思った。

佐藤くんの岩田屋での合同展示会・福岡アジア美術館・福岡市博物館をまわり、本屋とラーメン屋を数件はしごした。佐藤くんとはじめて出会った時は彼はバードマンハウスというライブハウスの店長だったが、あれから10年以上コンスタントに写真を撮り続け、今は立派なカメラマンとして活躍している。僕は今度そういう骨太な人と一緒に、台湾で展示会をしたいと思っている。以前も書いたが、ギターやマイクや客がいなくても歌える人や、カメラがなくても記録し続けるような人と少しでも同じ場所を過ごせたら最高ですね。

nakashu* 木曜日 01:09 | TB(0)
2016年09月29日

続けることについて

思い返すと35歳前後で、仲の良かった絵描きやミュージシャンがバタバタと活動を辞めていく時期があった。僕は「辞めるな。」と何回も伝えたが、今から思えば無責任で余計な忠告であったかもしれないと思う。僕の個人的な「さみしさ」から湧き上がる感情の延長上で出た言葉などは、彼らの現実的な問題の前ではあまり「力」にはならなかったと思います。

最近、そのような活動はやめても、仕事や日々の暮らしの中で当時のようなシャープな感覚を活かしている友人に会うことができた。「あぁ。まだまだあなたらしく続けているのだな。」と気付き、深刻に引きとめようとしたあの時の自分をとても恥ずかしく思いました。形は変われど、あの当時の感覚にまた出会えたというのは、彼もまだまだ戦っているのだと思いました。


nakashu* 木曜日 15:19 | TB(0)
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